cookpad news
コラム

生ごみが臭う季節…◯◯を使って「一石二鳥」な楽ちん処理

テレビや雑誌で活躍中の家電ライター・田中真紀子さんが、今本当におすすめしたい家電を紹介!お料理も大好きという田中さんがリアルな生活者目線&家電のプロならではの視点で素敵な家電を紹介します。

6月に入ってから、今まであまり感じなかった生ごみのニオイが気になり始めた人も多いのではないでしょうか。不快な生ごみ臭を部屋に充満させないためには、できるだけ早く処分するのが一番!そこで今回は、ニオイ対策しながら生ごみをリサイクルできる生ごみ処理機はありかなしか、レビューを交えてご紹介したいと思います。

そもそも生ごみが悪臭を放つ原因と対策は

梅雨になったら急に、生ゴミが臭い始めるペースが早くなったと思いませんか。今まではごみの日までなんとか持っていてくれたのに……。原因は、雑菌が繁殖しやすい高温多湿の季節になったこと。雑菌は、冬の間はあまり活動できませんが、高温多湿になると活動が活発になります。そして生ゴミを食べて分解し、悪臭成分を含むガスを発させるのです。

この生ごみ臭を抑える方法はいくつかあります。すでにみなさんも実践されていることもあると思いますが、1つ目は、新聞紙に包むこと。生ゴミの水分を新聞に吸収させれば湿気が減らせ、繁殖を遅らせることができます。さらに、水で薄めたお酢を生ゴミにスプレーで吹きかけると、お酢の殺菌作用で菌の繁殖を抑える効果も。また、ごみ収集日まで、冷蔵庫や冷凍庫に保管して腐敗を遅らせる方法もありますね。その際は袋でしっかり密閉し、腐敗が始まる前に入れましょう。「生ごみを冷蔵庫に入れたくない」という人は、最近話題の“冷やすゴミ箱”がいいかもしれません。

よく知られているのが、生ゴミを堆肥にする方法です。これ自体は決して目新しい方法ではありませんが、なんとなく「難しそう」「面倒くさい」と、実践したことがない人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、パナソニックの「家庭用生ごみ処理機MS-N53XD」を使いながら、生ゴミの堆肥化のメリット・デメリットについて考えてみたいと思います。

生ゴミを堆肥化するメリット・デメリット

生ゴミを堆肥にするには、電気を使わない昔ながらの方法と、電動生ゴミ処理機を使う方法があります。

昔ながらの方法とは、土に生ゴミを混ぜ、時間をかけて分解・発酵させ、堆肥化する方法のこと。電気式とは違って初期費用や電気代が少なくエコですが、うまく発酵が進まないと悪臭や虫が発生する場合もあるため、まずは分解されやすい野菜や果物の皮などで少量から始めてみるのがおすすめです。

なお堆肥になるまで、夏場で約1か月、冬は3か月ほどかかりますが、米ぬかを混ぜておくと発酵が早まり、悪臭・虫対策にもなります。

一方の電動生ゴミ処理機は、温風で乾燥させることで短時間で生ゴミを5分の1の量まで減らしてくれます(乾燥式の場合)。低温で乾燥させた生ゴミはすぐに堆肥として使えますが、高温で乾燥させた場合は、土と混ぜて1か月〜3か月寝かせる必要があります。ただし乾燥しているので、寝かせている間に、悪臭や虫が発生するリスクは低いです。

気になるのは購入費用と電気代がかかること。コスパで考えたらメリットは少ないので、ゴミを減らしたり、生ごみ臭対策ができることにメリットを感じられる人におすすめです。なお自治体によっては、生ごみ処理機の購入費用を補助してくれる制度がありますので、チェックしてみてください。

パナソニックの家庭用生ゴミ処理機を使ってみました

さっそくパナソニックの「家庭用生ごみ処理機MS-N53XD」で生ごみを乾燥させてみました。本機の特徴は、容器の底についた羽根を回転させて生ゴミを混ぜながら、温風で乾燥させる点。見た感じは、ふつうのスタイリッシュなゴミ箱という感じで、本体サイズ(幅268×奥行き365×高さ550mm)も20L用のゴミ箱ぐらい。なお実際に投入できる生ゴミの最大量は、約2.0kg(約6.0L)です。

フタにヒーターが搭載され、生ゴミを乾燥させます。

乾燥モードは、130℃で短時間で乾燥する「標準」と、より低温で時間をかけて乾燥する「ソフト乾燥」の2種類。標準モードで作った堆肥は、土と混ぜて寝かせる必要がありますが効果が持続するのに対し、低温ソフトモードで乾燥させた生ゴミは、すぐに堆肥として活用できるという違いがあります。なお400gの生ごみの乾燥時間の目安は、標準モードで1時間40分、ソフト乾燥モードで約2時間10分。量が多くなるほど、この差は広がっていきます。

では、生ごみを投入!今回の量は約200gと少々少なめでしたが、うまくいくでしょうか。

水を切った生ごみだけを入れます。

あとは「入」ボタンを押すだけ。標準モードで運転が始まります。

運転中は温風で乾燥させているので、ウィーンというファンの音がずっと鳴っています。同時に羽根が回っている音。そしてしばらくすると少々焦げているようなニオイが……。生ゴミ処理しているというよりは、何か調理しているような香ばしいニオイで不快なニオイではありませんが、人によっては気になるかもしれません。

使い方は簡単。毎日使えば生ごみ臭ゼロに?

そして待つこと1時間30分。終了の合図音はなかったのですが、運転が終わっているようだったので1時間ほど待ってからフタを開けてみると、みごとに乾燥され(炒められ?)、かなり量が少なくなっていました。重量を測ってみると、200gあった生ごみが、たったの43gに。手のひらに収まりそうな量です。

Before

After

いずれにしても操作は簡単!投入できるもの、できないものを把握しておけば、手軽に始められそうです。

▼投入できないもの
・牛・豚・鶏などの骨、多量の卵の殻、貝殻など硬いもの
・生ごみ以外のもの、まぎれ込みがちなもの(野菜の袋やテープ、アルミホイルなど)

ちなみに乾燥処理した生ごみは、その都度取り出す必要はありません。その上から、次の生ごみを入れて処理してもよいそうで、1日400gの生ごみなら最大約2週間溜められます。手間要らずで、毎日使えば生ごみの臭いに悩まされることもなくなりますね。なお400gの生ごみを処理するのにかかる電気代は1回約23円。毎日使うと1か月あたり618円の計算になります。

お手入れについても、「本体の汚れ度合いを確認」したうえで、必要に応じて行えばいいそう。容器自体は水洗いできるので問題ありませんが、ヒーターカバーに乾燥時のゴミが溜まったら歯ブラシで取り除くなどのお手入れが必要です。でもこちらも頻度は高くないので、大きな負担にはならないと思います。

家庭菜園を始めるきっかけにも

なんとなく面倒に感じていた生ごみの堆肥化も、電動生ごみ処理機を使うと意外と簡単ですね。サスティナブルの観点で見ると、生ごみのリサイクルと電気代がトレードオフになってしまいますが、ゴミを少量化し、生ごみ臭を減らせるメリットは個人的には大きかったです。また知人から、コンポストにゴキブリが来た!といった話を聞き、一度断念していた堆肥化にこの夏チャレンジし、家庭菜園を始めてみるつもりです。うまくいったら、またご紹介させてください。

田中真紀子

家電を生活者目線で分析し、雑誌やウェブで紹介する家電ライター。日常生活でも常に最新家電を使用し、リアルな使用感や取り入れ方を発信している。自宅には常時200以上、キッチン家電だけでも60以上を所有し、日々使いこなしを研究中。メディアやメーカーからの取材や監修、テレビ・ラジオ出演など、専門家としての依頼も多数。

関連する記事
袋で揉むだけ!一番簡単なヨーグルトシャーベット 2023年06月14日 14:00
材料2つ!家にアルモンデで作れる「ひんやりクッキーサンド」4選 2023年06月17日 15:00
子どもが自分から料理や掃除がしたくなるキッチン!アンバサダー・Mikko6さんのお片づけ術 2023年07月01日 20:00
こう食べても良いんだ!「生ピーマン」副菜4選 2023年06月30日 16:00
ハム・ベーコンない時に!「魚肉ソーセージ」が活躍する方法 2023年07月27日 13:00
これ涼しい〜!暑くてバテる夏のキッチン、◯◯を上手に使って速攻快適に 2023年07月28日 20:00
食中毒になりやすい意外な盲点!?キッチン「調理台」のリセット掃除術をプロに聞いた 2023年07月08日 19:00
あの食材で豚肉そっくりに!?ダイエット中でも罪悪感ゼロの「ヘルシーなんちゃって豚丼」 2023年07月25日 19:00
こんな食べ方も!?ちょっと意外な 「ズッキーニ」調理法4選 2023年06月27日 19:00
「これくらい良いでしょ」が大惨事に!カップ麺の汁はトイレに流してOK?掃除のプロに聞いてみた 2023年07月02日 19:00
ご飯の保温、◯時間以上は危険!お米屋さんに聞く炊飯器「保温機能」の注意点 2023年06月23日 13:00
なす&大葉が余ったら…使いきり副菜レシピ4選 2023年08月07日 17:00
キンキンに冷やして食べたい「まるごと漬けトマト」 2023年08月09日 10:00
余った完熟トマトの消費にも◎濃厚「フレッシュトマトソース」 2023年08月04日 12:00
材料3つで!さっぱり濃厚なレアチーズケーキ「フォンテーヌ・ブロー」 2023年08月08日 15:00
食洗機と手洗い、どっちがお得?1回あたりの水道代、電気代を計算してみた 2023年08月18日 20:00
火を使わず手軽に作れて◎ 旬の「冬瓜」副菜バリエ 2023年08月29日 21:00
こんな「火おこし」絶対やめて!危険すぎるアウトドア調理器具のNG使用法 2023年08月08日 20:00
ティファールは早く導入すべきだった…!?編集部スタッフが教える「買ってよかった・いらなかったキッチングッズ」 2023年07月16日 17:00
焼かずに簡単!2層の絶品「キャラメルレアチーズケーキ」 2023年09月01日 12:00
450人絶賛!生でモリモリ食べられる「ゴーヤとツナ」のサラダ 2023年09月04日 17:00
短時間でホイップ完了!生クリームをスピーディーに泡立てる裏ワザ 2023年09月25日 15:00
便利だけど実は…?倹約家FPが「ウォーターサーバーを使わない」理由に納得 2023年09月15日 20:00
保存容器はNG?お米屋さんに聞いた「マズくならない」ご飯の冷凍ワザ 2023年09月22日 13:00
「臭いものには蓋をしろ」が意外と正解!?生ゴミのニオイ対策を掃除のプロに聞いた結果 2023年09月05日 19:00
生やレンチンで!モリモリ食べられるデリ風「小松菜サラダ」 2023年09月09日 21:00
農家直伝レシピも!ジューシーさが長持ちする「梨の保存法」 2023年09月07日 16:00
怪我につながる危険なゴミ!「焼き鳥の串」の正しい捨て方、資源循環局の答えは? 2023年08月14日 20:00
不眠にレタス、肩こりに小松菜!?いつもの食材が漢方薬の代わりになる「ゆる養生」のススメ 2023年09月15日 21:00
丸ごと買っても大丈夫!すぐ使い切れないかぼちゃを冷凍保存するワザ 2023年10月23日 14:00
爆速!アレを使って「5秒」で生クリーム泡立て完成 2023年10月27日 18:00
つくれぽ600件超え!材料3つでお店に負けない「極上パスタ」 2023年10月27日 19:00
お米屋さんがやってる裏ワザ!お米炊いた直後の◯◯でおいしさ格上げ 2023年10月27日 13:00
◯◯させないのがポイント!柿が長持ちする裏ワザ 2023年10月26日 10:00
知らなかった!掃除研究家が直伝「電気ケトル」NGな使い方とお手入れ術 2023年10月10日 19:00
地味なストレスも解消!料理好きが絶賛する「買ってよかった」食洗機はコレ 2023年10月14日 12:00
SNSで話題の食材!「ライスペーパー」をくっつかずにやわらかく戻せる裏ワザ 2023年10月05日 12:00
生で食べると激ウマ!?意外な「大根」の食べ方 2023年11月03日 07:00
ヨーグルトで簡単!口当たり濃厚「天使のデザート」って? 2023年11月07日 14:00
捨てちゃダメ!意外と使える「食パンの袋」 2023年11月11日 18:00
5分で完成!切って和えるだけの「生かぶ」サラダ 2023年11月17日 15:00
えぐみが消えて味しみ◎大根は「レンジで下茹で」が正解 2023年11月20日 14:00
【掃除研究家が直伝】一度使うと手放せない!キッチン掃除に大活躍する「キッチン用ウエス」の作り方と活用術 2023年11月11日 14:00
“ルンバブル”って知ってる?30代女性が激推しする「時短に貢献してくれる家電」 2023年11月10日 17:00
捨てないで!チラシ&新聞紙の料理活用術 2023年11月28日 12:00
乾燥の季節は食パンもパッサパサ!◯◯するだけでフワフワ食感復活の裏ワザ 2023年12月01日 18:00
夫婦の家事分担「妻が9割」上手に家事をシェアするための3つのポイント 2023年11月11日 20:00
これ知ってる?ドンキ・ホーテのおすすめプライベートブランド商品 2023年12月01日 20:00
セロハンテープや100均グッズが大活躍!掃除のプロが教える「年末年始のゴミ問題」を解決する裏ワザ 2023年12月05日 19:00
30代スタッフに聞いた“こだわり”!料理で「面倒だな」と思いながらもやってしまうこと 2023年12月01日 17:00