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コラム

「干さない梅干し!?」梅干し作りのハードルがグンと下がる『漬けっぱなしの梅漬け』に挑戦!

梅しごとの季節到来です。毎年、欠かさず梅干しを作っているという方、「久しぶりに作ろうかな」と思っている方、「挑戦はしてみたいけど……」と考えている方。今年の梅しごとをどうしようかと考えているという方に、クックパッドアンバサダーとしても活躍する人気レシピ作者の梅ミッキーさんから、「干さない梅干し」の作り方を聞きました。「干さない」ということで梅しごとのハードルがグンと下がりますよ!

「干さない梅干し」とは?

――いろいろな梅干しレシピをお持ちですが、今回は干さずに作る梅干しのレシピを教えていただけるとのこと。このレシピができたきっかけを教えてください。

近年、お客さまからのリクエストで、「梅を干す場所がない。干す手間を省きたい」という声をいただくようになりました。そこで、“梅の甘酢漬け”のレシピを紹介したところ、「甘くなく塩味があり、なおかつ減塩タイプの梅干しがいい」という声もいただきました。そのリクエストを集約させたのが、塩味と酸味が楽しめる「干さない!低塩梅干し(梅漬け)」です。

――干さなくて良い梅干しとはどういうモノですか?

干す前の『梅漬け』の状態でもおいしく食べられるモノです。一般的に、梅と塩を一緒に漬け合わせた「梅漬け」の、保存性を高める為に干したものが梅干しと呼ばれます。 梅漬けの状態でも食べることができますが、自家製の梅干しや、流行りの減塩梅干しは、焼酎等のアルコールを使用している物がほとんど。 その場合、やはり、天日干しをして、アルコールを飛ばしたいという方が、ほとんどだと思います。私がご紹介するのは、アルコールを使わないので、安心して干さずに食べられる梅漬けになります。

――干す前の状態でも、すでに梅漬けとして食べることができるということですね。

梅漬けの状態でも、焼酎などを使っている場合は天日干しをしてアルコールを飛ばしたいという方もいます。私がご紹介するのは、アルコールを使わない、干さなくて良い梅漬けになります。

――アルコールはカビ防止のためだと思うのですが、アルコールなしでもカビの心配はないのでしょうか。

梅干し作りが失敗する原因の多くはカビです。私のレシピでは、焼酎を入れない代わりにお酢を使います。お酢もカビ予防になるんです。又、本みりんも加えることで、梅が液中に浸りやすくカビの予防効果が高まります。 ※本みりんは、電子レンジで簡単にアルコールを飛ばすことができるので、これを使用することで、ノンアルコールの梅漬けに仕上がります。

みりんの旨味を効かせた『塩味&酸味』を楽しめる梅漬け。白飯にもぴったり!

作りやすい分量

梅(完熟)…1㎏
粗塩…70g
本みりん…100cc
酢…100cc

使う道具

ジッパー付き袋(大)…2枚
重石(雑誌、ファイルなど)…約500g(目安は梅の重量の半分)

作り方

1.【梅の熟度】 黄色く熟して軟らかい物を選ぶ。 ※ふわふわに仕上がります♪

2. ※黄色くてもまだ固めの梅を購入した場合→ ザルに乗せ、新聞を被せて涼しい場所に置く。 更に黄色く追熟させてから使用する。

3. 【下準備1】 梅を水洗いしてザルに上げる。ペーパーで水気をしっかり拭き取る。
※南高梅はアク取不要。水に浸さない。

4. 梅のヘタは、串を使って1粒ずつ取り除く。

5. 【下準備2】 本みりんを煮切る。小鍋で本みりんを沸騰させて(約1分)、アルコールを飛ばし、しっかり冷ます。

6. 【漬ける】 袋に4.5.粗塩、酢を入れる。袋の中で梅を転がし、梅に馴染ませる。 空気を抜きながらジッパーを閉じる。

7. 袋を2重にして、重石をする。
※梅が重ならない様に置き、1日1回袋を表裏返す。比較的涼しい場所で保管する。

8. [3日目の様子] 梅酢が出てくるので、このまま漬け込む。

9. [1週間後の様子] たっぷりと梅酢が出てくるので、更に漬け込み、1か月以上待つ。

10. [1か月後] 完成。干さずに食べられます。 液に浸したまま、涼しい場所で保管しましょう。

梅漬けは7%の低塩漬け

――梅漬けの味の特徴は?

一般的に好まれる低塩梅干しの塩分が5~10%程度です。おにぎりに入れてもおいしく食べられ、塩味が楽しめます。最近は、はちみつ梅干し等、甘いものが好まれたりもしますが、塩味を楽しめるこのタイプも作っておくと便利だと思います。

――干さないことで、干した梅干しと比べると保存期間が短くなるということはありますか?

こちらの梅漬けは7%の低塩漬けになります。保存期間は約6ヵ月。冷蔵保存がおすすめです。保存が効く基本の梅干しに挑戦したい方は、こちらのレシピもお試し下さい。

(TEXT:山田かほり)

梅ミッキーさん

梅講師を初めて18年目。梅のシーズンは毎年大忙しで、店頭やメディアを通して多くの方に梅しごとの楽しさを伝授しています。梅酒や梅干しの漬け方はもちろんのこと、梅素材を使ったお菓子やお料理のレシピも紹介中。栄養士やフードコーディネーターの資格もあり、普段の食卓のコーディネートも得意。クックパッドアンバサダー2023としても活躍中。

クックパッドのキッチン:梅ミッキーのキッチン
Instagramアカウント:umemickey_kitchen

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