cookpad news

マヨネーズやバターが太るは間違い!糖尿病の専門医が教える「太らなそうだけど実は太る調味料」

【話題のダイエット本、試し読み Vol.29】ちまたに溢れるダイエット本、ゴールはみんな同じですが、そこにたどり着くための方法は本の数だけ存在しています。本連載では、話題のダイエット本のメソッドを編集部がダイジェストでご紹介。ご自分にぴったりのダイエット本を、ぜひ見つけてみてくださいね。

糖尿病治療で生まれた医学的に正しいダイエット

必死にダイエットしているのに、なかなか成果が出ないという方は多いのではないでしょうか?ダイエットを成功に導くためには、無数にあるダイエットから信頼できる方法を選択することが大切です。

今回ご紹介する『医者が教えるダイエット 最強の教科書 20万人を診てわかった医学的に正しいやせ方』は、医学的なエビデンスに基づいた痩せ方を紹介するダイエット本です。

著者は、糖尿病の専門医である牧田善二先生。糖尿病をはじめとする生活習慣病、肥満治療で20万人の患者にアドバイスした経験から「牧田式ダイエット」を考案。空腹を我慢する必要なし、激しい運動も不要という手軽さがテレビなどで話題となりました。過去発売された2冊の著書は90万部を超えるベストセラーになり、本書が待望の3冊目。気になる中身を紹介します。

医師が教える、正しい肥満のメカニズム

肥満に悩む患者を診てきた牧田先生は、過去にカロリー計算がダイエットの主流だった経緯などから、カロリー計算や運動、食事制限など間違った方法でダイエットをしている人の多さを指摘します。「以前はカロリーが高いものや油っぽいものがダイエットの大敵と言われていましたが、私たちを太らせるのはカロリーや脂肪ではありません。人は糖質によって太ります」と牧田先生。

牧田先生曰く、現代の日本人は実は圧倒的に糖質に偏った食事をしているそう。なぜなら、ごはん、麺、パスタ、イモ類などの炭水化物は全て糖質。これらの炭水化物は「多糖類」と言われ、消化・吸収の過程で全てブドウ糖に分解されます。砂糖は「二糖類」で、同じくブドウ糖に分解されます。つまり、ごはんを食べるのは砂糖と食べているのと同じことに。

分解されたブドウ糖は小腸から血液中に吸収され、血中のブドウ糖が増加して、血糖値が上がります。その上昇を抑えるためにインスリンというホルモンが分泌され、血中に溢れたブドウ糖をグリコーゲンに変え、肝臓や筋肉に蓄えます。その際、余ったブドウ糖が脂肪に形を変え、脂肪細胞に取り込まれます。これが科学的に正しい肥満のメカニズムです。

医師が勧める、ダイエットの最良かつ唯一の方法とは?

「痩せるための具体的な方法は1日の糖質摂取量をコントロールする以外ない」と牧田先生。1日58グラムの厳しい糖質制限と、少し減らす程度の緩い糖質制限の効果を比較したアメリカの研究では、緩い糖質制限では痩せる効果が認められず、厳しい糖質制限で減量に成功した結果が出たそう。その根拠を元に、牧田先生は「1日の糖質量を60グラム以下に抑えると、誰でも1日100〜200グラムずつ痩せていく」と語ります。

大多数の人は、1日摂取する糖質の半分以上をごはん、パン、麺類といった主食から摂取しているため、糖質を厳密に計算するのが面倒くさい場合は、主食の食べ方に注意をすると良いそう。本書では主食で糖質をコントロールする食事法が紹介されています。

意外と糖質が多い、注意すべき調味料

主食による糖質量のコントロールは効果が高いですが、ハードルを感じる方も多いのではないでしょうか。そんな時は、まず手始めに炭水化物以外で何に糖質が多く含まれるかを知っておくのが良いでしょう。意外と糖質が多く含まれ、注意が必要なのが調味料。今回は本書から、太らないための調味料の選び方を紹介します。

ノンオイルに限らず、ドレッシング類には味の調整のために砂糖が加えられていることが多く、ドレッシングを摂取すれば太ります。「特に淡白なノンオイルドレッシングは満足感が得られにくいため、たくさんかけすぎてしまい、結果的に糖質過多になりやすいので注意が必要」と牧田先生。サラダには、少量の塩とエキストラバージンオイルをたっぷりかけるのがおすすめです。糖質の少ないマヨネーズもOKです。

中華料理の素、カレーやシチューのルーなど、現代は多種多様な調理ソースが売られています。これらのとろみのある調味ソースは要注意!とろみは、片栗粉や小麦粉などの炭水化物で付けています。

そして、甘さを感じない調味料も味付けに砂糖が使われていることがほとんど。ケチャップやソースにも砂糖が多く入っています。さらさらしたウスターソースは、お好み焼き用やトンカツ用などのドロドロしたソースよりも少ないとは言え、やはり砂糖が使われています。

焼肉や焼き鳥を食べるときは、タレ味ではなくなるべく塩味を選ぶのがおすすめです。例えば、スーパーで売っている焼き鳥。焼き鳥のゼラチン状に固まっているタレには糖分が多く含まれています。煮物に多用するみりんも要注意です。

調味料選びに関しても、注意しないといけないのは脂質などではなく、糖質。調味料を買う際は栄養成分表示や原材料を見るのがポイントです。

栄養成分表示の炭水化物が糖質量を、原材料に糖質が多く含まれている材料がないか確認しましょう。表示をチェックすることを習慣にして、「太らなそうだけど実は太るもの」から「太りそうだけど実は太らないもの」に変えていきましょう。

太る食べ物が多い現代こそ、正しい知識が必要!

牧田先生から、ダイエット中のクックパッドニュース読者へ向けたメッセージをいただきましたので、ご紹介します。

「肥満の原因は糖質です。そのため、糖質を制限すれば、誰でもやせることができるわけですが、糖質には中毒性があるため、単純に量を制限しようとしても難しく、ダイエットには"コツ"が必要です。この本では、これまで誰も説明することができなかった糖質制限のコツについて、20万人の患者を診た経験をもとに、あますところなく書きました。過去に糖質制限に挑戦して失敗した人でも、本書の方法なら効果を実感できるでしょう」(牧田先生)

牧田先生が医師になったばかりの頃は、メタボという言葉は存在せず、糖尿病の患者数も今ほど多くなかったそう。しかし、以前に比べ日本人の食べる量自体は減っているんだとか。「食品が工業製品になった現代は、人々を太らせる食べ物が増えています。現代人はたくさん食べているから太っているのではなく、太るものを食べているから太っている」と牧田先生。

正しい知識をつけ、太る食べ物を避けることが重要と言えそうです。眉唾なダイエットに手を出すのではなく、まずは本書を手に取って、正しい知識を身につけてはいかがでしょうか?

(TEXT:小菅祥江)

※ メイン写真はこちらの記事をイメージして選定させていただきました
画像提供:Adobe Stock

『医者が教えるダイエット 最強の教科書 20万人を診てわかった医学的に正しいやせ方』ダイヤモンド社

関連する記事
罪悪感なし&レンジでOK!おからで「痩せ蒸しパン」ができた! 2023年11月01日 13:00
低カロリーで肥満予防にも!「里芋」の栄養がすごかった 2023年11月18日 12:00
【極シリーズ】鶏肉ふっくらお米ふわふわ!旨みが大爆発する「極 鶏めし」 2023年11月23日 19:00
卵、コーヒーなど身近な食材の知識をアップデート!10月に最も読まれた「コラム」の記事は?【月間ランキングTOP5】 2023年11月10日 22:00
そのプロテイン、本当に必要?プロテインが必要な人、必要ではない人 2023年11月08日 20:00
血糖値が高いといわれたら?まず見直したい食生活のポイント4つ 2023年11月15日 20:00
野菜ジュースのメリット・デメリットは?上手な活用の仕方 2023年11月22日 20:00
え、ダメなの?痩せたい人が「サウナ」で飲んではいけない意外な飲み物 2023年10月31日 20:00
ストレスだらけだった減量が達成感があって楽しいものに!半年で−6kgを叶えた人気YouTuber・まみやでさんが、これまでのダイエットから“変えたこと”とは? 2023年10月28日 15:00
158cm・60kgから48kgへ!食事管理のみで1年に−12kgを叶えた産後ママの最強ダイエット法 2023年11月04日 15:00
【極シリーズ】パサつきなし!しっとり柔らかジューシーに焼き上がる 「極 鶏むねステーキ」 2023年12月21日 19:00
【2万回検索された】〇〇でふっくら、もっちり!発酵不要&罪悪感ゼロの「やせピザ」 2023年12月20日 19:00
1年で最もダイエットに適した季節到来!冬が来る前に運動を始めるのがポイント 2023年11月29日 19:00
血圧が高いといわれたら?注意したい食生活と食事のポイント3つ 2023年12月20日 20:00
年末年始の強い味方!暴飲暴食をなかったことにできる◯◯スープって? 2023年12月26日 20:00
年末年始太りに!痩せたい人は「みかん」こう食べて【管理栄養士に聞いてみた】 2024年01月09日 10:00
【極シリーズ】涙するほどおいしいと言っても過言ではない「極 ツナマヨおにぎり」 2024年01月25日 19:00
レンジ2分で驚きのモチッとろっ食感!バレンタインに食べたい罪悪感ゼロスイーツ 2024年02月04日 20:00
3%の減量で血糖コントロールが改善?減量を達成するための実践法を伝授! 2024年01月03日 20:00
知らないうちにとりすぎてるかも!?炭水化物の過剰に気をつけたい食べ物7つ 2024年01月24日 20:00
朝食にコーンフレークは危険!?「老けない主食ランキング」の結果は… 2024年01月19日 17:00
梅おにぎりと鮭おにぎり、どっちが正解?栄養士が教える「食べても太らない食事」とは 2023年12月12日 20:00
朝食に◯◯を食べている人は老けるのが早い⁉︎若さを取り戻す「老けない主食」ランキング 2023年12月14日 20:00
【がん専門医おすすめ】がんリスクを減らすフルーツやおやつとは? 2023年12月27日 20:00
【管理栄養士が伝授】「糖質オフ」より「糖質オン」のほうがキレイにやせるってホント? 2023年12月22日 21:00
東洋医学的にはNG!雨の日に食べる「乳製品」がタプタプ脂肪の原因かもしれない 2023年12月29日 20:00
医師が勧める「痩せる炭水化物」って?糖質制限ダイエットをする人に知ってほしい真実 2024年01月15日 19:00
50代からの落ちにくい体重に!話題の「アジアン粥」で置き換えダイエットをやってみた 2024年01月24日 19:00
ダイエットに失敗する人の家には◯◯がない!「太りやすいキッチン」にあるもの・ないもの 2024年01月06日 19:00
なかなか痩せない……なら冷蔵庫を見直して!「痩せやすい冷蔵庫」作りのポイントって? 2024年01月13日 19:00
ダイエットに間食はNG……ではない!太りにくい体を作る「戦略的な間食」を医師が伝授 2024年01月10日 19:00
ダイエットに!◯◯をかけるだけ「ご飯の食べ方」 2024年02月09日 07:00
筋肉不足で糖尿病リスクにも?!女性の痩せによる健康リスク 2024年02月14日 20:00
挫折とリバウンドを乗り越えて−16kg!成功を支えたのは「アプリで繋がった仲間たち」 2024年02月10日 09:00
「老け見えしない」50代のダイエット術!4カ月でー6kg、更年期症状も改善した方法 2024年02月17日 09:00
医師に聞いた!糖尿病を「改善させる食事」と「悪化させる食事」 2024年02月28日 12:00
酸化ストレスを減らそう!医師が教える「老化を早める食事」と「老化を防ぐ食事」の違い 2024年03月30日 10:00
早めにとりかかろう!花粉症対策 2024年03月06日 20:00
隠れ脂質を見逃すな!脂質の摂りすぎにつながる要注意な食べ物 2024年03月20日 20:00
糖尿病予防、中性脂肪減にも効果的 健康意識の高い医師が「毎日食べている野菜」とは 2024年03月27日 12:00
◯◯をしっかり食べる子はテストの結果が良い!子どもの成績をアップさせる食事法とは? 2024年02月28日 21:00
朝と夜に◯◯を食べると10歳も若返る⁉️医師が教える“細胞を元気にする”食事法とは 2024年02月22日 20:00
肉なしでヘルシーランチに◎カリカリ厚揚げサラダ 2024年04月12日 13:00
心臓病や不整脈のリスクが減る!医師がオススメする最も効果的な「コーヒーの飲み方」 2024年04月10日 12:00
減塩しても血圧は下がらない?医師が教える「高血圧の改善」に効果的な食べ物 2024年04月24日 12:00
「朝ごはんにパン&コーヒー」はNG⁉️健康に欠かせない◯◯を弱らせてしまう悪い食習慣 2024年04月15日 19:00
「一日三食規則正しくご飯を食べる」は逆にNG!?人生100年時代を元気に長生きするための食習慣とは 2024年03月26日 19:00
寝る直前に水を飲むと心筋梗塞になりやすい⁉️「心臓力」を高めるための食習慣とは 2024年04月20日 20:00
趣味のロードバイク大会を目標に1年で−15.5㎏!50代が実践した、無駄な間食がなくなる「1日4食」の食事術 2024年04月20日 17:00