寒い季節に入ってきて、冷え症の人は特にお腹や手足の冷えが気になるのではないでしょうか? お腹の冷えによって、腹痛、便秘、むくみなど様々な不調の原因になります。 今回は、お腹を温める食材や、漢方薬をご紹介します。
お腹、首元、足首、手首を温めることが大切です。
漢方医学では、エネルギー(気)は胃腸で作られるとされています。
そのため、いろいろな不調を抱えている人に対して、まず 「胃腸を整える」 ことで解決する問題もあります。
基本的には、温かい飲み物、食べ物を摂るようにする、体を温める食材を摂る、体質改善のために漢方薬を飲む などが考えられます。
漢方薬には体を温めるはたらきがあります。体を温める食材には、かぼちゃ、海老、しょうが、なつめ、長ネギ(特に白い部分) などがあります。
手足・腹部が冷える、強い腹痛、お腹が張るなどの症状がある時に用いられます。
大建中湯(だいけんちゅうとう)には、人参(ニンジン)、乾姜(カンキョウ)、山椒(サンショウ)、膠飴(コウイ)という生薬が含まれています。
膠飴(コウイ)とは水飴のことなので、全て食物からできていることがわかると思います。
漢方薬は、このように身近な食物から構成されていることも多いのですよ。
漢方薬の「大建中湯(だいけんちゅうとう)」という冷えて動かなくなった腸を温める為の処方をイメージしたレシピです。
〈作り方〉
1.えびは足と背わたを除き、殻ごと背側を開き、片栗粉をまぶす。
2.にんにく、生姜、長ねぎはみじん切りにする。
3.多めの油が入ったフライパンを強火にかけ、1のえびを入れ色が変わったら2と花椒を加える。
4.一旦火から降ろししょうゆ、砂糖を入れた水溶き片栗粉を加えて、再度火にかけとろみをつけ、最後にごま油を加えて混ぜる。
5.皿に盛りつけ、白髪ねぎを添え、好みに応じて花椒をふりかける。
花椒(かしょう)は、さわやかな香りとしびれが特徴です。麻婆豆腐のしびれるような辛さに代表されるものです。
辛いのが苦手な人は、花椒の代わりに胡椒や山椒でも良いですよ。
みんな大好きな中華風の炒め物なので、ぜひお試しくださいね。お腹が温まりますよ。
漢方・漢方薬・薬膳のポータルサイト「漢方デスク」で、漢方の専門家として食事やライフスタイル、漢方薬について提案している薬剤師です。「みんなの漢方相談」でお悩みに関してもお答えしています。