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意外に見落としがち。乳幼児にも【ビタミンD】が必要だった!

クックパッドニュース編集部

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「くる病」ってご存知ですか? 乳幼児に少しずつ増えているといわれる病気の1つです。最近メディアなどで取り上げられはじめたこともあり、中には聞いたことがあるという人もいるかもしれません。このくる病、実はビタミンDが重要ということがわかりました。一体どんなものなのでしょう??

NHKニュースなどに取り上げられたことなどから、乳幼児に少しずつ増えていることが注目されているくる病。それだけを聞くと、乳幼児をもつママたちはとっても不安ですよね。

そこで、くる病に詳しい、東京大学大学院 医学系研究科小児医学講座 北中幸子准教授に、いろいろお話を伺ってみました。

くる病って、一体どんな病気?

「よく、くる病は“鉄筋コンクリート”に例えられます。骨組みはできあがっても、コンクリートがつかない状態なのがくる病なんです」

乳幼児期にビタミンD不足が原因で起こる病気で、骨が軟らかくなってO脚やX脚になり、身長の伸びが悪くなったり、手や足の関節の変形、運動発達の遅れなどの症状が現れるというもの。2000年すぎからその患者は増えているのですが、まだまだ医療現場でも知られていないことが多いそう。なので、正しい診断にたどりつくためには、ママ自身が知識を持つことが重要、と北中先生は語ります。

下記のような「なにかおかしい?」と感じることがあれば、医療機関の受診を。

両足がかなり離れていると感じる(目安は足首を合わせた時に両膝の間が3cm以上)

身長の伸びが悪くなる(成長曲線の範囲から大きくズレているなど)

例えくる病と診断された場合でも、ビタミンDを補充する治療を続けていけば治るものだそう。なので、気になったら怖がらずに受診しましょう。

現代のくる病を引き起こす、ビタミンD不足

くる病は食糧事情の悪い国での発症例が多く、日本も戦後の一時期に見られたものの、栄養状態の良くなった現在ではほぼなくなり、過去の病気と思われていました。それが今再び増えており、北中先生の所属する東大病院でもこれまで相談を含めて60例ほど見られたそう。なぜなのでしょう?

「そこには現代ならではの理由があります。最近の子育てをとりまく環境を見ていると、ビタミンDの欠乏につながる要因がいくつか見受けられます」 (北中先生)

“現代のくる病”の原因となっているビタミンD欠乏を引き起こしているのは、主に以下の3つなんだそう。

・母乳による育児の浸透
・紫外線の不足
・食事の偏り

母乳育児にはさまざまな長所があり、現在ユニセフやWHOが推進しています。
「母乳栄養は赤ちゃんにとっていい面もたくさんありますが、ビタミンDの面からいうと、じつは充分とは言えないんです。母乳は粉ミルクと比べると格段にビタミンDが少ないとわかっています。また、くる病と診断された子のほとんどが母乳だけで育った子なのです。ですから、母乳育児の人は意識してできるだけ赤ちゃんを日光浴させたり、離乳食がはじまったらビタミンDを含む食べ物を与えるなどするのが良いでしょう

また、最近は一年を通して紫外線対策のために太陽に当たらない、という人も多いのでは? 日に当たらないとビタミンDが生成されず不足状態に。ママがその状態で出産すると、赤ちゃんもビタミンDが足りていない状態で産まれてくるケースも見られるんだとか。

「子どもを外で遊ばせる時間が短かったり、乳幼児用の日焼け止めクリームも常識となった今、子ども自身がビタミンDを作り出す機会も減少。確かに紫外線は皮膚がんへの影響を考慮すると浴びすぎはよくありません。ですが、それらを踏まえたうえで、外に出て適度に太陽の光にあたるのも大切です。その際、日焼け止めを塗るとビタミンDが生成されないので、その時間は塗らずに過ごしたほうが良いでしょう」

また、ビタミンDは自ら作り出す以外に、食べ物から摂取することもできます。魚や卵、キノコなどに多く含まれているのですが、好き嫌いやアレルギーなどで偏った食事を続けている場合、不足を招く場合も。制限があって食べられない場合は、代替食品を考えるなどの対策が必要です。では、ビタミンDを含む食材にはどんなものがあるのでしょうか?

毎日の食卓でビタミンDを意識してみよう

魚全般、卵、キノコなどに含まれるビタミンD。お子さんの年齢に合わせて、上手に取り入れていきましょう。

離乳食 初期の場合

食べられるものが限られるこの時期がママにとって最も気を使う時かもしれませんが、初期から食べられるしらす干しカジキマグロを取り入れて。その際、しらす干しはお湯をかけて塩分を抜いてから調理を。カジキマグロは骨がなく消化も良いので、離乳食がはじまったばかりの赤ちゃんにも食べやすいはず。どちらもおかゆやうどんに混ぜるのがおすすめです。

離乳食 中・後期の場合

中期以降になると、鮭、かつおなどの赤身魚、卵、ツナ缶(オイルなしが好ましい)などが使えるようになるので、ママはぐっとラクに。食べ方にもバリエーションが出せるようになるので、お子さんの好きな味を見つけて食べさせてあげましょう。

幼児の場合

1歳以降になるとキノコもOKになり、ほとんどのものが食べられるようになりますが、好き嫌いが出てくるのもこの頃。苦手なお子さんも多い魚ですが、食べやすい鮭や、ツナ缶を引き続き上手に活用したいところ。もちろんお寿司でもOK! これなら嫌いな子は少ないかも!?

ビタミンDはある程度体の中にためることができるので、毎日食べる必要はなく、例えば鮭ひと切れなら週に2〜3回程度で大丈夫だそう。また、キノコは日に当てるとビタミンDが増えるという性質があるので、ビタミンDを意識して食べるなら、キノコの中でも干し椎茸がおすすめです。

現代の生活習慣からくるビタミンD不足がひき起こす、くる病。ママがこの病気について知るだけでも、子どもたちを守ることができるはずです。

取材協力:北中幸子 准教授
(東京大学大学院 医学系研究科小児医学講座)

執筆者情報

クックパッドニュース編集部

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