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コラム

ヨーグルトを食べるだけじゃダメ!?腸活の新常識・「育菌」かんたんレシピ【毎日食べたい美腸ごはん Vol.1】

近年の健康志向ブームもあり、さまざまなダイエット、健康法に注目が集まっています。そんな中、ダイエッターや健康・美容に意識の高い層から注目され、人気が続いているのが「腸活」です。食と健康のエキスパート・管理栄養士の藤橋ひとみさんに、おすすめの食事法やレシピを紹介していただきます。普段の生活で役に立つアイデアや知識が盛りだくさんですよ♪

腸活」とは、腸内環境を整えるために、腸内の“善玉菌”を増やすライフスタイルを送ることをいいます。私たちの腸内、主に大腸には約1000種類、100兆個にも及ぶ腸内細菌が生息しています。善玉菌と悪玉菌、そのどちらでもない中間の菌(日和見菌)の大きく分けて3グループで構成されているということを、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

健康的な腸内環境は、ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌の割合が多い状態です。善玉菌には、食中毒や病原菌感染の予防や、発がん性をもつ腐敗産物の産生の防止、腸内でビタミン(B1・B2・B6・B12・K・ニコチン酸・葉酸)を産生したり、体の免疫力を高め、血清コレステロールを低下させる働きがあることが報告されています。

善玉菌を育てて増やす!?腸活の新常識「育菌」!

「腸活」と聞いて、「ヨーグルトを食べれば良いんでしょ?」だなんて思いませんでしたか? 実は、ただヨーグルトを食べる時代はもう終わり! いまや腸活にも新時代が訪れているのです。善玉菌を食べ物から新たに取り入れるだけでなく、自分の腸内に住む善玉菌たちに愛情をかけて育て、増やしていく、「育菌」が美腸作りには欠かせません

いわば「腸活」は自分の腸内で可愛いペットを飼うようなもの。例えば、ワンちゃんをお家に新しくお迎えしたとき、連れてきてそのまま放置をすることなんてありませんよね。きっと、元気に暮らしてもらうために、住みやすいお家や美味しいごはんをあげるはずです。これは、自分の腸内に善玉菌を飼う時も一緒。新しい子を連れてきたらそれで終わり…ではなく、エサや住みやすい環境作りをして、自分の腸内で元気に暮らしてもらえるように「育菌」するのです。

こんな話をしていると、なんだか善玉菌ちゃんがとっても愛しい存在に思えてきませんか?

腸活に効果的な食べ方「プロバイオティクス × プレバイオティクス」

腸内に善玉菌を増やす「腸活」に効果的な食べ方のポイントは、「プロバイオティクス(善玉菌) × プレバイオティクス(善玉菌のエサ)」。この連載では、前述の「育菌」のポイントをクリアしたものを「美腸ごはん」と定義します。

プロバイオティクスに当てはまるのは、今話題の発酵食品。ヨーグルトや、納豆、キムチなどの漬物、甘酒、醤油やみりん、味噌などの発酵調味料など、私たち日本人には身近な食材ばかりです。

プレバイオティクスを一言で言うと、善玉菌のエサに当たるもの。食物繊維やオリゴ糖を多く含む食品のことを指し、例えば野菜や果物、キノコや豆類、海藻などの植物性の食品がこれに当てはまります。

これはNG!悪玉菌を増やしてしまう食生活

反対に、なるべく増やしたくない悪玉菌は、次のことなどが原因で勢力を強めてしまいます。

・ お肉など動物性の食品に偏った食生活
・ 脂っこいものの食べ過ぎ
・ 不規則な生活
・ ストレスが多い環境
・ 便秘

悪玉菌が多い腸内環境は、肥満、糖尿病、大腸がん、動脈硬化症、炎症性腸疾患などの疾患の発症リスクと密接な関係があるため、当てはまる項目があった人は注意が必要です。

「発酵食品×食物繊維×オリゴ糖」が決め手!簡単美腸ごはん

最後に、育菌生活をスタートさせる第一歩としておすすめしたい、いつもの食材で手軽に作れる簡単美腸レシピをご紹介します。
とてもシンプルなものばかりなので、ぜひ試してみてくださいね!

めかぶおから納豆

発酵食品の納豆に、食物繊維が多く含まれるめかぶおからをプラス。納豆の原料の大豆にはオリゴ糖が含まれています。

キウイとバナナのヨーグルトスムージー

発酵食品のヨーグルトに、食物繊維たっぷりのバナナキウイオリゴ糖を合わせた、美腸スムージー。

お腹に効く!きな粉オリゴ糖ヨーグルト

大豆の食物繊維、オリゴ糖を発酵食品のヨーグルトに加えた、朝ごはんやデザートにぴったりな簡単レシピ。

管理栄養士 藤橋ひとみ(ふじはし・ひとみ)

フリーランス管理栄養士として、商品開発やレシピ開発、コラム執筆やメディア出演、コンサルティング等、幅広く活動中。同時に、東京大学大学院にて医学博士取得を目指し、栄養疫学の研究に取り組んでいる。大のお豆腐好きが高じて、豆腐マイスターの認定座学講師として、国内外で日本の豆腐の魅力を伝える活動をしているなかで、その原料である大豆自体への興味が深まり、大豆関連の資格の制覇を目指し、学びを深めている。
近年は特に、豆腐を作る際に同時にできる「おから」に注目し、日本人に必要な食物繊維の宝庫でもある「おから」を、有効活用できる方法を広げる活動に注力している。今年6月頃に「おから」をテーマにしたレシピ本の出版を予定。

●所有資格
管理栄養士、調理師、製菓衛生師、豆腐マイスター、食育豆腐インストラクター、豆乳マイスタープロ、おから味噌インストラクター、ソイオイルマイスター、おから再活プロデューサー、インナービューティープランナー、ほか

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