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コラム

大豆製品をたくさん食べればいいわけじゃない!?「大豆イソフラボン」を効果的に取り入れる方法【毎日食べたい美腸ごはん Vol.6】

食と健康のエキスパート・管理栄養士の藤橋ひとみさんが「腸活」に関する正しい知識をお届けする連載。「腸活」に効果的な食べ方である「プロバイオティクス(善玉菌) ×プレバイオティクス(善玉菌のエサ)」をふまえた「美腸ごはん」を、 日々の食生活の中で継続して実践できるよう、簡単レシピも併せてご紹介しています。

女性のキレイと健康をサポートしてくれる栄養成分として、ここ数年で知名度がぐっと高まっているのが 「大豆イソフラボン」です。メディアでもよく取り上げられており、サプリメントも多く出回っていますよね。皆さんも、なんとなく “大豆を食べれば摂れる機能性成分” というイメージをお持ちなのでは?

しかし、まだあまり知られていませんが、「イソフラボン」は「腸」と意外な関係性があることが明らかになってきたのです。

そもそも大豆イソフラボンって?

大豆イソフラボンは、大豆に含まれている植物性エストロゲンのひとつ。生涯を通じ女性の健康と美容を維持するうえで、重要な役割を担う女性ホルモン(エストロゲン)に分子構造が似ているため、体内でエストロゲンが減少したときに、同じような働きをしてくれることが明らかになっています。

例えば、骨粗鬆症の予防、ほてりや関節症などの更年期障害の緩和、月経周期の調節などに関わっています。しかし、大豆製品を過剰に摂りすぎてしまうと、逆にエストロゲンと競合し、その働きが阻害されることが分かっていますので、健康に良いイメージがあるからといって、大豆製品をたくさん食べれば食べるほど良い働きが得られるというわけではありません。
何事もほどほどに、が大切です。

イソフラボンは誰にでも働くわけじゃない!?

大豆を食べたからといって、全ての人に期待する効果が得られるわけではないことはご存知でしょうか?
大豆イソフラボンは、まずは「ダイゼイン」という形で体内に入り、腸内で特定の腸内細菌により「エクオール」に変換されることで、女性ホルモン(エストロゲン)のような働きを発揮します

これは意外と知られていませんが、実はすべての人が体内でエクオールを作れるわけではありません。日本人の約2人に1人、若い世代においては、さらに少なくなっているといわれています。

「エクオール」を作れる体質かどうかは、腸内にエクオール産生菌がいるかどうかで決まります。エクオール産生菌は、植物性食品の多い食生活をしていると増え、逆に肉食寄りの食生活をしていると減ってしまうことが明らかになっています。よって、腸活、つまり「美腸ごはん」を意識して食事をしている方はエクオールを作れる人が多いはず!

大豆イソフラボンの働きを期待したいなら、大豆製品を摂るだけではなく、日々の食生活で美腸ごはんを実践してみましょう。

【レシピ】大豆製品を使った簡単美腸ごはん

きのこ系のグラタンレシピ

食物繊維が豊富なきのこが美腸づくりをサポートしてくれます! ヘルシーな豆腐ソースを使った、あったかグラタンレシピは今の季節にぴったり!

豆乳クラムチャウダー

豆乳を使ったスープレシピ。寒い季節に恋しくなるクラムチャウダーも、コンビニでも入手可能なあさりの水煮缶で簡単に作れます。あさりは鉄分、カルシウムなど女性が不足しがちなミネラルも豊富なので積極的に撮りたい食材です。

納豆の包み焼き

発酵食品の納豆、キムチ、チーズを合わせて作る簡単美腸レシピ。包んで焼くだけの手間なしで、ボリュームおかずが作れます!

おからレシピ

食物繊維たっぷりのおからと大根で作る、混ぜて焼くだけの簡単美腸レシピ。発酵調味料の味噌で味付けしているのも魅力的☆

管理栄養士 藤橋ひとみ(ふじはし・ひとみ)

フリーランス管理栄養士として、商品開発やレシピ開発、コラム執筆やメディア出演、コンサルティング等、幅広く活動中。同時に、東京大学大学院にて医学博士取得を目指し、栄養疫学の研究に取り組んでいる。大のお豆腐好きが高じて、豆腐マイスターの認定座学講師として、国内外で日本の豆腐の魅力を伝える活動をしているなかで、その原料である大豆自体への興味が深まり、大豆関連の資格の制覇を目指し、学びを深めている。
近年は特に、豆腐を作る際に同時にできる「おから」に注目し、日本人に必要な食物繊維の宝庫でもある「おから」を、有効活用できる方法を広げる活動に注力している。「美腸」をテーマにしたレシピ本の出版を予定。

●所有資格
管理栄養士、調理師、製菓衛生師、豆腐マイスター、食育豆腐インストラクター、豆乳マイスタープロ、おから味噌インストラクター、ソイオイルマイスター、おから再活プロデューサー、インナービューティープランナー、ほか

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