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コラム

絶品「冷や汁」も簡単に!毎日のスープのバリエーションが無限に広がる“掛け合わせ”のルール【急に料理が得意になる方法 vol.3】

毎日の料理は、極力手を抜いてラクをしながらも、ちゃんとおいしく仕上げたいですよね。2020年5月28日に発売された、クックパッド編集担当本部長・小竹貴子さんの新刊『ちょっとの丸暗記で外食レベルのごはんになる』には、それを叶えるためのシンプルで簡単な料理のコツが満載。この連載では、本書の中から厳選して、すぐに使える“おいしくなるルール”をご紹介します。マスターすれば、急に料理が得意になること間違いなし!

スープは3種類ある

スープには3種類あります。和風、中華風、洋風です。作るとき、まず今日のスープはこの3つの内から何味にしようと思うと簡単です。

これら3種類の違いは、だしです。和風は、だしは煮干し、昆布などです。洋風なら固形スープの素(コンソメやほかのブイヨン)。中華風なら中華スープの素を使います。

そして、それぞれのだしに対して、ベースを水だけにするか、トマトジュースや牛乳や豆乳などを足すと覚えておきましょう。色と味が一気に広がります。

和風と中華風は、牛乳などを入れるイメージがわかないかもしれません。でも、たとえばめんつゆと豆乳を合わせると夏場にぴったりの冷製スープになります。中華風なら、濃いめの中華だしの汁に牛乳を入れ、春雨や中華麺を入れると、担々麺のようなまろやかなラーメンになります。組み合わせのタブーはなく、飽きないようにいろいろベースを変えてみると意外となんでも合います。

牛乳と豆乳の注意点は、水で材料を煮込んだ最後に、全体の1/3〜1/4くらいの牛乳か豆乳を加えることです。どちらも沸騰すると分離してしまうので、沸騰しないように注意しましょう。温める程度にして火をとめると覚えておきましょう。

スープに入れる具材は、基本は「余っているもの」で考えてください。スープの役割は冷蔵庫の野菜の整理です。

スープの調味料ですが、これはあまり入れなくても、だしの段階で結構味がついていますので、ほんのちょっとで大丈夫。固形スープの素と中華のだしの素はそれだけで塩分が入っていますし、煮干し、昆布も意外と塩分を持っています。調味料は、どのスープでも最後に入れて、味見しながら、調える程度です。

いりこは、だしパックよりも簡単

うちの朝食は、白いごはん、味噌汁と卵焼きくらいの簡単なもの。なので満足感が出るように、味噌汁は具沢山にしています。

味噌汁の一番のポイントは「だし」。私がおすすめするのは、煮干しのだしです。煮干しだしと聞いて、めんどくさそうと思った方もいるかもしれません。でも、大きい煮干しを選べば、粉末だしパックよりも簡単です。

煮干しを買うときに、大きくて光沢があり、形がきれいなものを買いましょう。1尾が5〜6センチくらいのものにしましょう。そうすると、400ml(カップ2杯分、大体2人分です)の水に対して3尾で十分だしがとれます。

私が使っているのは「伊吹島いりこ」という煮干しです。使う煮干しが少ないほど内臓を取る手間が減るので、だしを取る心理的なハードルが下がっておすすめです。内臓があると汁が苦くなってしまうので、このプロセスだけは面倒でもやってください。

私がよく使うのは伊吹島いりこの「煮干魚類(いりこ)」(石丸弥蔵商店)です

水に浸けて30分〜ひと晩置くという作業は必要ありません。すぐに火にかけると、パンチのある旨みを楽しめます。内臓のとり方は簡単で、頭をまずとり、そのすぐ下に入っている黒い塊をとるだけです。やってみるとわかるのですが、内臓は頭をとらないととれません。

頭をとって、お腹の黒い部分をとります

私は、とった頭は鍋に戻し、煮干しもそのままほかの具材と一緒に食べています。カルシウムにもなるし、いい煮干しなのでおいしくいただいています。気になる方は、もちろんだしをとったあとに除いても大丈夫です。

スープの具は、水分全体に対して3分の1程度

お鍋に水とそのまま煮干しと具材を入れ、その後沸騰させましょう。

お味噌汁に入れる具材の量は、水分全体に対して3分の1程度にするとおいしいです。味噌汁に限らず、他のスープも同じです。また、具は3種類入れると、絶対失敗しません。

(1) 素材から旨みが出るもの......油揚げ、ちくわ、きのこ、しじみやあさり、余りものの肉など
(2) 根菜......かぼちゃ、大根、カブ、さつまいも、ごぼう、にんじん、じゃがいもなど
(3) 葉物......乾燥わかめなど海藻、ほうれん草、水菜、キャベツなど

この3種類の具材が揃えばどう転んでもおいしいです。ちなみに、ここまで具沢山じゃなくてもいい人は、(1)(2)(3)の内どれかをふたつそろえましょう。違う種類のものを組み合わせることでおいしくなります。

具材に火がとおったら、火をとめてから味噌を溶きいれましょう。味噌溶きを使うときれいに溶けますが、溶ければ何でも大丈夫です。火をとめていれることで、味噌の風味が逃げません。

味噌は水400mlに対して私は大さじ1程度ですが、薄ければお好みで。食材で味を出すので、味噌は少なめで大丈夫です。十分に溶けたらもう完成です。

一点注意したいのは、だし入りの味噌は使わないこと。だしだけでなく塩分が入っている場合も多いので、だしは煮干しと食材で別にとるほうがおいしいです。

白味噌と豆乳のスープはポタージュのようになる

味噌汁の応用でおすすめしたいのが、白味噌と豆乳のスープです。コクのある、ポタージュのような味噌汁です。

作り方は、味噌汁の味噌を白味噌にかえること。水は、豆乳を入れる分だけ減らして作り、火をとめて味噌を溶かし、最後に豆乳を加えて温めます。最初のルールでもお話ししたように、豆乳は全体の1/3〜1/4程度入れましょう。

豆乳を加えたら、もう一度弱火にして、分離しないように気をつけながら温めれば完成です。ふちにふつふつと泡が出るくらいでとめましょう。このスープには鮭やしめじ、大根がよく合います。

白味噌と豆乳のスープ

白味噌と豆乳のスープよりさらに簡単なのが、味噌汁にただ豆乳を足すだけの冷製味噌スープ。夏場に余った味噌汁を冷やしておいて、そのまま豆乳を混ぜるだけで即席の冷製スープになります。一見ギョッとする組み合わせかもしれませんが、豆乳鍋のような感じでまろやかでおいしいです。

冷や汁はそうめんの代わり種としてもおいしいごちそう

「冷や汁」は食欲のないときでもするすると喉に入る爽やかな料理で、冷たい味噌汁といったものです。具のない味噌汁を作っておき、それにアジの身と、キュウリやなすなどの夏野菜を入れて、ぎゅっとつまった旨みを爽やかに食べます。

もともと九州や山形の郷土料理でごはんにかけて食べますが、そうめんにかけるのもおすすめです。

夏のお昼に。そうめんにもよくあいます。アジの干物と味噌の旨みが合わさると最高

材料(3〜4人分)

だし汁...... 500ml
味噌...... 大さじ2程度
アジの干物...... 2枚
キュウリ(薄切り)...... 1本
なす(薄切り)...... 1本
塩...... 適量
みょうが(みじん切り)...... 3本
ごはん...... 適量
ごま...... 適量

作り方

1 温かいだし汁に味噌を溶き冷やしておく。
2 アジはグリルでこんがり焼き、骨をとって食べやすくほぐしておく。
3 キュウリ、なすは塩もみしてしばらくおき、水気をよくしぼる。
4 1にアジ、キュウリ、なす、みょうがを入れる。
5 ごはんの上にかけて完成。お好みでごまを振る。

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(撮影:深澤慎平)

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クックパッドの立ち上げメンバーで、現在は編集本部長を務める著者は、これまでクックパッドの320万に及ぶ膨大なレシピを見て、たくさんのシェフに会い、そして日々の自分の料理をする中で「ここは手を抜いてもいい」「ここはこだわった方がおいしい」のラインを仕組み化してきました。この本では、その方法と全68品のオリジナルレシピを紹介しています。

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小竹貴子

クックパッド株式会社ブランディング・編集部担当本部長。1972年、石川県金沢市生まれ。関西学院大学社会学部卒業。株式会社博報堂アイ・スタジオを経て、2004年に有限会社コイン(後のクックパッド株式会社)入社。編集部門長を経て執行役に就任し、2009年に『日経ウーマン・オブ・ザ・イヤー2010』を受賞。2012年、同社退社。2016年4月から再びクックパッド株式会社に復帰、現職。現在、クックパッドニュースにて『おいしい思い出』、ForbesJAPANにて『それ、「食」で解決できます!』を連載中。また、フードエディターとして個人でも活動を行っている。

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