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コラム

シャキシャキ野菜炒めが確実にできる!料理芸人・クック井上。さん直伝「炒めもの名人になる簡単ワザ」

“最強料理芸人”としてご活躍中のクック井上。さんが、誰もが炒めもの名人になれる方法を伝授! NHK『あさイチ』の料理コーナーで紹介したところ、視聴者から大反響があったという“炒めワザ”とレシピを、クックパッドニュース読者の皆さんへ詳細解説付きでお届けします♪

2つのワザをマスターして炒めもの名人に!

自宅で炒めものを作ると、野菜がしなしなベチャッとなってしまうことってありますよね。家庭用のコンロでは火力が足りないし、お店のように中華鍋をあおって作るのは難しいし……そんな諦めモードでいた方に朗報です!

料理芸人・クック井上。さんが提案するのは、魔法の調味料「料理酒オイル」と、秘技「重ね蒸し炒め」という2つのワザを組み合わせた炒め方。

これさえマスターすれば、立派な中華鍋がなくても、IHコンロであっても、全く問題なし。いつもの調味料と料理道具で、誰でも簡単にシャキシャキおいしい炒めものができちゃうんです♪

「料理酒:オイル=4:1」でつくる魔法の調味料

まず、炒めものを作る時に使う魔法の調味料「料理酒オイル」を用意します。

「料理酒オイル」とはその名の通り、料理酒とオイルを4:1の比率で混ぜ合わせたもの。ドレッシングボトルなどに入れ、よく混ぜて使います。

基本的には料理酒サラダ油を使いますが、作る料理に合わせて、料理酒は清酒白ワインに、オイルはオリーブオイルごま油に適宜変更してOKです。

この「料理酒オイル」が、クック井上。さん流の炒めワザ「重ね蒸し炒め」には必要不可欠。さて、これを一体どう使うのか? 詳しく解説していきます!

かき混ぜないで効率的に火を通す「重ね蒸し炒め」

「家庭用の火力の弱いコンロで、材料を投入してすぐにかき混ぜながら炒めると、どうしても火の通りが悪くなり、結果的に野菜がしなしなベチャッとしてしまうんですよね」(クック井上。さん)

炒めものがうまくいかない最大の要因は、かき混ぜること。そこで、クック井上。さんが逆転の発想で生み出したのが「重ね蒸し炒め」という方法だったそう。

「混ぜるとうまく火が通らない。かと言って、混ぜずにそのままにしておくと鍋との接地面ばかりが焦げていきます。そこで、接地面だけでなく具材全体にうまく火を通すために編み出したのが料理酒オイルなんです」(クック井上。さん)

「重ね蒸し炒め」の手順は下記の4ステップ。鍋に火の通りにくい野菜から順に重ねて、上から「料理酒オイル」を振りかけて蒸し焼きにし、最後に具材を混ぜ合わせます。

(1)ザルに、柔らかい野菜→硬い野菜の順に重ねて入れる。(火の通りにくい硬い野菜が上に来るように重ねる)
(2)強めの火力で肉を炒めたフライパンに、ザルをひっくり返して野菜をのせる。(火の通りにくい硬い野菜が下側、柔らかい野菜が上側になる状態)
(3)具材を混ぜずに、そのまま上から料理酒オイルをよく振ってからかけて、ジッと蒸す。
(4)最後に、天地を返して炒め、味付けをする

「つまり蒸し焼き状態にするわけですが、ここで水をかけたら絶対ダメなんです。料理酒と油をかけるから、ベチャッとせず、かつ効率的に熱を入れることができるんですよ。

水の沸点は100℃、純粋なアルコールの沸点は約78℃ですから、アルコールを含む料理酒は水よりも沸点が低くなります。沸点が低い料理酒の方が、鍋に入れた時に油との反応が激しく、水よりも早く蒸気になるんですね。

上の手順(3)のように料理酒オイルを振りかけると、上側にある葉物野菜などの柔らかい野菜が蓋の役割をして、重ねた野菜の中は高温スチームサウナ状態になります。

水蒸気とハネた油で、硬い野菜には火が通る。上のほうの柔らかい野菜には、油は行きわたっているけど、火が通り過ぎずに表面に少し火が入る程度で、中はシャキッと仕上がります。そして、最後に最小限混ぜ合わせることで『蒸し炒め』になるのです」(クック井上。さん)

料理酒オイルではなく、単なる水分を入れると「煮物」になってしまうので、くれぐれもご注意を!

中華、イタリアン、和食、どんな炒めものにも使える

この「料理酒オイル×重ね蒸し炒め」のワザは、どんな料理ジャンルでももちろん活用できます。まずは、基本の「肉野菜炒め」のレシピからご紹介していきましょう。

スタミナ肉野菜炒め

【材料(1皿分/2人分)】
豚ばら肉(スライス)・・・100g
もやし・・・1袋
キャベツ・・・葉1枚(50g)
ニラ・・・1/2束(50g)
玉ねぎ・・20g
ニンジン・・・10g
ニンニク・・・1かけ
料理酒オイル(料理酒:胡麻油=4:1)・・・大さじ2~3
サラダ油・・・大さじ1
塩・・・ひとつまみ
コショウ・・・少々

<合わせ調味料>
醤油・・・小さじ1.5
オイスターソース・・・小さじ1.5
鶏がらスープのもと・・・小さじ1.5
ごま油・・・小さじ1.5

【作り方】
1.キャベツを1.5cm幅、長さはもやしと同じくらいに切る。玉ねぎを5mm幅に切る。薄切りしたニンジンを5mm幅に切る。ニラをもやしの長さに切る。豚ばら肉を1.5cm幅に切る。柔らかい野菜からザルに重ねていく(ニラの柔らかい部分→もやし→キャベツの葉の部分→玉ねぎ・ニラの軸の部分→キャベツの芯の部分・ニンジン)。

2.熱したフライパンにサラダ油をひき、豚ばら肉とニンニクを炒める。8割ほど火が通ったら、野菜の入ったザルをひっくり返すようにして、フライパンに入れる(硬い野菜が下に来て、柔らかい野菜が下に来る)。上から「料理酒オイル」をかけ、1分ほどじっと「重ね蒸し炒め」にする。

3.トングで野菜の上下をひっくり返す。塩コショウ・合わせ調味料をかけ、トングで全体を素早く混ぜ合わせ(もしくは素早く鍋をあおる)たら完成。

「ほかにも、チンジャオロースなら肉の細切りを最初に炒めた後、たけのこの細切り、ピーマンの細切りの順にフライパンに入れて、料理酒オイルを振りかけて重ね蒸しした後、味付けをすればOK。

回鍋肉なら最初に豚ばら肉を炒め、キャベツの硬い部分、ピーマン、キャベツの柔らかい部分と火の通りにくいものから順に入れて、あとの手順は同様です。

もちろん中華だけでなく、イタリアンでも、和食でも、いずれも肉やシーフードを先に炒めて、その上に火の通りにくいものから順に野菜をのせていくというルールを踏襲すれば、どんな炒めものにも展開できます。

きんぴらごぼうやゴーヤチャンプルなども同じようにぜひ作ってみてください!」(クック井上。さん)

麺類も具材がシャキシャキおいしく仕上がる

さらにこの炒めワザ、なんと麺類にも使えるのだそう。定番の3玉セットになった「焼きそば」も、麺はベチャッとせず、具材もシャキシャキ仕上がります。

焼きそば

【材料(1人分)】
焼きそば…1玉
豚ばら肉(スライス)・・・50g
キャベツ・・・葉1枚(50g)
料理酒オイル(料理酒:胡麻油=4:1)・・・大さじ2
付属の粉ソース…1袋
サラダ油・・・小さじ2
コショウ・・・少々

【作り方】
1.キャベツをと豚ばら肉を1.5cm幅に切る。焼きそばの袋を少し破り、電子レンジ(600W)で1分温める。
2.熱したフライパンにサラダ油をひき、豚ばら肉を炒める。8割ほど火が通ったら、電子レンジで温めた焼きそば→キャベツの硬い部分→柔らかい部分の順に重ね、「料理酒オイル」をかけ、1分ほどじっと「重ね蒸し炒め」にする。
3.トングで麺とキャベツを入れ替えるようにしてひっくり返す。付属の粉ソース・コショウをかけ、トングで全体を素早く混ぜ合わせ(もしくは素早く鍋をあおる)たら完成。

「焼きそばをホットプレートで作る場合でも手順は同じです。また、ナポリタンも同様に、ベーコン・玉ねぎ・マッシュルームを炒めたところに、茹でたスパゲティをのせ、料理酒オイルを振りかけて味付けをすると、おいしく仕上がりますよ!」(クック井上。さん)

どんな炒めものもおいしくしてくれる「料理酒オイル×重ね蒸し炒め」のワザ。皆さんもぜひ試してみてくださいね。

(TEXT:福井千尋)

クック井上。

ソニー・ミュージックアーティスツ所属のお笑いコンビ『ツインクル』のツッコミ担当。お笑い芸人活動の傍ら、食と料理を愛するあまり、ジュニア野菜ソムリエ、フードコーディネーター、食育インストラクター、BBQインストラクター等、食の資格を取得。単なる料理上手・料理好きに留まらない“食を語れる&料理を教えられる料理芸人”としての道を歩み出すや否や、その味・腕・工夫・知識の噂が広まり、料理教室の講師や食のイベントMCとしての依頼が殺到し、企業のレシピ開発等にも携わるに至る。


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