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コラム

秋は腸活にぴったりのシーズン!「さつまいも」の活用術【体の内側からキレイを目指す!美腸ライフVol.9】

食と健康のエキスパート・管理栄養士の藤橋ひとみさんが「腸活」に関する豆知識をお届けする連載。「腸」は美容・健康の鍵を握る臓器。様々な心身のトラブルの解消のために日々の食生活の中で継続して実践できるメンテナンス術を分かりやすくご紹介していきます。

最近は、涼しく感じる日が増え、秋を感じるようになりましたね。秋の夜長に、つい夜更かしをしてしまったりすると、生活習慣が乱れてしまい、腸内環境が悪化してしまうことも。季節の変わり目は、知らず知らずのうちに体はストレスに晒されているため、腸にも悪影響が及ぶことがあります。便秘気味だったりと、腸の不調を感じている方は、ぜひこの季節の良さをいかして、腸活に励んでみてはいかがでしょうか?

秋が美腸強化にぴったりなシーズンの理由

前回はキノコの腸活パワーについてご紹介しましたが、秋の味覚には腸が喜ぶ栄養成分が豊富に含まれているものがたくさんあります。例えば、秋刀魚や秋鮭、鯖といった秋に旬を迎える魚には健康に良いと話題のオメガ3(n-3系脂肪酸)の脂質、DHA・EPAが多く含まれています。DHA・EPAは、腸に直接働きかけて腸の働きを活性化させることが明らかになっているため、美腸強化のためにも積極的に摂りたい栄養素です。

そのほかにも、秋の味覚といえば、特に女性人気が高い “芋栗南瓜”(さつまいも・栗・かぼちゃ)を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか? 今回はこの中から、さつまいもにフォーカスをして、腸活におすすめの食べ方をご紹介します。[1,2]

さつまいもに含まれる美腸成分とは?

甘くてホクホクした食感がたまらないさつまいも。最近は安納芋や紅はるかなど、しっとりとしていて甘みが強い品種を用いた、蜜入りの焼き芋が流行っていますね。スーパーやコンビニでも手軽に買えるため、甘いお菓子よりもヘルシーなおやつとして人気を博しているようです。

そんなさつまいもに含まれる美腸成分として、食物繊維が挙げられることを、すでにご存知の方も多いのではないでしょうか? 食物繊維は、私たちの腸内に元々棲んでいる腸内細菌のうち、良い働きをしてくれる善玉菌のエサとなり、腸内環境改善を助けてくれる栄養成分です。

食物繊維は、日本人に不足しがちであることが明らかになっており、1日あたり平均3〜4gほどプラスして意識をして摂りたい栄養成分です。さつまいも(皮付き)100gあたり約3gの食物繊維が含まれているため、小さなサイズ1本もしくは中サイズ1/2本ほどで不足分を補うことができます。[1,3,4]

さつまいもの美腸パワーを強化する食べ合わせを実践しよう!

私が好きな簡単美腸レシピの1つに、さつまいもヨーグルトがあります。発酵食品のヨーグルトには、乳酸菌やビフィズス菌といった腸内で良い働きをしてくれる善玉菌が含まれています。
作り方は、電子レンジ等で加熱したさつまいも、もしくは焼き芋を加えるだけ。とっても簡単なので、忙しい日の朝ごはんにもおすすめです。ヨーグルトは、無糖のものを選ぶと良いでしょう。
さつまいもの甘みだけで十分なことも多いですが、甘さが足りない場合は、食物繊維と同じく善玉菌を増やす働きを持つオリゴ糖をプラスできる、はちみつやオリゴ糖シロップをかけて食べると、さらに美腸パワーが強化されます。

私の地元である茨城県は、干し芋が有名な全国第2位の栽培面積・生産量を誇るさつまいもの名産地。毎年、お気に入りのさつまいもを取り寄せて、手軽に本格的な焼き芋が作れる専用の黒いアルミホイルを使って自宅で大量に焼き芋を作り、冷凍保存をして毎朝レンジで温めて食べています。[3]

秋の味覚を活用して、Wでおいしい美腸ライフを♪

キノコ、さつまいもと、秋の味覚をいかした美腸づくりのコツについて、2回続けてご紹介をしてみましたが、食べ合わせのポイントの基本はこれまでお伝えしてきた、プロバイオティクス(生きた善玉菌を含む食品、発酵食品など)+プレバイオティクス(善玉菌のエサとなる食物繊維・オリゴ糖を豊富に含む食品)であることは変わりません。

このルールを忘れずに、美味しい旬の食材をいかして“食欲の秋”を楽しむ際には、同時に腸活に良い食べ合わせも意識して、Wでおいしい美腸ライフを送ってみてはいかがでしょうか。

管理栄養士 藤橋ひとみ(ふじはし・ひとみ)

I’s Food & Health LABO.代表。フリーランス管理栄養士として、商品開発やレシピ開発、コラム執筆やメディア出演、コンサルティング等、幅広く活動中。同時に、東京大学大学院にて医学博士取得を目指し、栄養疫学の研究に取り組んでいる。大のお豆腐好きが高じて、豆腐マイスターの認定座学講師として、国内外で日本の豆腐の魅力を伝える活動をしているなかで、その原料である大豆自体への興味が深まり、大豆関連の資格の制覇を目指し、学びを深めている。
近年は特に、豆腐を作る際に同時にできる「おから」に注目し、日本人に必要な食物繊維の宝庫でもある「おから」を、有効活用できる方法を広げる活動に注力している。著書に「おいしく食べてキレイになる!おから美腸レシピ(ベストセラーズ)」がある。

●所有資格
管理栄養士、調理師、製菓衛生師、豆腐マイスター、食育豆腐インストラクター、豆乳マイスタープロ、おから味噌インストラクター、ソイオイルマイスター、おから再活プロデューサー、インナービューティープランナー、ほか

【ホームページ】https://is-food-health-labo.com/
【ブログ】https://ameblo.jp/hitomi880807

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