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コラム

朝の冷え対策に!沖縄名物「ゆし豆腐」をおうちで再現してみよう【工藤詩織の「お豆腐」進化論 Vol.23】

ヘルシー、節約……でも、それだけじゃない! 身近な食材「お豆腐」の魅力はまだまだあるんです。この連載では、豆腐マイスター・工藤詩織さんに、お豆腐をもっとおいしく楽しむための知られざるノウハウを伝授してもらいます。「そうだったんだ!」と思わず納得の意外な活用法を知れば、きっと試してみたくなるはず♪ あなたの食卓のお豆腐が“進化”すること間違いなしですよ!

温かいまま売っている豆腐!?

秋も深まり身体の冷えを感じる朝が増えましたね。そしてこれからますます冷え込みが厳しくなっていくようです。今回は、そんな目覚めの一杯にもおすすめな「ゆし豆腐」をご紹介します。沖縄地域では、「島豆腐」という呼び名でお馴染みの塩気のある固い木綿豆腐が食されてきましたが、この島豆腐を作る過程でできるのが「ゆし豆腐」です。温かい豆乳に、にがりを塩を混ぜると、細かな豆腐状の固形物がふわふわと浮き上がり、豆腐から分離した“ゆ”とよばれる水分も一緒に袋にいれて「ゆし豆腐」としてスーパーなどで売られています。「ゆし豆腐」は豆腐の種類でいうと「寄せ豆腐」または「おぼろ豆腐」の位置付けですが、ほんのり塩味がついていて、豆腐を手でちぎったような細かな塊になっているのが特徴的です。島豆腐とともに「アチコーコー(できたてホヤホヤの意)」といって、温かいままのお豆腐が販売されているのも沖縄独自の光景です。

いつもの豆腐で「ゆし豆腐」風スープ

各家庭や飲食店では、この「ゆし豆腐」を水分ごと温めて味付けをし、小ねぎやあおさを添えて味噌汁やスープ感覚で食べるのが定番です。ふわふわの豆腐たちが出汁を吸って、優しく奥深い味わいが病みつきになります。ちなみに現地では、お豆腐そのものも、調味した汁物も、ともに「ゆし豆腐」と呼ばれ、親しまれています。各家庭で食べられているのはもちろん、町の食堂では定食の汁物として提供され、さらに、沖縄そばの上にお豆腐をトッピングした「ゆし豆腐そば」も存在します。「ゆし豆腐」は沖縄県民の方にとって、食卓に欠かせないソウルフードのひとつとも言えるようですね

今回は、どこでも手に入る一般的なお豆腐で、「ゆし豆腐」をつかったスープを再現してみました。作り方は簡単、温めた出汁に、手で崩すか、スプーンで一口分にすくったお豆腐を入れて温め、香りづけの醤油を入れるだけ。出汁はお手持ちのものでもちろん大丈夫ですが、より本場の味を目指すならば、かつお出汁がオススメです。お豆腐は火を通しすぎると固くなってしまうので、グツグツと煮ないようにしましょう。

トッピングやアレンジを楽しんで

トッピングは、小ねぎ、生もずくやとろろ昆布、あおさ、おろし生姜など、お好みのものを合わせます。包丁要らず、あっという間に出来上がり。味噌を溶いてゆし豆腐の味噌汁にしても良し、そばを合わせてゆし豆腐そばを再現しても良し、アレンジのアイデアもさまざまです。これからの時期なら、鍋やおでんで余ったスープの中に崩した豆腐を入れて、〆の一品を作ってもいいですね。

朝食にぴったり♪

二日酔いにも◎

沖縄のお店の味を再現



いかがでしたか?出汁のうまみを吸ったふわふわのお豆腐スープは、皆さんの胃腸を癒し、身体を温めてくれること間違いなし!ぜひ、お試しください♪

工藤詩織(往来/豆腐マイスター)

幼少から豆中心の食生活を送り、豆腐がいつも暮らしの中心にある無類の豆腐好き。日本語教師を目指して勉強する過程で、食文化も一緒に伝えたいと「豆腐マイスター」を取得。国内にとどまらず海外でも、手作り豆腐ワークショップや食育イベントを実施して経験を積む。2018年より「往来(おうらい)」をテーマに本格的に活動を開始。豆腐関連のイベント企画・メディア出演などを通して、各地で豆腐文化の啓蒙活動を行っている。「マツコの知らない世界」(TBS系)、「ヒルナンデス」(日本テレビ系)、「ごごナマ」(NHK)等へ出演。

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