cookpad news
コラム

大切なのは◯◯選び!心ときめく「いちごサンドイッチ」の作り方

福田淳子

お菓子・料理研究家。シンプルなレシピが好評。

【材料4つで本当においしいお菓子 Vol.22】「お菓子はレシピ通り作れば、必ずおいしく作れます」と話すのは、お菓子研究家・福田淳子さん。丁寧なレシピとその再現性の高さで人気の福田さんに、この連載では材料4つで作れる“本当においしいお菓子”を紹介していただきます。最終回を迎える本連載が最後にお届けするのは、春に作りたくなる見た目もかわいい「いちごサンドイッチ」です。

いちごサンド作りは、いちご選びが大切

みなさん、こんにちは。最近はだいぶ春めいてきましたね。春になると気分がなんだかわくわくするのはなぜなのでしょう? 今日はそんな気持ちをさらにハッピーにしてくれる、心ときめくスイーツを紹介します。

みなさんは「萌え断」ってことばご存知ですか? 今回のスイーツはまさにそんな感じ。断面が美しくて、インパクトのある「いちごサンドイッチ」です。材料も作り方もシンプル。けれど、きれいにおいしく仕上げる工夫が随所に散りばめられています。

実は美しい断面に仕上げるためのポイントは作る前からはじまっています。それはなんだと思いますか? そう「いちご」選びです! いちごは品種によって、味も見た目も違います。もちろん、お好みで選んでもらっていいのですが、わたしのイチオシはあまおうです。

あまおうはあかい、まるい、おおきい、うまいの頭文字をとってあまおうなんですよ。その名の通り味が濃くて酸味と甘味があり、たっぷりクリームと相性抜群。そして切った時に中までしっかり赤いのです。みなさん、知らない人が多いのですがいちごの断面の色味は実は品種によって異なります。意外に白っぽい品種も多いのです。

だからこそ、あまおうの断面の赤さは切った時の美しさに繋がります。粒も大粒で見た目のインパクトも出ます。

クリームは「固め」が正解

材料が揃えばあとは作るだけ。甘み付けはコンデンスミルクを使いミルキーさを出します。これがまたいちごの甘酸っぱさと合うのです。いちごとコンデンスミルクの相性の良さは、みなさんもご存知の通り。

クリームはしっかり泡立てるのがポイントです。生クリームは脂肪分多めの40%以上のものを使ってください。クリームをたっぷりはさむので、泡立てがゆるいと横からはみ出てしまいます。脂肪分が低めのクリームはどんなに泡立ててもかたく泡立ちません。かたくなる前に分離してしまうのです。

いちごは切った時の断面を考えて並べましょう。はさんだら上からプレスしてしっかりと接着させてなじませます。このときにラップに包むとクリームがはみだしません。切る際は一度寝かせて、落ち着かせてからにしましょう。このひと手間がきれいな断面の秘訣。切る時にお湯につけて温めた包丁を使い、上から押して切るのではなく、上下に包丁をスライドさせて引いて切ります。

見た目も味も抜群のいちごサンド。ぜひ作って、いちごのかわいさとおいしさを味わってみてくださいね。アレンジはチョコバナナサンドで、こちらも安定のおいしさです。刻んだチョコを加えた、チョコのダブル使いがポイントです。

この連載も実は今回が最終回。2年以上にわたり、たくさんの材料4つで作るお菓子を紹介してきました。この連載を通して、改めてお菓子作りの新たなる可能性を自分の中で見つけた気がします。材料は少なくてもおいしいお菓子は作れます。自分でもお気に入りのレシピがたくさんできました。読んでくださって、そしてレシピを活用してくださってありがとうございます。

来月からは、また新たなテーマで引き続きみなさんにお菓子作りの楽しさをお伝えできたらと思っています。こちらも楽しみに待っていてくださいね。

【基本のレシピ】

いちごサンドイッチ

材料(2人分)
食パン(8枚切り)…4枚
生クリーム…150ml
*生クリームは脂肪分40%以上のものを使ってください。
コンデンスミルク…大さじ4
いちご…18粒(いちごは大きさにより数を調整してください)

作り方
1.ボウルに生クリームとコンデンスミルクを入れてボウルの底を氷水にあてて九分立て(しっかり角が立つ)まで泡立てる。

2.食パン2枚にそれぞれ1/4量ずつをのせて広げる。いちごを写真のように置く。残りのクリームを半量ずつ上にのせて広げる。

3.残りの食パンではさみ、ラップで包んだら、上から手のひら全体を使ってしっかりおさえる。冷蔵庫で2時間ほど寝かす。

4.温めた包丁でまずは耳を切り落としてから、半分に切る。

+αのアレンジレシピ チョコバナナサンドイッチ

材料(2人分)
食パン(8枚切り)…4枚
生クリーム…150ml
板チョコ(ビター)…1枚(50g)
バナナ…3本

作り方
1.チョコを30g細かく刻み、生クリーム50mlと一緒にボウルに入れて50度以下の湯で湯煎して溶かす。残りの生クリームを少しずつ混ぜ加える。

2.底を氷水で冷やしながら八分立て(角が立って軽くおじぎするくらい)まで泡立てて、溶かしたチョコを加える。
*チョコクリームは分離しやすいので泡立てすぎに注意。冷やすとかたくなるので八分立てにします。

3.残りのチョコを細かく刻んでゴムベラで混ぜる。あとは基本と同じように作る。バナナはこのように配置しています。

お役立ちアイテム キッチンペーパー

カットする時は毎回包丁を温めて、必ずキッチンペーパーで湯を拭き取ります。毎回包丁をきれいにすることで断面も美しくなります。

この連載が1冊の本になりました

材料4つで本当においしいお菓子(学研プラス)

これまでの連載で公開された人気レシピに加え、アレンジレシピや新規レシピもご紹介。作り方の手順だけでなく、失敗しないコツやおいしく仕上がる理由がよくわかるポイントもていねいに解説します。

ホットケーキミックスを使わなくても、小麦粉、卵、砂糖、生クリーム、バターなど、手に入りやすいシンプルな材料だけで、本当においしいお菓子が作れますよ。

福田淳子(ふくだ・じゅんこ)

お菓子・料理研究家。カフェでメニュー開発や店舗の立ち上げを経験後、雑誌や書籍を中心に活躍中。身近な材料と、シンプルな手順でおいしく仕上がるレシピに定評がある。これまでに手がけたお菓子の本は30冊以上。
【Instagram】@junjunfukuda

執筆者情報

福田淳子

お菓子・料理研究家。カフェでメニュー開発や店舗の立ち上げを経験後、雑誌や書籍を中心に活躍中。身近な材料と、シンプルな手順でおいしく仕上がるレシピに定評がある。これまでに手がけたお菓子の本は40冊以上。

【Instagram】@junjunfukuda
【note】@sakuracoeur

編集部おすすめ
クックパッドの本