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コラム

まずはキッチンに立つだけでいい!?一人暮らしアドバイザーに聞いた「自炊が続くコツ」

新しい生活が始まる季節。この春から家族と離れて、一人での暮らしを始めるという人もいるのではないでしょうか。初めての一人暮らしは不安がつきもの。そこで「一人暮らしアドバイザー」の河野真希さんに、一人暮らしの料理を楽しくするポイントを教えていただきました。

一人暮らしの方に有益な情報を!

「一人暮らしアドバイザーって何?」と思う方もいますよね。具体的に何をしているかというと、自分の体験をもとに一人暮らしの人に役立つ節約術や料理の仕方、暮らしのコツなどを発信しています。私自身、今は家族を持って一人暮らしではないのですが、生活の幅が広がり知識も増え、一人暮らしの時とはまた違った視点で有益な情報をお届けできているのではないかと思います。

正直、自炊って食費がかかりますよね?

一人暮らしの方からの相談で多いのが「食費」のこと。自炊と外食を比べると、食費の面だけで考えれば、ファーストフードやコンビニ飯を食べ続けたほうがお金はかからないでしょう。でも、それで栄養面までカバーするのはむずかしいもの。体のことまでを考えたら自炊の方がいいですし、毎日しっかり続けた場合は、外食より食費を抑えられることも。なので、手ごろに健康的な食事ができるのが自炊、と考えるといいと思います。

一人暮らしの料理悩みを解決

最低限必要な調理器具は?

一人暮らしを始めると、料理をする前段階の話として「どういう調理器具を買えばいいかわからない」という人も多くいます。まず最低限必要なのは、包丁とまな板、フライパン。フライパンは最低でも20cm、理想は26cmくらいで深さのある蓋つきのものを買っておくと、鍋代わりもなります。

ほかに、キッチンバサミ、ピーラー、トングも持っていると重宝します。ハサミは包丁の代わりにもなりますし、トングは菜箸の代わりにも使えます。

そして、意外と大事なのが計量カップと計量スプーン。初めて料理をする場合、例えば「大さじ1」と言われても、がどのくらいかわからない人が多いです。最初はきちんと計量して、大さじ1の感覚をつかむと、味もしっかり決まります。そのほかのものは自分が料理をするようになってから増やしていくのがおすすめです

調理器具は最初から高いものを買い揃えるのではなく、まずは安く抑えて、実際に使うことがわかってからいい物に買い替えるほうが無駄はないと思います。今は100均など商品が充実しているので、そういったところを利用するのもいいですね。

同じものばかり作ってしまう

自炊を始めたものの、「何を作ればいいかわからず、毎日同じものばかり食べている」という人も意外と多いのではないでしょうか。そういう方たちは献立をゆっくり考える時間もないと思うので、とりあえず1つお気に入りのレシピ本を決めて、それを片っ端から作っていくのがいいと思います。手元に本があると見返せますし、1冊作ると料理の幅が広がるのでおすすめです。

あとは、一人だとどうしても麺類や丼物になりがちですが、それだとバリエーションが増えないので、なるべくご飯と汁物の献立スタイルを意識するのがいいと思います。とはいえ全部作るのは大変なので、最初は市販のおかずを買ってきて、インスタントのお味噌汁を用意し、ご飯だけ自分で炊く。慣れてきたらレトルトや、『◯◯の素』のような合わせ調味料を使って作ってみる。合わせ調味料のいいところは、箱に材料と手順が書いてあるので、そのメニューの作り方がなんとなくわかること。そうすると、次に自分で調味料を用意して作る際のハードルが下がります。

初めからいっぺんに自分で作ろうとすると挫折しがちなので、市販品に頼りながら上達していくのがおすすめです。ポイントは、最初から理想を高く持ちすぎないこと! 続けていくと、自然と“献立力”もつきますよ。

食材を食べきれない

次第に料理に慣れてくると、次は「食材を食べきれず無駄にしてしまう」「使い切るために作りすぎてしまう」という悩みが出てきます。そんなときは「冷凍保存」がおすすめです。私も一人暮らしのときは食べ切れないものは冷凍していました。

ほかにも、中途半端な野菜は粗みじんにして冷凍庫に入れておくと、あとからスープに使えたりと便利です。これから冷蔵庫を買う人は、冷凍庫の容量が大きいものをおすすめします。

調味料を使いきれない

食材だけでなく、調味料を使い切れないことも一人暮らしの人にとっては大きな問題ですよね。そういうときは、100均などで売っている小さめの調味料を活用するのも一つの手です。最近は結構めずらしい調味料も揃っていますよ。

調味料の賞味期限は意外と早いですし、特に自炊を始めたばかりのころは、自分がどれくらい料理をするかわからないので、使いきれない可能性も。醤油もみりんも大きいほうが安いけれど、捨ててしまったらその分無駄になってしまいますからね。

失敗して当たり前!恐れずチャレンジしよう

全く料理をした経験がない人も、まず1日1回はキッチンに立つことから始めてみるといいと思います。キッチンに立つことが習慣になったら、次は1日のうち1食は自分が手を加えた料理を食べる。自分で切った野菜でもなんでもいいんです。

そういうふうに少しずつできることから始めれば、自炊は続けやすいのかなと思います。料理も買い物も最初からうまくいく人はいません。むしろ失敗することで料理は上達していきます。一人暮らしなら失敗しても誰にも迷惑はかけないので、今のうちにどんどんチャレンジしておきましょう!

※メイン写真は記事イメージして選定させていただきました
画像提供:ピクスタ

河野真希

家事アドバイザー/一人暮らしアドバイザー/料理家。自らの一人暮らし体験を元に取材や研究を重ね、2001年からWebを中心に各種メディアで暮らしに関する情報を発信。料理や家事、インテリアなど、気持ちのいい暮らしを作る、始めるためのライフスタイル提案を行う。また、2016年4月より『料理教室つづくらす食堂』を主宰。著書に『ひとり暮らしの季節ごよみ』(祥伝社)、監修本に『人生が整う 家事の習慣(西東社)』『ひとり暮らしで知りたいことが全部のってる本(主婦の友社)』など。

河野真希オフィシャルサイト:http://kawano-maki.net/
料理教室つづくらす食堂サイト:https://www.tudukurasu.jp/

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