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コラム

ごはんライフがより充実!? コロナ禍で注目される「お米のサブスク」

【お米ライターのオコメバナシvol.12】私たちにとってお米はあって当たり前の存在ですが、実は意外と知らないことだらけ。そこで、巷でよく耳にするお米に関する「疑問」や気になる「噂」をお米ライター柏木智帆が検証します。おいしい白飯や米料理さえあれば食卓は豊かになる!をモットーにお米のおいしさを追究していきます。

月替わりでお米を定期購入する時代へ

新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、サブスクが注目されています。サブスクとは、サブスクリプションの略で、つまりは定期購入。お米業界でも新たに始めるお米屋や米農家も出てきました。定期購入と言っても同じお米が毎月届くのではなく、月替わりのお米を楽しむことができるサブスクもあるようです。酒販店から毎月さまざまな日本酒が届く「日本酒の頒布会(はんぷかい)」のお米版と捉えていただくと、分かりやすいと思います。

「新しい味」との出会いの場

コロナ禍以前、米農家の夫はある方から頼まれて、1年間だけお米のサブスクを行いました。サブスクが終了する頃、購入者から「お米ごとの違いが分かって楽しかった」との感想をいただき、はっとしました。

以前、百貨店内の米屋で店頭に立ってお米の試食販売をさせていただいたことがあります。そのとき印象的だったのは、店に来る前から買うお米を決めている方が多かったこと。他のお米には目もくれず、食べ慣れたお米を購入されていきました。いつも同じ種類のお米を食べ続けている方にとって、サブスクはお米の多様さに触れることができる貴重な機会だったのだと思います。

日本のうるち米は300種以上もあるので、自宅に少なくとも2〜3種類は常備して、その違いを味わったり、気分や料理によってお米を変えたりすると、楽しさがぐんと広がるはず。そして、「いつものお米」に加えて他のお米を食べてみると、初めて食べるお米の味わいに触れるだけでなく、「いつものお米」の特徴や魅力を再認識できるかもしれません。

あったらいいな、こんなサブスク

あったらいいなぁと思うサブスクは3つあります(すでにあるかもしれませんが)。

1つ目は「毎月1〜2kgの米が3〜4種届くサブスク」。少量ずつ複数のお米が同時に届くことで、気分や料理によって米を変えたり食べ比べをしたりして楽しめそうです。

2つ目は「毎月違う生産者で同一品種が届くサブスク」。たとえば、「1月は長野県の◯◯さんの『コシヒカリ』」・「2月は福島県の◯◯さんの『コシヒカリ』」というふうに生産者ごとのコシヒカリの味わいの違いを楽しむことができるもの。同じ品種でも産地や生産者・栽培方法などが違うと、味わいは変わります。品種特性はあくまでベースであることが分かると、お米の見方が変わるかもしれません。

3つ目は「毎月季節や料理に合わせた米屋のオリジナルブレンド米が届くサブスク」。寿司に合うブレンド米が届いたら、「このお米があるから、ちらし寿司でも作ろうか」とお米起点でメニューを考える楽しみ方ができる他、米屋のブレンド技術のすごさを体感することができます。

実際にあった、こんなサブスク

そして、3つ目の理想的なサブスクは実際にありました。東京・原宿の「小池精米店」では、今年の新米から「お米定期お届けコース」というサブスクを始めました。
・味も地域もバラエティ!
・『プロ向け本気米』大集合!
・地域で頑張っている人、応援!
の3コースがあり、毎月コースごとに違うお米が届きます。ラインナップの中には、「丼用」「寿司用」「カレー用」「ステーキ用」のオリジナルブレンド米もありました。好みや生活スタイルなどによってコースを選べるのはユニークで、お米に関心が薄かった人からお米玄人まで幅広く楽しめそうです。

また、コロナ禍以前から「嘉右衛門(かえもん)定期便」というお米のサブスクを行っている新潟県阿賀野市「お米のかたぎり」では、月によってはお米だけでなく、パックごはんの他、油揚げと醤油を足して炊くだけの手軽な「竹の子ご飯」なども届きます。時代のニーズに合わせて、サブスクの内容も多様化しています。

お米のサブスクは6カ月や12カ月単位の一括購入というパターンが多いようですが、少量で月換算1000円ほどで始められるものもあります。お米の味わいの違いを実感したり、自分の好みのお米を把握することができたりと、お米をもっと知ってもっと楽しむことができる可能性に満ちたお米のサブスク。コロナ禍のおうちごはんに、ぜひ利用してみてはいかがでしょうか。

参考:「令和3年産 水稲うるちもみ及び水稲うるち玄米の産地品種銘柄一覧」
画像提供:Adobe Stock

柏木智帆

お米ライター。元神奈川新聞記者。お米とお米文化の普及拡大を目指して取材するなか、お米農家になるために8年勤めた新聞社を退職。2年にわたってお米を作りながらケータリングおむすび屋を運営した。2014年秋からは田んぼを離れてフリーランスライターに。お米の魅力や可能性を追究し続ける、人呼んで「米ヘンタイ」。
【ブログ】柏木智帆のお米ときどきなんちゃら
【クックパッド】柏木智帆のキッチン

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