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インタビュー

『劇場版 おいしい給食 卒業』主演・市原隼人さんに聞いた!料理で欠かせない「一番大切な調味料」とは

1980年代の中学校が舞台になっている「おいしい給食」。給食をこよなく愛する「給食絶対主義者」の教師・甘利田幸男と「給食マニア」の男子生徒・神野ゴウの、どちらが給食をおいしく食べるという闘いを描く学園グルメコメディが『劇場版 おいしい給食 卒業』として5月13日に公開されます。今回は、甘利田幸男を演じる市原隼人さんに、「食べる」ことの大切さについて聞きました。

「おいしい給食」ファンの小学生に送った手紙

――2年前に公開された『劇場版 おいしい給食 Final Battle』に続き、『劇場版 おいしい給食 卒業』が公開になります。今回の撮影で、大変だったことや印象に残っていることはありますか?

実は、撮影時の記憶がほとんどないんです。2019年にドラマがスタートして、映画化となり、2021年10月にはドラマシーズン2がスタートしました。そして今回、劇場版第2弾が公開になります。こんなに長く続く作品になったのはファンのみなさまのおかげです。今回の作品でもしっかり恩返しをしたいという気持ちが強くて、クランクインの前日は全く眠れませんでした。そんな気持ちで現場に向かい、無我夢中でしたので本当に記憶がないんです。

――それだけ気持ちが入った撮影だったということですね。作品を拝見しましたが、印象的なシーンがたくさんありました。

画像提供:劇場版 おいしい給食 卒業 ©️2022「おいしい給食」製作委員会

完成した映画を見ると、「なんであんな動きをしたんだろう……」というシーンがあります(笑)。気が付いたら体が動いてしまっているんです。撮影中は、自分の中の甘利田幸男を消化するのにとにかく必死だったんだと思います。

――甘利田幸男という役を演じていて感じることはありますか?

この作品のファンで、小学校に通えなくなってしまった子がいるという話を聞き、甘利田として手紙を書いたんです。その手紙を、涙を流して喜んでくれたと聞いて、これが役者の醍醐味だと改めて感じ、僕も涙が止まりませんでした。甘利田幸男という役を演じて、作品のファンの方に楽しんでいただけたり、感動を与える事ができているんだということを経験いたしました。

――素敵なお話ですね。甘利田先生としてどんな手紙を書いたのですか?

画像提供:劇場版 おいしい給食 卒業 ©️2022「おいしい給食」製作委員会

「いつどんなときも一人じゃないよ。君はいつもたくさんの人の愛情に包まれているんだよ。最初はできなくて当たり前なんだよ。みんなそうなんだから、できないことがダメだと思わず、また一緒に楽しめるようになれたらいいね。学校には『おいしい給食』という楽しみもあるしね」というようなことを書きました。

実はクックパッドのヘビーユーザー!?

――料理の腕前はプロ並みという市原さんですが、料理に目覚めたきっかけや料理が好きになったきっかけを教えてください。

子どもの頃からキッチンで遊ぶのが好きだったんです。「キッチンで油まみれで遊んでいたのよ」という話を母から聞いたことがありますし、それを許してくれる母でした。料理をするのは好きでしたし、一人暮らしをはじめてからは本格的に自炊をするようになりました。生命体の中で、料理をするのは人間だけ。人間は料理をする事で、より多くのものを食べられるようになったそうです。料理のおかげで、いろいろな栄養を摂り入れていくことが可能になり、寿命を延ばしていったという歴史を知り、「人間なのに料理をしないのはなんてもったいないことなんだろう」と思ったら、さらに料理が好きになりました。

――料理をするときにこだわっている部分を教えてください。

なるべく無添加のものを使うようにしています。また、魚料理を作るときは、築地に朝行って鮮度の良いものや、生きたままの魚を買ってきて捌くこともあります。実は僕、クックパッドのヘビーユーザーなんです(笑)。料理って正解がないものだから、1つのメニューでも家庭によって味付けが違ったり、使う食材が違ったりしますよね。それが集まっている場所ってなかなかないと思うんです。僕は、クックパッドに集まっているレシピの良いとこ取りをして、そこから自分の味を探求しています。

――使っていただきありがとうございます!そんな市原さんが、最近作っておいしかったものはなんですか?

夜中にお酒を飲みながら常備菜を作ることが多いです。最近は、ほうれん草のお浸しとか、シンプルで薄味なものがおいしいと感じます。ちなみに昨日はチャーハンを作りました。料理をしていて感じるのは、食べてくれる人を思って作ることが一番の調味料だということ。ですので、誰かのために作るごはんはおいしくできるような気がします。

人生を謳歌することの大切さが伝わる作品

――「おいしい給食」の撮影では、たくさんの給食を食べていますが、食べるシーンで印象的だったことはありますか?

画像提供:劇場版 おいしい給食 卒業 ©️2022「おいしい給食」製作委員会

作品の中で食べている給食は、本当にどれもおいしいんです。生徒役の子どもたちは、カットがかかっても食べ続けているくらい(笑)。おいしいものが食べられるのは嬉しいのですが、撮影では1つの給食を3回分くらいは必ず食べるんです。最初から最後まで通しで食べたら、次は違う角度から食べているシーンを撮るので、お腹がパンパンになります(笑)。

――1日中食べるシーンは大変ですね。でも、どのシーンを見ても、本当においしそうに食べているのが印象的です。市原さんは、子どもの頃から給食が好きでしたか?

好きな献立の日なら、1日がそれで幸せと思えるくらい好きでした。逆に、苦手なものなら1日が台無しになっちゃうくらい(笑)。生徒役の子どもたちの中にも、勉強は苦手だけど給食は大好きという子がたくさんいます。そういうのを見ると、給食に救われている子は多いんだなと思います。
今回の映画には、「おいしく食べるのか栄養を取るのか」というテーマがありますが、給食には、給食でしか味わえない味というものがあると思うんです。僕は、給食のきなこパンが大好きでした。家で出てこないし、外で食べることもない。そんな、給食の時間にしか味わえないきなこパンは特別な味でした。

――今回の作品を通じて、ファンの方に感じてもらいたいと思うことはありますか?

画像提供:おいしい給食 season2 ©️2021「おいしい給食」製作委員会

コロナ禍で、給食は黙食が推奨されています。本来だったら、班ごとに机を向かいあわせて、「いただきます」「ごちそうさま」を、みんなで声を合わせて言うんですよね。食事を作ってくださった方に対して、「いただきます」「ごちそうさま」で思いを伝えること、「おいしいね」と共感、共有することってとても大事だと思います。この作品には、そういった大切にしたい日本の文化がたくさん描かれているので、ぜひそうした部分を感じていただきたいです。

――最後に、『劇場版 おいしい給食 卒業』の見どころを教えてください。

画像提供:劇場版 おいしい給食 卒業 ©️2022「おいしい給食」製作委員会

この作品のファンの皆さまに感謝しています。映画になることによって、物語性がより濃くなり、それぞれの登場人物の感情をより深く掘り下げていくような場面がたくさんあります。その中で、甘利田幸男という男が滑稽な姿を見せながらも、好きなものは好きだと胸を張って言い、子ども相手に「負けた!」と言えるその姿を見てください。そして、この作品を見た皆さまにも、人生を謳歌する気持ちを忘れないでいただきたいなと。そんな思いを込めた作品なので、ぜひその思いを感じていただけたら嬉しいです。

(TEXT:上原かほり)

市原隼人(いちはら・はやと)

2a629c7f7969d001b0dedd609f3c9612 衣装協力:73r
1987年2月6日生まれ。神奈川県出身。2001年に映画 『リリイ・シュシュのすべて』で主演デビュー。2004年には 『偶然にも最悪な少年』で日本アカデミー賞新人賞受賞。主な作品に映画では 『ぼくたちと駐在さんの700日戦争』(08)、『ボックス!』(10)、『無限の住人』(17)、『あいあい傘』(18)、『ヤクザと家族 The Family』(21)、『太陽は動かない』(21)、ドラマでは「ウォーターボーイズ2」(04/CX)、「ROOKIES-ルーキーズ-」(08/TBS)、「猿ロック」(09/NTV)、「ランナウェイ~愛する君のために」(11/TBS)、「カラマーゾフの兄弟」(13/CX)、「リバース」(17/TBS)、「おんな城主 直虎」(17/NHK大河ドラマ)、「おいしい給食」(19)、「おいしい給食 season2」(21)などに出演。現在は「正直不動産」(22/NHK)、「鎌倉殿の13人」(22/NHK大河ドラマ)に出演中。写真家として活動しており、映像作品に「Butterfly」(監督・主演)、アーティスト「DEVIL NO ID」MV(監督)などがある。

映画『劇場版 おいしい給食 卒業』

給食マニアの教師・甘利田幸男と、給食マニアの生徒・神野ゴウによる、どちらが給食を「おいしく食べるか」という闘いを描く学園グルメコメディーの劇場版。5月13日より全国公開。

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