cookpad news
コラム

肌のカサカサ、爪が欠ける…それって◯◯不足!大人も子どもも欠かせない「万能ミネラル」とは

細川モモ

ラブテリ トーキョー&ニューヨーク代表理事

【"成功する子"の食事術vol.9】子どもの成長に食事が大切ってことは分かっているけれど、どんなものを作ればいいの?毎日のことだから、悩んでいる親御さんも多いはず。シリーズ累計14万部突破「成功する子は食べ物が9割」の著者・細川モモさんに、20年後に後悔しない子どもの食事術を教えてもらいましょう。

肌トラブルは保湿のみにあらず!日本人は亜鉛不足!?

乾燥するこの時期に悩まされるのが、肌トラブル。保湿が肝心!と保湿クリームをべったりぬってもなかなか改善できない、湿疹やカサカサ。子どもだけではなく、日常的なマスクによる肌荒れなど、親子ともにお肌の悩みは尽きません。そんなお肌のトラブルですが、実は外からのケアだけではなく、中からのケアもとても重要!そして、肌の炎症の回復に「亜鉛」が欠かせません。

亜鉛は肌に20%程存在しており、「ランゲルハンス細胞」という肌の潤いに影響する細胞の増殖に関与しています。実際に肌トラブルに悩む人は亜鉛の血中濃度が低いという調査結果も出ています。日本人は先進国の中で唯一、亜鉛の不足者数が人口の10~30%ととても多い国です。また、亜鉛は肌のターンオーバーにも影響を与えており、傷の治り(注射や虫刺されの跡)が遅い方は、もしかして亜鉛が不足しているのかも…!?

成長にも欠かせない、万能ミネラル「亜鉛」

肌トラブルだけではなく、亜鉛は子どもの成長にも欠かせないミネラルの1つです。亜鉛欠乏症状のひとつに低身長があり、実際に日本人2〜14歳の子どもで亜鉛欠乏のある子どもたちは、そうでない子どもたちと比較して身長スコアが低値であったことが報告されています。

亜鉛は新陳代謝を促すミネラルでもあるため、健やかな成長に欠かすことができません。発育不全児のグループについて調査したところ、血液中の亜鉛濃度はやはり低値であり、その後、亜鉛を経口的に投与した結果、数値が改善され発育の改善もみられたという結果もあります。また、感染症予防も期待できるので、親子で摂りたいミネラルです。

亜鉛不足は爪にでる!?

爪はケラチンというタンパク質がメインでできていますが、このタンパク質の合成に亜鉛が欠かせません。よって、亜鉛が不足すると爪にサインがでると考えられており、以下のような爪が亜鉛を含む栄養欠乏に該当している可能性があります。

1. 爪が欠けやすくてもろい
2. 爪に横線が入る
3. 爪が縦に割れる
4. 爪の根本部分(周辺)に炎症が起きやすい
5. 爪に白い斑点がある

子どもの場合は乳児の頃から爪に斑点が見られることがあり、全ての爪に見られる子もいます。水虫感染など、原因は栄養欠乏に限らないのですが、亜鉛欠乏の可能性がある重要なサインです。乾燥肌と合わせて気になる場合には、かかりつけ医に相談しましょう。

これさえ食べれば大丈夫!亜鉛チャージ食材をストックせよ

亜鉛を含む食材は、価格が高いものから手軽に買える食材まであるので、上手に選んでストックしておくことがおすすめです。納豆やワカメ、白米に含まれていることから、和食の回数を増やすだけでも良いですし、パンが主食のときはチーズトーストにココア、アーモンドを砕いてサラダにまぶすなどして亜鉛を意識しましょう。亜鉛は鉄分が含まれている食材と類似していることから、子どものイライラ、集中力、持久力、そして身長や体重の伸びにも影響する鉄欠乏性貧血の予防も兼ねることができ、一石二鳥です。

【亜鉛たっぷりご褒美食材】

魚介類、牡蠣、牛肉(赤身)、牛&鶏(レバー)

【コツコツ摂ろうお手軽食材】

わかめ、未精製の穀類、アーモンド、カシューナッツ、卵、抹茶、ごま、ココア、プロセスチーズ、納豆、豆腐(木綿)、白米、そば

まだまだ寒い日、乾燥する日が続きます。亜鉛たっぷりの食材を使用したご褒美ごはんで、子どもや家族を肌トラブルから守りましょう。ぜひ習慣的に、亜鉛を摂ってみてください!

細川モモさんの著書

「成功する子は食べ物が9割 幼児食」主婦の友社

亜鉛や鉄についてより詳しくレシピとともに知りたい場合は『成功する子は食べ物が9割〜幼児本編〜』をおすすめ。オールカラーで「ミキサーで混ぜるだけ!簡単ミートソース」をはじめ、栄養管理と時短を叶えるレシピの数々と幼児期に食べたい食事量の目安が一覧になっており、「野菜を食べない」「魚を食べない」「肉を食べない」などの子どもの食の悩みをそれぞれの食材を食べやすくする調理法の紹介をしています。

細川モモ

ラブテリ トーキョー&ニューヨーク代表理事
2009年春に、医師や管理栄養士を中心に13種の医療専門家及び博士/研究者が所属する「ラブテリ トーキョー&ニューヨーク」を発足。専門家の知識を分かりやすく提供することで、日本の家庭教育と子どもたちの健康をサポートしようと幅広い活動を展開。さらに、予防医療のなかでも、”母子健康”に注力。課題は深刻だが国のサポートが手薄なため、妊娠前/妊娠中/産後の女性の健康支援を通じて、次世代の健康の底上げに取り組んでいる。生まれてくる赤ちゃんの栄養状態・成長は妊娠前のママの栄養状態に影響されるが、働く女性の栄養状態は近年悪化している。日本の未来を守るためにも、母子栄養を潤す事は必要不可欠と考え、栄養状態の悪い女性を減らすことで不妊症や低出生体重児を予防し、1人でも多く健やかな赤ちゃんが生まれることを願い、走り続けている。
公式サイトはこちら
YouTubeはこちら
facebookはこちら

執筆者情報

細川モモ

ラブテリ トーキョー&ニューヨーク代表理事
2009年春に、医師や管理栄養士を中心に13種の医療専門家及び博士/研究者が所属する「ラブテリ トーキョー&ニューヨーク」を発足。専門家の知識を分かりやすく提供することで、日本の家庭教育と子どもたちの健康をサポートしようと幅広い活動を展開。さらに、予防医療のなかでも、”母子健康”に注力。課題は深刻だが国のサポートが手薄なため、妊娠前/妊娠中/産後の女性の健康支援を通じて、次世代の健康の底上げに取り組んでいる。生まれてくる赤ちゃんの栄養状態・成長は妊娠前のママの栄養状態に影響されるが、働く女性の栄養状態は近年悪化している。日本の未来を守るためにも、母子栄養を潤す事は必要不可欠と考え、栄養状態の悪い女性を減らすことで不妊症や低出生体重児を予防し、1人でも多く健やかな赤ちゃんが生まれることを願い、走り続けている。

編集部おすすめ
クックパッドの本