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インタビュー

“世界のこんまり“を支える、夫・川原卓巳さん「料理は最高の癒やし」

昭和の時代からなんとなく受け継がれる「料理は女性のもの」という“常識”は、令和の時代も変わらないのか?そんな疑問から、クックパッドが実施した調査によると(※)、日本の男性の約4割は実に週に4回以上も料理をしていることが明らかに。今回は「父の日」に合わせて、各界で活躍しながら日常的に料理を楽しむ男性たちに、料理を始めたきっかけや、忙しい日常の中で料理をし続ける意味についてお話を伺いました。

朝食は自家製の味噌を使って

――川原さんは、片づけコンサルタントの“こんまり”で知られる近藤麻理恵さんの公私に渡るパートナーとして、そして「ときめき」を大切に住環境と人生を整える「こんまり®︎メソッド」を世界ブランドに磨き上げたプロデューサーとしても知られています。プライベートでは3児の父であり、料理も日常的に楽しんでいるとか。日頃、どんな料理を、どのくらいの頻度で作っていますか?

僕のパートナーである麻理恵さんは、本気で「片付けの価値を世界中に広めたい」と信じて行動する人。僕と結婚したときにはすでに『人生がときめく片づけの魔法』でミリオンセラー作家になっていましたが、その後、二人でアメリカに渡ってゼロから世界に向けて挑戦。ありがたいことに、Netflixで制作したオリジナル番組は190の国・地域で放映され、昨年はエミー賞をいただき世界一のテレビ番組に選ばれました。

僕はプロデューサーとして麻理恵さんが最高の状態で活動できるように環境を整えながら、日本各地に眠る才能を世界に売り出すプロデュース事業をこの春から本格的に始めています。 というわけで今は夫婦共に活動量が多いので、包み隠さずお話しすると、毎日毎食分の料理を作るのは難しいのが実情なんです。だから、平日の夕食は、おいしく栄養のある食事を作ってくださるプロにお願いしてケータリングするなど「無理しない工夫」をしています。

それでも、できるだけ自分たちの手で料理を楽しむ時間は大切にしたい。やっぱり食は日々のパフォーマンスに直結しますし、パートナーの麻理恵さんは出会った頃から「心と体をつくるのは食べ物」とこだわるタイプだったので、僕も感化されてきました。

例えば、朝食の定番である味噌汁は、夫婦どちらか手が空いているほうが作るので、僕の出番も多いですね。土鍋でじっくりコトコト火を入れることで、味噌のコクが出るんです。そうそう、味噌にもこだわっていて自家製です。

あと、目玉焼きには自信があるので、僕の担当と決まっています。黄身がトロリとした状態で白身もプリプリのカリカリ。どのタイミングで、どのくらいの熱で、いつ水を足して……と自分流の黄金則が決まっていて、ほぼ芸術のレベルに達しました。すみません、なんの話でしたっけ?(笑)

料理経験は小学生から

――今のお話だけでも川原さんが料理を楽しく追究していることが分かりました。そのスキルはいつ習得したのですか?

小学生くらいには料理していましたね。両親が「食べたいものがあれば、自分で作って食べなさい」という方針だったんです。というのも、僕の母は地域の「ママさんバレー」の活動に夢中で、父が監督をしていたので、夜に家にいない日が多くて。「ホットプレートで温め直して弟と食べなさいね」と用意された焼きそばを頬張りながら、「目玉焼きのっけて食べたいな〜」とひらめいて作ってみた。そんな原体験です。

結婚してからは麻理恵さんが「卓巳さんの料理、すごくおいしい!天才!」と褒め上手なので、いい気分になっていつの間にか上達しちゃった感じですね。週末のカレー作りも定着しました。

息抜きは週末のカレー作り

――週末のカレー作り、詳しく教えてください。

1週間分の食材がなくなる金曜の朝に買い物に行って、カレー用の材料も買うんです。そして翌土曜の朝に、カレーの仕込みをするのが、出張のない週末の習慣になっています。
カレーって、飴色タマネギなんですよ。じっくり炒めたタマネギを使うことでグッとおいしくなるんです。おいしいお気に入りのコーヒーを飲みながら、タマネギを飴色になるまでじっくり炒めて、カレーのベースに使います。

最近、作ってヒットしたのは、トマトとセロリをどっさり入れたカレーです。トマトの酸味とセロリの爽やかさで、カレーが「うまみの厚底ブーツ」を履いて、めちゃくちゃおいしくなる。いつだったか、カレーのレシピをネットで調べていたときに材料にトマトケチャップが入っているのを見て、「酸味が決めてなのかな。だったら、フレッシュトマトを思い切り投入してみたらうまいんじゃないか?」と仮説を立てて、5個くらい湯むきして入れてみたんですよ。セロリは1束分をミキサーで細かくして。この実験、大正解でした。

クリスマスには、ご飯を丸く成形して2つ並べて、その周りにカレーを流し込む「雪だるまカレー」も我が家の定番ですね。子どもたちが海苔を小さくちぎって、雪だるまの目や口をつくるのを楽しむ姿もかわいいです。

――料理が親子のコミュニケーションにもなっているんですね。

普段の生活で自然にやってきたことですが、そうかもしれないですね。8歳の長女はもう包丁も使えて、野菜スティックも上手に作りますよ。僕は「ディップ職人」として腕を振るいます(笑)。

こんまりさんも大好物「小松菜と豚肉の炒めもの」

――他に川原さんの「推しレシピ」があれば教えてください。

そう聞かれるかなと思って、「僕の料理で何がイチオシ?」と麻理恵さんにヒアリングしておきました(笑)。そしたら「豚と小松菜の炒め」だそうです。

作り方はいたってシンプル。豚の小間切れ肉かバラ肉を一口大に切って、酒・醤油・みりん・塩コショウで味付けした後に片栗粉をまぶして少し置いておく。小松菜は洗って5センチぐらいにザクザク切って、下ごしらえ完了。フライパンにゴマ油を熱して、ニンニクとショウガを加えるんですが、ポイントはニンニクを「みじん切り」と「スライス」の2種類使うこと。スライスのほうは熱した油に通して香りをつけて、後からトッピングする用なんです。

肉を炒めて焼き色がついたら、小松菜を加えて、刻んだニンニクとショウガもイン。酒と醤油を回しかけて香りが立ったらお皿にあげて、たっぷりの炒りゴマを振りかける。これはホントにうまいです。

――聞くだけでお腹が空きます! ニンニクの2種類使いなど、料理のワザはどこからインプットしているのですか?

「クックパッド」を見て参考にしていますし、プロのワザから学ぶことも多いです。オープンキッチンのお店で食事をしながら、「おー、このタイミングでこのくらいの火なのね」と観察して、出てきた料理の味で「なるほど。たしかに苦味が抑えられているわ」と答え合わせをする。ありがたいことに、世界の一流のシェフの味を堪能する機会も少なからずいただけていることも、上質なインプットにつながり、食の奥深さを知る楽しみになっています。

無になって集中できる癒やしの時間

――川原さんにとって「料理の時間」はどんな意味を持ちますか?

スマホの通知とメールの山から離れられる唯一の癒やしの時間。貴重です。心が整うだけじゃなくて、おいしい食事まで完成するなんて最高でしょ。

実は、少し前までは料理をしながら耳から摂取できる情報を聞いていたんですが、それもやめました。「徹底的に無になって手を動かして、料理に集中しよう」と決めたんです。結果的にそのほうが精神と心がすっきりとリセットされて、その後の生産性が上がるということに気づいたので。サウナでリセットする感覚にも近いかもしれません。

――これから料理にチャレンジしたい男性に向けてメッセージをお願いします。

「食べたいものがあれば、自分でつくる」それが人として自然な姿勢じゃないかなって思うんです。入り口はなんでもいいと思っていて。自分が楽しめるポイントを見つけられるといいですよね。
料理に苦手意識を持っている男性は多いかもしれない。だけれど、料理にはいくつかの方程式や型があって、その応用でかなり広げられるから、コツさえつかめばあっという間にハマると思います。

それに、料理は大事な人を支える力にもなる。僕は今、自分らしく生きたい人を応援するコミュニティを運営していて、会員1000人ぐらい。その大半が女性なんです。彼女たちの話を聞いていると、女性がイキイキと前向きにチャレンジするには、パートナーのサポートが大事な要素になるんだなぁと感じてるんです。大切な人の心と体の健やかさに貢献できる料理って、「自分らしく生きる人を増やす」ことにも通じるはず。

一方で、周りを見渡すと、日常的に料理をする男性も増えてきていると感じます。特に今の40代以下は、「実はオレも結構やってる」という人が多いのではないでしょうか。こんなふうに、男性の日常料理の可視化がもっと広がって、常識を変えていけるといいですよね。ぜひ一緒に、新しい風を吹かせていきましょう。今回は素敵な企画にご一緒させていただきありがとうございました!

(TEXT:宮本恵理子)

(※)クックパッドは2018年よりGallup社に委託し、料理頻度の世界調査「World Cooking Index」を実施

World Cooking Index
調査実施時期:2021年6月11日から8月16日
対象人数:1,007名
実施方法:固定電話もしくは携帯電話を使ったインタビュー
言語:日本語

調査方法の詳細(Methodology)は、こちらからご確認ください。
Cookpad Year 4 Methodology Document

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