「がんばってダイエットしているはずなのに、なぜか思うように痩せない…」そんな悩みを持つ人も多いのでは?実はダイエットで大事なのは、やる気ではなく「体質にあうやり方」。正しいやり方を知れば、がんばらなくても痩せる体質に!今回は、10kgやせた漢方家・櫻井大典さんと20kgやせた美容家・本島彩帆里の共著『やる気1%から始める やせる養生』(Gakken)から、ゆる〜く始められる「痩せる生活」のヒントを少しだけお届けします。
お金もかからず、今日からすぐできるダイエット効果の高い方法があります。体質を問わず、どんな人にも有効なダイエット法、それはよく嚙むことです。まずは、食事のひと口目だけでも、30回嚙むように意識してみましょう。
嚙むことの一番のメリットは、胃腸の負担を減らす、ということです。
嚙むという行為は、初期消化。単に食べ物を飲み込みやすくするだけでなく、消化の第一段階なんです。よく嚙まないで食べると、食べ物のかたまりを小さく小さくして消化液と混ぜ、ドロドロにするところまでを、すべて胃が行うことになります。
ビニール袋にかたまりのまま食べ物と消化液を入れて、ドロドロになるまでずっともまなければいけない、と考えてみてください。時間がかかるし疲れそうですよね。しっかり嚙まずに飲み込むということは、胃にそれと同じことをさせているということなんです。
毎回それを行っていたら、胃に負担がかかるのは当然です。がんばらなくてはいけないので疲れやすくなり、次の腸にも負担がかかります。胃腸が弱れば負のループが起こり、太るし体調も悪くなってしまいます。
たくさん嚙むと満足度が高くなり、物理的にも食べるのに時間がかかるため、大量に食べる前に脳の満腹中枢から“お腹いっぱい”という信号が出ます。結果、食べ過ぎる前に満腹を感じられる。だから、よく嚙むだけでやせやすい体になるのです。
とくにしっかり嚙んでほしいのは、クヨクヨと思い悩みがちな人。
中医学では、“胃腸に負担がかかると思いわずらうことが増える”と考えます。理由は、消化吸収を担当している“脾(ひ)”が、“思い”という感情とつながりが強い臓腑(ぞうふ)だから。よく嚙まないで食べていると、悶々と悩みやすくなるのです。
ただし、口は構造的にものを飲み込もう飲み込もうとするので、かなり意識しないとよく嚙めません。毎回何十回も嚙めなくても、ひと口目だけは30回嚙む。その次の食事では、ふた口目も。そうやって、嚙む回数を増やしましょう。
「食べても食べても、満足できなくてまだ食べたい」という状態のときには、トマトを食べてみてください。異常に食欲があるのは、もしかしたら胃熱という症状かもしれません。
ストレスによって体の中に熱が溜まり、それが胃に集まってしまった状態なので、“清熱(せいねつ)”という熱を取る働きのある食材を食べると落ち着くんです。
トマトは調理せずそのまま食べられるという意味でおすすめですが、なす、ズッキーニ、ゴーヤ(苦瓜)などの夏野菜や、セロリなどの苦みのある野菜も清熱野菜です。果物なら柿、すいか、キウイフルーツ、梨、バナナなどが清熱の働きを持っています。緑茶、カモミールやローズヒップティーも同様です。
生野菜サラダは、通常の状態のときには体を冷やすので控えめにしたほうがいいですが、「食べても食べても......」のときは、大量でなければ食べてOKです。食欲が落ち着くまでは、しょうがやねぎ、にらなどの熱を生む食材は控えましょう。
一世を風靡した糖質制限ですが、中医学ではひとつの栄養素だけを急に減らす食べ方は推奨していません。もちろん、栄養士や医師の指導のもとにきちんと糖質制限を行えば、ある程度余分なものが落ちてやせるでしょう。ですが、「ご飯さえ食べなければオッケー」と勝手な自己解釈で行っている場合は、期待したようにはやせないと思います。
実際、「糖質制限してるんで、ご飯もパンも食べてません。でもお菓子はたまに食べます」という方がいらっしゃいますが、それではやはり本末転倒だし、続けていれば体のバランスはどんどんおかしくなっていきます。
糖質制限をしたいなら、ご飯、パン、パスタなどを減らすのではなく、まずお菓子を制限しましょう。とくに白米は、中医学では体を温めることも冷やすこともしない平性という性質の食べものなので、毎日食べるのに向いています。胃腸にもやさしく、元気を補い、イライラや胸苦しさを軽減する働きもある食材なので、よく嚙んで食べれば主食を減らす必要はありません。
本文は『やる気1%から始める やせる養生』(Gakken)より一部抜粋・編集しています。
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「痩せたい」と思っても、無理な食事制限や運動でストレスを感じてしまい、続かない…そんな人におすすめしたいのが、この本です。
この本では、「体質や体調に合ったやせ方を知り、無理せずゆるく実践することが大切」という考えのもと、自分の体質を知る方法、やせにくいメンタルをやせメンタルに変える方法、自分の体質と現在の体と心の状態に合った食事とボディケア法を紹介しています。
「ダイエットはつらく苦しいもの」というイメージを打ち壊し、健康的で楽しく体重を落とせる方法をお伝えします。あんなにつらいダイエットをしたのに、結局リバウンドしたとか、つらすぎて続かないという方は、ぜひとも手に取って頂きたいです。
『やる気1%から始める やせる養生』は、痩せるためにいろんなことを我慢してリバウンドを繰り返してしまう方や、自分の身体と心の傾向とケアの方法を知りたい方に寄り添う一冊です。櫻井先生の体質診断をベースに、食べ方やマッサージ、ストレッチなど無理なくできる養生やセルフケアがたくさん詰まっていると思います。
日々、SNSなどで溢れるダイエット情報たちに触れて意識が外側に向きやすくなっているからこそ、その意識を改めて自分に向けて、いまの気持ちや感覚との付き合い方や心のセルフケアもお伝えしています。
今すでに頑張っていることや積み重ねてきたことも大切にしながら、「わたし自身のやせる養生法」を見つけてもらえたら嬉しいです。
【そろそろ、「誰かがやせた」方法じゃなく、「わたしがやせる」方法を見つけませんか?】
あなたがやせられないのは、自分に合っていないダイエット法を、無理してがんばっているからかもしれません。
無理してがんばると、挫折しやすいし、一時的にやせられたとしても無理した反動でリバウンドしやすくなります。
失敗すると、メンタルも弱ってしまいますよね。
最初に自分の体質や今の状態を知って、その体質や状態に合わせて行うやせ方を、ともに無理なく・がんばらずに10kgやせた漢方家と20kgやせた美容家が一緒に考えました。
自分を知る、がんばらない、ちゃんと食べる、やさしく触れる。
自分の体と心に合う方法だから、あなたのペースで、無理なくできる。
無理なくやせるためには、体の状態だけではなく、心の状態も重要です。「やせたい。けれど今日は“やる気”がわかない」なら、やる気がないなりに(やる気1%でも)できることがあります。
体だけではなく、心にも寄り添った、「わたしがやせる」方法を、本書で見つけてください。
(おもな内容)
PART1 「やせる養生」は体と心の状態を知ることから
PART2 もう挫折しないためのやせるメンタルのつくり方
PART3 体と心を内側からととのえる食養生
PART4 体と心を外側からととのえるボディケア
PART5 日常生活でできる生きてるだけで「やせる養生」
櫻井大典(さくらい・だいすけ)/写真右
漢方家。漢方コンサルタント。国際中医専門員。日本中医薬研究会会員。
カリフォルニア州立大学で心理学や代替医療を学び、帰国後はイスクラ中医薬研修塾で中医学を学ぶ。中国の首都医科大学附属北京中医医院や雲南省中医医院での研修を修了し、国際中医専門員A級資格を取得。漢方薬局で働くようになり、学んだ中医学の食養生を実践してみたところ、1年で10kgやせ、その後はリバウンドもしていない。これまでにのべ4万件以上の健康相談を受け、その人の体質に合わせた対処法をアドバイスしている。著書・監修書多数。Twitterで発信されるやさしいメッセージと、簡単で実践しやすい養生法も人気で、フォロワー数は17万人を超える。(2023年6月時点)
本島彩帆里(もとじま・さおり)/写真左
ダイエット・セルフケア美容家。
心も体も不安定な万年ダイエッターから、カウンセリングや妊娠出産をきっかけに、心身とも健康的に20kgやせる。自身のダイエットや、痩身サロンでセラピストとしてさまざまな女性の悩みに寄り添いサポートをしてきた経験を活かし、ダイエットや美容情報、ライフスタイルを発信。自分とのパートナーシップを軸にした、無理のない心と体のセルフケアが幅広い層に支持されている。著書は累計43万部、Instagramのフォロワー数は23万人を超える。自社でセルフケアブランドeume(イウミー)も手がけ、多様なプロダクトを通してできたことを増やす体験やメッセージを届けている。(2023年6月時点)