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コラム

「塩麹」「塩レモン」の流行の秘密♪【味博士の味コラム】

「塩麹」や「塩レモン」の流行の秘密とは?

近年流行した「塩麹」「塩レモン」。 皆さんも一度は食べてみた事があるのではないでしょうか。 ところで、これらはどうして流行したと思いますか? 実は、そのブームの秘密は"人の味覚の性質"にあるのかもしれません!

”なじみのある味+ちょっと新しい味”が好まれる

人は、全く新しい味の食べ物に対しては、本能的な警戒反応が発動し「美味しくない」と感じるようになっています。 例えば、パンが日本に伝来された当初や寿司が欧米に伝来された当初は、その味が新しすぎて受け入れられませんでした。 しかし、王道パンに対する「あんパン」、王道寿司に対する「マンゴー寿司」など、なじみのある味と新しい味と組み合わせたメニューを介して、次第に受け入れられ、好まれるようになってきました。

日本人になじみのある「塩」と「麹」

は、古くより日本食の中で使われてきた調味料です。 このため、塩と麹を組み合わせた塩麹は、”なじみのある味+ちょっと新しい味”として瞬く間に好まれるようになりました。 また、塩麹は「塩味+酸味」を特徴とすることが目新しく、これが次のブームである塩レモンにも繋がってきます。

「塩味+酸味」を引き継いだ塩レモン

塩レモンも塩麹と同様、「塩味+酸味」を特徴とする食べ物です。 塩麹に続く塩レモンの流行は、塩麹の「塩味+酸味」が、塩レモンの「塩味+酸味」を美味しいと受け入れるための舌を作った結果だと言えるでしょう。 つまり、塩麹と塩レモンの流行には「塩味+酸味」の軸で連続性があるのです。

このように考えていくと、味覚の観点から次の流行が予想できるかもしれませんね♪ 今後はどんな味覚が流行っていくのか、楽しみです!

著者:味博士

味覚研究家。AISSY株式会社代表取締役社長 兼 慶応義塾大学共同研究員。味覚を数値化できる味覚センサーを慶大と共同開発。味覚や食べ物の相性の研究を実施。メディアにも多数出演。ブログ『味博士の研究所』で味覚に関するおもしろネタを発信中。

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