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コラム

スパイスをもっと知りたくなる!インドの知恵に習うスパイシーな郷土菓子♪

世界の家庭料理を旅しよう!世界中の食卓で料理をつくる人 (COOK) と食べる人 (HIKER) をマッチングするWebサービス、KitchHikeの世界各国の食卓を巡る連載。今回は、東京の江東区は東雲にお住まいのインド人ギータンジャリさんの食卓で、郷土料理をふるまってもらいました!

インドってどんな国?

世界の家庭料理を旅しよう!世界中の食卓で料理をつくる人 (COOK) と食べる人 (HIKER) をマッチングするWebサービス、KitchHikeです! 旅先や日本に住んでいる外国人の食卓を訪ねて、世界中の家庭料理を取材してきた模様を臨場感たっぷりにお届けいたします。

第43回目は、東京は東雲にお住まいのインド人ギータンジャリさんの食卓です!

こんにちは!これから、世界一周、郷土菓子を巡る旅を計画中の鈴木あやです。「旅するパティシエ」として、世界中の郷土菓子を発掘しながら、レシピだけでなく歴史・文化・暮らしと、その地域の価値を立体的に学んで行こうと思います。…とはいえ、出発前には準備が必要!ということで、今回もKitchHikeを利用しながら、日本に住む外国人COOKの元へと訪ねて郷土菓子の「予習」をしようと思います♪

前回は、イスラエルの郷土菓子の予習をするために、東京・新代田に住むイスラエル人・ベンジャミンさんのお宅に訪問しました。

そして、今回は「インドの郷土菓子」の予習です!

インドのアーグラーにある総大理石の墓廟、タージ・マハル

南アジアに位置するインド。人口は約12億人・世界2位、中国に次いで今最も経済成長著しい国のひとつです。

その歴史は古く、紀元前2500年〜紀元前1500年頃に栄えたインダス文明が始まりと云われています。その後、アーリア人やイスラームの侵入を受けながら、さまざまな王朝が誕生しては消え、最終的には大英帝国の植民地となりました。約90年に渡る支配から独立を果たしたのは今から約70年前、1947年のことです。

ヒンドゥー教と仏教の一大聖地、バラナシの街並み

また、その激動の歴史の中で多くの宗教が誕生しました。仏教・ヒンドゥー教・ジャイナ教などは、インドが発祥の地だと云われていて、ほかにもイスラム教徒やキリスト教徒なども一定数を占め、まさに「宗教のるつぼ」です。

私たち日本人にとっては、1980年代〜1990年代のバックパッカーブームで多くの若者たちがこぞってインドに旅に出た背景もあり、今ではとても身近な国となりました。

実際、私のまわりにもインドを訪ねたことのある友人が非常に多いのですが、話しを聞いてみると、「ハマってしまって、何度でも行きたい」という人もいれば、「もう二度と行きたくない」という人が、はっきりと二分するのです…!

こんなにも人の印象が白黒はっきりと分かれる国なんてあるのね…と、ずっと不思議に思っていたのですが、先に綴ったような侵略と宗教の歴史から生まれた“混沌”がその要因なのかもしれませんね。

そんなミステリアスな一面も相まって、以前からインドの食文化が気になって仕方がなかったワタクシ、旅するパティシエなのです。

インドならではの郷土菓子って?

首都・デリーにあるレストランの調理場の様子

フランス料理や中華料理、日本料理などと並び、世界的に広く認知されている文化のひとつ「インド料理」。しかし、ひと口にインド料理といっても、世界第7位の国土面積を誇るこの国には、北インド料理・南インド料理・ベンガル料理・ゴア料理など多種多様なバリエーションが存在しています。

これはきっとお菓子も驚くほど多いに違いない…と思っていたら、案の定!ちょっと調べるだけで、挙げればキリがないほどたくさんの郷土菓子を発見することができました。

でもそれらの中にも、確かに共通点はありました。それはどれも、「スパイス」と「砂糖」をふんだんに使ったお菓子であるということ。

デリーのスパイス市場の様子

「スパイス」については、言わずもがなですね。インド料理といえば「カレー」を連想しますが、そもそもこれは旧宗主国の人々、つまりイギリス人が「香辛料を使った煮込み料理」をひとくくりにして呼んだ名前。日本でいうところの、醤油を使った料理をすべて「ソイソース」と呼ぶことと同じです。

そのためインド人にしてみれば「カレー」は乱暴な呼称なわけですが、言い換えれば外国人にとってのインドは、それだけ“スパイス天国”だったということの現れだと思います。

一方で「砂糖」はどうでしょう。例のごとく、暑い国だからエネルギー摂取としてふんだんに砂糖を使用している…?と思いきや、もっと奥深いルーツがそこにはありました。

豊かさの象徴とされる神・ガネーシャ

砂糖の原料のひとつ「サトウキビ」は、ニューギニア周辺の島々が原産地だと考えられていますが、なんとそれを世界で初めて「砂糖」に生成したのがインドなのだそうです!

なるほど、そういった歴史的背景を踏まえると、インドの昔ながらの伝統的なお菓子で、砂糖が特に重宝されているのも納得がいきます。

ちなみに、それを象徴してかはわかりませんが、インドで非常に人気の高いヒンドゥー教の神様・ガネーシャの左手に乗っているのはなんと、「モーダカ」という砂糖菓子なのだとか…!

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