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コラム

何倍もおいしく見える!人気料理インスタグラマーarikoさんに聞いた「料理の魅力を引き出すコツ」【プロの日々ごはんvol.13】

料理のプロたちの普段の食卓をご紹介する連載『プロの日々ごはん』。今回は、女性ファッション誌の表紙やファッション、フード関係の編集者として活躍中のarikoさん。Instagramでは日々のごはんを紹介し、2020年4月時点で14.1万人を超えるフォロワーに支持されています。そんなarikoさんの日々ごはんに迫ります!

幼少期から変わらない、料理が好きという気持ち

私が作るものは基本的に自分自身が作りやすくて、家族が好きな味が多いです。特に息子がいるので男の子が好むような味がメインですね。例えば、凝った料理よりもスパイスが効いていたり、食べてすぐにおいしいって言うわかりやすい味のもの。私自身もぼやっとした味が苦手なんです。酸っぱいなら酸っぱい!辛いなら辛い!のが好きです。材料もたくさんではなく、大体3~4つくらい。食べて素材の味がわかるシンプルな料理が好きで、本当に凝ったことはしていません。

本当に、料理が好きなだけなんですよ。とにかく子どものころから異常に食い意地が張っていて(笑)、小学生の頃には料理本を買ってもらったり、高校生になったら料理教室にも通い始めました。自分や家族がおいしいと思う料理をただ作り続けてきただけなので、自分の作った料理が一冊の本になるなんて、夢のまた夢でした。

献立はその日の気分で組み立てる

献立作りは、その日の自分の気分で考えます。「今日は和食っぽくしよう」とか「居酒屋さん風がいいかも」ってテーマを決めるんです。それでスーパーに行って、おいしそうな“かじきまぐろ”があったら、それを照り焼きにして和風に仕上げるとか。もし気持ちが変わったら、ミニトマトのソースをつけて洋風にしようとか、どんどん展開させていく。今日はこういう気分って決めると献立が立てやすいですよ。

いつもの料理も組み合わせ次第でおしゃれに!

インスタグラムに載せているのも、普段私が食べているものばかりで、何か特別なものを作っているわけではありません。あまり過剰になりすぎるのは嫌なんです。

もともとインスタグラムも仕事のコミュニケーションツールのひとつとして使っていただけなんですけど、仕事仲間から「見るだけじゃもったいないからやってみれば?」と勧められて始めました。なので、最初は本当に軽い気持ちから。それで普段食べているごはんを載せているうちに、知り合いから「めっちゃおいしそう」ってコメントをもらうようになって、それがうれしくて、今も続けています。

これまでポストしてきた中で特に評判がよかったのは、「桃の冷製パスタ」。桃の季節になると何度も作る大好きなメニューです。ミニトマト、モッツァレラ、生ハムと具沢山にすれば一品でも大満足。ホワイトバルサミコとオリーブオイルを絡めると味が締まります。いつも作ってるのと同じ食材だけど、組み合わせを変えるだけでいつもと違う料理になったりするものは評判がいいですね。

ariko流!料理の魅力を引き出すコツ

普段は雑誌の仕事をしているため、インスタグラムは「ariko」っていうフリーマガジンを作っているようなイメージでやっています。「作ってみたい」「おいしそう」など、ひとつでも得したなとか面白いなとか見てくださる人たちに思ってもらえたらうれしいですね。

そのために、まずは「おいしそう」と思ってもらうことが大事だなと思って、お皿への盛り付けや写真の見せ方にはこだわっています。例えば

1.余白を意識する 料理と器のバランスはとても大事なので、器のサイズは意識しています。なるべく余白のないお皿を使って、たくさん盛るとおいしそうに見えます。例えば、食パンの場合はディナー皿じゃなくてサラダ皿。17センチくらいのお皿が使いやすいですよ。

2.料理本で勉強する レシピ本を見ると頭に刷り込まれていくので、感覚が備わっていきます。私もこれまでたくさんの料理本を読んできました。おいしそうに見せるスタイリングや、写真の撮り方も本から学ぶことができますよ。

3.写真は光が大事 写真を撮るときは、影が入らないように意識しています。あと、その料理がおいしそうに見えるポイントを探すのも大事です。このポイント探しは、料理本を見ていると感覚的にわかるようになります。

という3つのポイントに注意してみてください。最初は誰かのまねから始めるのも良いと思います。まずは楽しむこと。それができたら、少しずつ自分らしさを出していってみてはいかがでしょうか。

ちなみに、写真の調整はインスタグラムに標準で搭載されている編集機能を使って、明るさ調整程度しかしていません。紹介したポイントをしっかりおさえることが大事だと思います。

arikoさんの新刊著書

arikoのパン』(主婦の友社

(c)キッチンミノル

パン好きの人はもちろん、パンの新たな楽しみ方を探している方にもおすすめの1冊。発売後にすぐに重版され、おうちでパンを食べる時間が楽しくなる!と話題に。朝だけじゃない、昼やおやつ、夜にも活用できるパンレシピが多数掲載されています。

「パンって朝食のイメージが強いけど、私は食材のひとつだと思うんです。夜はおつまみにもなるし、子どものおやつのケーキも作れます。スポンジの代わりに食パンを使えば、スポンジを焼く手間も減りますし、調理も簡単。切ったフルーツを乗せるだけでも立派なケーキが出来上がります。これなら小さなお子さんも一緒に作れますよね」(arikoさん)

そのほか、ホットドッグもお気に入りレシピのひとつ。インスタグラムでの評判もよく、本にも掲載されることに。

「PASCOの超熟ロールとシャウエッセンで作るホットドッグは、炒めたキャベツにお酢を振りかけた自己流の「ザワークラウト風」が味のポイント。小ぶりサイズなので、パクパク気軽に食べられます」(arikoさん)。

こちらの本にはパン以外にもarikoさんおすすめのパン屋さんや、パンに合う器も紹介されています。まだまだ知らなかったパンの魅力に気づける1冊。ぜひお手に取ってみてください。

全国の書店やオンラインストアで好評発売中。>>>購入はこちら

ariko

『CLASSY.』『VERY』『HERS』など表紙やファッション、食関係等の企画を担当する編集ライター。日々ポストされているインスタグラムが、おいしそうでおしゃれと大人気となり、現在フォロワー数が14.1万人を越える。近著に「arikoの食卓 - 小腹がすいたら -」(ワニブックス)がある。
Instagram:@ariko418

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