【工藤詩織の「お豆腐」進化論 Vol.30】ヘルシー、節約……でも、それだけじゃない! 身近な食材「お豆腐」の魅力はまだまだあるんです。この連載では、豆腐マイスター・工藤詩織さんに、お豆腐をもっとおいしく楽しむための知られざるノウハウを伝授してもらいます。「そうだったんだ!」と思わず納得の意外な活用法を知れば、きっと試してみたくなるはず。 あなたの食卓のお豆腐が“進化”すること間違いなしですよ!
皆さんは「水晶鶏」という料理はご存知でしょうか? 主に中華料理における鶏肉の調理方法で、鶏肉の表面に片栗粉をまぶして茹でてから冷水に移すと、片栗粉の衣が透明になり、表面のキラキラとした光沢が“水晶”を連想させる一皿です。見た目に加えて、つるんとした喉越しが食欲をそそります。
今回、ご紹介するのは、この「水晶鶏」のお豆腐版とも言える、「水晶豆腐」。おなじみの料理に例えるならば、冷製の揚げ出し豆腐です。以前、親しい友人が振舞ってくれたことをきっかけに知りました。初めて食べた時の衝撃たるや! 揚げていないのに衣をまとっていて、冷たくて、つるつるとしている……まさに新食感でした。そうめんや冷やし中華など、炭水化物に偏りがちな休日ランチにたんぱく質をプラスしたい時の副菜としてもちょうど良く、おつまみにもなります。まさにこれからの季節にぴったりな「水晶豆腐」の作り方をお伝えします。
材料は、木綿豆腐と片栗粉、お豆腐を茹でるお湯と冷ます氷水です。片手鍋でお湯を沸かしている間に、キッチンペーパーで水気を切った木綿豆腐を3〜4cm角のさいの目に切ります。
次に、片栗粉を均一に広げたバッドにお豆腐を転がし、全面に薄く片栗粉をまとわせます。決して難しい工程ではありませんが、粉が均一に行き渡るよう意識して、軽く指でならします。
粉をまぶしたらお豆腐から水分が出てこないうちに沸騰したお湯で1〜2分茹で、網じゃくしですくいとったら氷水に移し入れて冷やすだけです。この際、お鍋に隙間なくお豆腐を入れてしまうとくっついてしまうこともあるので、2〜3個ずつ茹でると衣が剥がれにくいです。
キラキラと輝く衣をまとった水晶豆腐を器に盛ったら、お好みの薬味や調味料でいただきます。絹豆腐を使う場合は、指で掴める程度の張りが有って崩れにくいものを選び、しっかりめに水気を切ってくださいね。
「水晶豆腐」の透明の衣は、調味料や出汁を吸ってくれるので味染みも良く、出汁醤油、めんつゆ、ポン酢など、お好きな調味料をかけてアレンジが可能です。大根おろしとかいわれにめんつゆで和風に仕上げるのはもちろん、ナンプラーを入れたタレにパクチーをのせてエスニック気分を味わってみたり、オリーブオイルとレモン果汁、塩とあらびき胡椒をかけてトマトを添えてサラダ風にアレンジしたり、ラー油をかけてピリ辛に仕上げたり。その日のメニューに合わせて、「水晶豆腐」の味付けも変えてみてくださいね。水晶鶏と水晶豆腐を同時に作ってボリュームを出せばメインディッシュにも昇格出来そうです!
いかがでしたか? 冷奴ばかりでマンネリしがちな暑い時期に、レパートリーのひとつとして覚えておきたい一品です。ぜひ、作ってみてくださいね。
健康的で経済的、豆腐の魅力はそれだけではない! 年間1000食以上豆腐を食す著者が、豆腐の製法・歴史・文化などさまざまな側面から豆腐の魅力を伝えるとともに、料理家牛尾理恵による、田楽、ゆし豆腐、鹹豆漿(シェントウジャン)、豆腐のガパオ風炒め、麻婆豆腐、ほか102レシピ掲載。豆腐について知りたかったことがすべて知れて、おいしく食べるためのレシピも盛りだくさんな一冊です。
料理家、栄養士。東京農業大学短期大学部卒業後、病院の食事指導、料理制作会社勤務を経て独立。手軽なヘルシーレシピを得意とし、自身も食事管理と筋力トレーニングで日々健康的なからだづくりに臨んでいる。著書多数
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幼少から豆中心の食生活を送り、豆腐がいつも暮らしの中心にある無類の豆腐好き。日本語教師を目指して勉強する過程で、食文化も一緒に伝えたいと「豆腐マイスター」を取得。国内にとどまらず海外でも、手作り豆腐ワークショップや食育イベントを実施して経験を積む。2018年より「往来(おうらい)」をテーマに本格的に活動を開始。豆腐関連のイベント企画・メディア出演などを通して、各地で豆腐文化の啓蒙活動を行っている。「マツコの知らない世界」(TBS系)、「ヒルナンデス」(日本テレビ系)、「ごごナマ」(NHK)等へ出演。
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