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コラム

2年先まで予約が取れない焼肉屋に聞く!「おうち焼肉」が格段においしくなるテクニック

外食ができず、自炊する機会の多い自粛生活。毎回の食事の献立決めや準備はストレスが溜まりますよね。そんな時に準備が楽で手軽にお店気分が楽しめるのが「おうち焼肉」。今回は、2年先まで予約が取れない人気焼肉屋ヒロミヤの石井さんにおうち焼肉をランクアップするコツについて伺いました。

スーパーでおいしい肉を探す裏ワザとは?

――焼肉はお肉も大事ですが、まず自宅で焼肉をする時のおすすめの調理器具について教えてください。

「一番のおすすめは七輪です。七輪で炭を使うと高温で強い火力で焼け、炭から出る赤外線がお肉の旨みを逃さないので肉をおいしく焼くことができるんです。

あとは最近よく見かけるガスのカセットコンロにプレートをのせた焼肉専用グリルもおすすめです煙があまり出ないように作られているのと焼肉屋のようにプレートをみんなで囲みながら焼いて食べられるので楽しいと思います!」

――自宅だと肉が硬く、お店のようなクオリティにならないという悩みも。おうち焼肉におすすめの肉ってありますか?

焼肉のおいしさに一番影響するのが肉ですよね。特におすすめな肉が上品な味わいが楽しめる和牛のメスです。当店で扱っている肉も同様に和牛のメスです。今までのおうち焼肉が確実にランクアップするので、ぜひ一度試してもらえたらと思います」

――意識して和牛のメスを買ったことはなかったです。一般家庭の場合、おいしい肉はどこで買うのがいいのでしょうか?

「身近なお店でもおいしい肉を買うことはできますよ! 精肉店は肉の種類が豊富ですが、近くになければスーパーでもおいしい肉を購入することは可能です。スーパーで買い物する時の裏ワザとしてチェックすべきなのが、パッケージに書いてある個体識別番号

スマホで「個体識別番号」で検索すると出てくる「家畜改良センター」のサイトに、10桁の番号を入力すると牛の種類、性別が出てくるので、和牛のメスなど自分の好みの肉を選んで買うことができますよ。

あとは、事前に肉の情報がわかるお取り寄せなどを活用するのも手軽でおすすめです」

硬いお肉こそ「切り込み」を入れて柔らかく!

――もし安い肉でも下ごしらえでおいしくなるテクニックがあれば教えてください!

「うちのお店では肉を柔らかくするために、一部の肉に表面に切り込みを入れています。繊維を断ち切るように、肉の繊維に対して垂直になるよう一方向に包丁を入れます。

ホルモンは細かく包丁を入れて食べやすくすることで柔らかく味わえますよ」

――では、肉がよりおいしくなる食べ方のコツなどはありますか?

「肉を焼く順番を塩、しょうゆたれ、みそだれなどと、薄い味付けから濃い味付けへ焼いて食べると、肉の味や旨みを感じやすくおいしく味わえます」

肉を引き立てる「たれ」のチカラ

――肉と同様に焼肉の味を左右するのがたれ。お店ではどのようなたれを使われていますか?

「企業秘密でもあるので詳しくはお伝えできないのですが、当店では肉質に合わせて5種類のたれを使い分けています。

焼く前に肉につけるもみだれは肉を柔らかくする効果のあるリンゴをすりおろして加えた醤油ベースのたれ。焼いた肉につけて味わうつけだれは、当店ではすだちなどの隠し味を入れてさっぱり味わえる工夫をしていますよ。

他には、塩こしょうにニンニク、鰹粉末、ごま油などでつくった塩だれが2種類と生ニンニクを数日間漬け込んで作ったニンニク醤油だれ、ホルモン系などには味が濃いめのみそだれ、トッピングにはもみじおろし、柚子胡椒、生姜風味のみそなどをつけて味変すれば、味にバリエーションが出て飽きずに食べられるのでおすすめです」

――自宅だと味付けに飽きてしまうので、味変はいいですね! もし部位別でおすすめの味付けや食べ方があれば教えてください!

「タンは塩こしょうとごま油でもみ込んだ後にシンプルにレモンをかけて食べるといいと思います。

リブロース、カルビなどサシの多い肉は先ほどのもみだれで和えてから焼き、溶いた生卵と一緒にすき焼き風にするのがおすすめです。

価格が安く、手に入りやすいバラ肉。シンプルに焼くのもいいですが、当店では焼きあがったバラ肉に生ピーマンを合わせて召し上がって頂いてます。お家であればサンチュなどと合わせてもいいですね。また、生姜と一緒に食べると相性良くさっぱり食べられます。

ミノやナンコツなどのホルモンは、すりおろしニンニクと塩とこしょう、ごま油の塩だれを作り、焼く直前に和えて焼けばさっぱり味わえますよ!」

――自宅でこれだけのバリエーションを楽しめたらお店気分が味わえますね。今回はお店のおいしさを体験できる様々なテクニックを教えていただき、ありがとうございました。

「当店は店舗が狭いこともあり予約が取りにくく、お客様からの要望で肉だけ売って欲しいと通信販売をしていたのですが、コロナ禍になって通信販売の売り上げが爆発的に伸びました。外食がしにくい今だからこそ、通信販売を活用したり、おいしい食材を見極め、調理のコツを活かしてお店のようなおいしい焼肉を味わってもらえたらと思います。通販では厳選したお肉に自家製だれを付けていますよ!」

(TEXT:小菅祥江)

取材協力:焼肉ヒロミヤ

東京都新宿区にある「2年先まで予約がとれない焼肉屋」として有名な焼肉屋。料理はコース一種類のみ、ドリンクはセルフサービスと、人件費や余計なサービスコストを省くことで、最大限に追究した上質なお肉をリーズナブルな価格で提供しております。
>>ヒロミヤ公式HP
>>オンラインショップ

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