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コラム

【シャキシャキ保存法も】八百屋さんが教える!あったかおいしい「小松菜あんかけうどん」

【八百屋さんの旬ごはん Vol.9】無人青果店・コミュニティースペース・居酒屋がひとつになった「イエローページセタガヤwithプラスヤオヤ」を運営する尾辻あやのさんが、今おいしい旬の野菜と、おすすめの食べ方をご紹介します。

もともと小松菜は東京の特産品!

小松菜は青梗菜やタアサイと同じアブラナ科で、もともとは東京都小松川地区の特産品でしたが、現在では関東を中心に広く栽培されています。小松菜の原種にあたるものは、北欧のスカンジナビア地方で発見されており、中国を経て鎌倉時代に日本に伝わり、八代将軍徳川吉宗が名付け親だと言われています。吉宗が鷹狩りの際に小松川村で休息し、小松菜のすまし汁を食したところ大変気に入り「小松菜」と名付けたそうです。

ハードルは低い!?小松菜の栽培

今回も山梨県北杜市の農園、伊藤農園さんに小松菜について教えていただきました。小松菜は「とにかく手がかからない」野菜なのだそう。小松菜の発芽温度は5度〜30度と幅広く、冷寒地以外はほぼ一年中栽培することができるからです。また寒さに耐性があるため、サニーレタスなど葉が薄い野菜に比べて、天候の影響を受けづらい野菜でもあります。確かに、小松菜がなくなることってないですよね。また、早い時で種まきから1ヶ月、と収穫までの周期が短いため、農家さんにとっても挑戦しやすいお野菜の一つだそうです。

こちらは伊藤農園さんの12月の小松菜。薄らと霜が降りていますが、葉っぱたちは元気です。

どんどんできちゃうのが悩み?

そう聞くと簡単そうに聞こえる小松菜の栽培ですが、その成長の早さゆえに難しい部分もあるんだとか。確かに、小松菜の収穫が間に合わない! といろんな農家さんからよく伺います。小松菜は伸びすぎて大きくなると、硬くなると言われているため、程よい育ち具合の時に収穫してしまわなくてはなりません。葉物野菜ですので収穫してしまうと、じゃがいもなどの根菜のように日持ちはしません。そのため、長期間小松菜を収穫できるようにするためには、出荷量に合わせて種まきのタイミングを上手にコントロールしなくてはならないそうです。そこに天候の問題も絡んでくるのですから、手がかからない野菜とはいえ、経験がモノを言う世界なのですね。

小松菜の保存方法

生のままなら、キッチンペーパーで包んで乾燥しないようにし、冷蔵で4〜5日くらいは持ちます。また小松菜はアクが少ないので、生のまま冷凍もおすすめです。洗って水気をとり、冷凍用保存袋で冷凍してください。炒め物やお味噌汁なら解凍せずにそのまま使えます。冷蔵庫で自然解凍すれば、茹でずともしんなりするのでそのままナムルやお浸しにも使えます。

茹でて使う際は、できれば茹で上がりを氷水で冷やすのがおいしく茹でるコツ。お湯からあげた後も、余熱でどんどん火が入ってしまうため、氷水がなくしっかり冷やせない場合は、少し早めにお湯からあげるのがおすすめ。上手に茹でることで、小松菜のシャキシャキとした食感を楽しめます

小松菜で簡単あんかけうどん

お浸しやお味噌汁、他のお料理に添えて使うことが多い小松菜ですが、今回のレシピは小松菜が主役。さっとできる「小松菜あんかけうどん」です。

材料(2人前)

小松菜…4〜5房
ひき肉…200g
うどん…2玉
水…300ml
顆粒かつお出汁…小さじ3
三温糖…小さじ3
醤油…30ml
片栗粉…適量
塩胡椒…適量

.小松菜を洗って水を切り、1cmの幅に刻む。この時、茎と葉を分けておく。

.フライパンに油を引き(分量外)ひき肉を炒める。

.鍋にうどん用のお湯を沸かし、うどんを茹でる。

.ひき肉の色が変わるくらいまで炒めたら、小松菜の茎の方を足して炒める。

.水と顆粒出汁、醤油、砂糖、塩胡椒を足して味を調える。

.葉の部分もフライパンに足す。小松菜の食感を残すため、少ししんなりするくらいまでにし、煮すぎないようにする。

.水溶き片栗粉を入れてとろみをつける。

.茹で上がったうどんに餡をかけて完成。

いかがでしたでしょうか。寒くて暖まりたい日には、生姜をいれるのもおすすめです。

夏はスムージーやおひたし、冬は常備菜からお鍋にも使える万能野菜の小松菜。季節のレシピを楽しんでみてくださいね。

+808(プラスヤオヤ)

プラスヤオヤは、農業繁盛・地域円満をモットーに、農家さんと食べる人をちゃんとつなげる新しい八百屋を展開するプロジェクトです。2020年9月より、プロジェクトの第一歩として、私、尾辻あやのと、料理人の夫と世田谷にて始めたお店「イエローページセタガヤ」にて昼間は有機野菜の八百屋とコミュニティスペース、夜は居酒屋を運営しています。

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