春野菜がおいしい季節がやってきました!今回は、たくさんある春野菜の中でも特に人気が高い「春キャベツ」に着目。みなさんは春キャベツを買うとき、どのように選んでいますか?旬の味覚をよりおいしくいただくためには、まず選び方が大事!ということで、昨年『野菜がおいしくなるクイズ』という本も出版した野菜ソムリエプロの中学生・緒方湊くんに、春キャベツの選び方やおすすめの春野菜について聞いてみました。
春キャベツを選ぶとき、まずは「重さ」に注目してみてください。冬キャベツはずっしり詰まっていて重い方がいいといわれていますが、春キャベツはその逆。軽くて葉がふんわりしているものを選ぶとおいしいですよ。そのほうが甘みが強く、春キャベツの特徴であるシャキシャキ感も味わえます。
そのほかに見るべき場所は「芯」です。キャベツを丸ごと1玉買うときは、500円玉くらいの芯の大きさがちょうどいいですよ。カットキャベツの場合は芯の高さが真ん中より少し低いくらいのものを選びましょう。
冬に穫るから冬キャベツ、春に穫るから春キャベツと思っている人がいますが、実はそうじゃないんです。冬キャベツと春キャベツはそもそも品種が違います。
しかも、春キャベツも1種類ではなくたくさんの種類があるんですよ。その中でも僕のイチオシは「みさきキャベツ」という“たけのこみたいな形をしたキャベツ”です。すごくシャキシャキしていて、甘みがあっておいしいんです。まさにこれから3月〜4月にかけてスーパーなどに出回るので、見かけたらぜひ手にとってみてください。
スーパーで外葉をはずして買う人を見かけることがありますが、外葉はなるべくつけたまま持って帰りましょう。外葉があると、水分の蒸発を防げるので、より長くみずみずしさを保つことができます。外葉は焼きそばや回鍋肉などの高温で炒める料理に使えますし、外葉の硬さや苦味を生かした料理もあるので、持って帰ったほうがお得ですよ。
春キャベツは少し火を通してシャキシャキとした食感を味わいたいので、僕はもやしと豚バラ肉と一緒に蒸し煮にして食べます。豚の脂の甘さとキャベツのシャキシャキとした食感と甘さが最高です。
僕の家ではキャベツの芯の部分も千切りにして「きんぴら」にして食べています。一品足りないときに使えますし、無駄がなくSDGsにもつながるのでおすすめです。
キャベツを保存するときは、芯のところにつまようじを3本刺すと長持ちするといわれています。それはなぜかというと、キャベツの芯に成長点があって、そこを破壊することでそれ以上成長することがなくなり、養分も使われなくなるので、そのままの状態で保存するよりも日持ちするんです。芯の部分をくりぬいて濡らしたキッチンペーパーを詰めておくのもいいですよ。濡らしておくことで葉のみずみずしさを保つことができます。
これからの時期にぜひ食べてほしいのは、白菜のなばな。白菜の収穫の適時を迎えても収穫しないで放っておくと、中から「とう」(花を咲かせる茎)が出てきて、子孫を残すために花が咲くんですけど、その花が咲く一歩手前の菜花を収穫して食べるとすごく甘くておいしいんです。菜花の苦みもないので、見かけたら絶対に買うべきです。ぜひおひたしにして食べてみてください。
僕は昔から食べることが好きで、中でも野菜や魚が特に好きでした。今でも覚えているのは、小学校1年生の冬休みに千葉の木更津に野菜の収穫体験に行って、そこで収穫したダンボール5箱くらいの野菜を家でずらーっと並べたこと。そのころからもう野菜に興味を持っていたのかもしれません。
野菜って調べれば調べるほどおもしろくて、役に立つことがいっぱいあるんですよ。野菜それぞれに特徴があって、季節によっても味わいが違いますし、選び方ひとつで料理のおいしさも変わってきます。それに野菜ってこれからも絶対になくならないものだと思うんです。食べることは生きていくうえですごく大切なことだから、きっと飽きることはないでしょうし、これからもどんどん野菜の魅力を皆さんにお届けできたらいいなと思っています。
\まいにちのお買い物が、宝探しみたいに楽しくなります!/
いつも使っている身近な野菜の選び方・食べ方・保存法など、すぐに役立つワザを最年少野菜ソムリエプロ・緒方湊くんがクイズ形式で解説してくれる一冊です。
クイズにこたえながら、野菜のおいしい食べ方を身につければ、自然と料理も上手になってしまいますよ。ぜひお手元に一冊どうぞ。
最年少野菜ソムリエプロ。
幼少期から野菜や果物が大好きで、8歳で「野菜ソムリエ」、10歳で「野菜ソムリエプロ」に合格。多くのメディアでも紹介され、「天才野菜博士ちゃん」としてテレビ出演も多数。
自宅の菜園で日本各地の「伝統野菜」を栽培をしつつ、イベントや講演を通して野菜の魅力を発信中。
ウェブサイト:みなとの野菜大辞典