SNS総フォロワー140万人を突破する人気インフルエンサーの「まるみキッチン」さん。身近にある食材や調味料を使い、料理が苦手な人でもチャレンジしやすい簡単・時短レシピを発信しています。2022年11月に書籍『やる気1%ごはん テキトーでも美味しくつくれる悶絶レシピ500』を発売すると即重版がかかるほどの注目ぶり。今回は、そんなまるみキッチンさんに「やる気1%」の日のご飯づくりについて聞いてみました。
もともと、ダイエットを目的に自宅での調理を始めました。その時、ほぼ毎日何時間もかけてサラダチキンを低温調理でつくっていました。なんとか手間を省いて時短できないかと考えた時に、電子レンジでも鶏胸肉が美味しく調理できることを知りました。
前まで何時間もかけていたのが6分ほどに短縮!「他の気になるレシピも簡単にできないかな」という視点で開発してきたのが僕の考案する「やる気1%ごはん」です。
「やる気1%」でも、美味しくご飯が食べたいという想いは変わりませんよね。そんな時に重宝するのは、焼肉のタレやめんつゆなど「さしすせそ」がベースに作られた各種調味料です。
例えば焼肉のタレには、多くの場合おろしニンニク、コチュジャン、ごま油などが含まれており、それらを一から混ぜて作っていく手間が省けるんです。味が最初から完成しているので、難しいことを考えずとも美味しい料理が完成します。
このように、調味料やドレッシングは原材料を考えながら買い物することが多いですね。甘い系でいうと、バニラアイスも便利です。卵や牛乳、砂糖が入っているので3つの材料がこれだけで賄える。だからこれがカップケーキなどスイーツ作りの時短アイテムだったりするわけです。
例えば、僕は「ユッケ風」の味付けが好きです。だから、その味付けをお刺身でやってみたり、次は味玉でやってみたり…というように、自分のお気に入りの味付けや調味料の組み合わせを色々な食材や調理法で組み合わせていきます。
すると、無限にレシピが開発できてしまうんです。「オリジナルのレシピ」って難しいようで意外と簡単だったりするんですよね。めんつゆとバターとか、「これらを合わせれば間違いない」という自分の中の定番を持っておくと便利ですよ。
僕のおすすめの組み合わせは、砂糖と醤油と酒です。定番なのですが、これにちょい足しすれば味の幅が広がります。料理の種類にはよりますが、それら1:1:1に対し、マヨネーズを3分の1くらい足せばチャーシュー系の味が出来上がります。
豚バラかたまり肉…300g
半熟ゆで卵…2個
マヨネーズ…大さじ1
おろしにんにく…小さじ1
醤油…大さじ3
酒…大さじ3
砂糖…大さじ3
※調理コースの搭載されている炊飯器をお使いください
このレシピは、僕の開発したレシピの中でも一番と言って良いほど、大きな反響があったものです。チャーシューを自宅で作るとなると、何時間もコトコト鍋で火を通したり、かなり手が掛かるイメージだと思いますが、このレシピでは、調味料と豚バラのかたまり肉さえ準備すればあとは炊飯器のスイッチを押すだけ。とても簡単かつ、美味しいと言っていただきます。
やる気が「1%」しか出ない時は、とにかく長時間キッチンに立つのが辛いもの。できるだけ簡単、手軽にササっと、でも美味しい物が食べたいですよね。それを叶える「時短のコツ」をご紹介します。
煮込み料理や蒸し料理は、電子レンジで代用できることが多いです。疲れていて包丁すら握りたくない日もありますよね。そういう日には、カット野菜に頼るのも一つです。それにモモ肉とカレールーを加え、レンジでチンすれば本格的でとろとろのカレーの出来上がり。 仕込みに気合いが要るのがカレーですが、2〜3人前程度の少ない容量から作れるので一人暮らしの人にも活用できる技だと思います。電子レンジでも手作りの味を簡単に再現できるおすすめの方法ですよ。
もちろん油をたくさん使った揚げ物は美味しいです。でも「やる気1%」の時の揚げ物のハードルは高いですよね。そこでおすすめなのは、薄めの油を使ってフライパンで揚げ焼きする方法です。表面に油の代わりをしてくれるマヨネーズなどの油分を加えれば、さらにサクサクに仕上がります。 また、トースターで揚げ焼きするのもおすすめです。中まで火が通っているかは要注意ですが、「揚げ風」のパリッとした食感に仕上がりますよ。
「やる気1%」の時、調理後の後片付けも面倒ですよね。洗い物を調理プロセスでいかに減らせるかというところも大事だと思います。洗い物を減らすのに有効なのは、小さいサイズのポリ袋です。複数の材料を和えたり、混ぜたりする時、ビニール袋の中に全部入れてしまえば洗い物も増えないし、手も汚れません。
例えば塩からあげをつくりたい時、鶏モモ肉をビニール袋入れ、鶏ガラの素、小麦粉、片栗粉など必要な調味料を全部ビニール袋にまとめちゃうんです。材料の入った袋を振れば、漬け込みから衣付けまでの工程が完結できます。あとは、表面がカリッとするように油で揚げ焼きすれば、洗い物はフライパンだけで済みます。特に揚げ物だと油の後処理も大変なので、少量の油を使用してキッチンペーパーで片付けられる量にしておくと楽々です。
あと、僕がよくやるのはフライパン一つで材料を混ぜるところから調理まで全部やってしまう「ワンパンレシピ」です。「ワンパン豆腐つくねハンバーグ」は、フライパンの上に鶏ひき肉、絹ごし豆腐のほか、片栗粉やおろし生姜を全部混ぜて、そのまま火を通して一つの巨大ハンバーグを作ります。そうすると、手捏ねする際のボウルは不要ですし、ひき肉の油汚れで面倒な洗い物も無くなるという、究極のズボラ料理です!そういう意味では、テフロン加工されたフライパンが一つあると「やる気1%」の日のお料理には便利ですね。
食パン(4枚切り)…1枚
卵…1個
バター…10g
牛乳…大さじ4
砂糖…大さじ2
フレンチトーストは、卵液に食パンを何時間も浸したり、途中で上下をひっくり返したりしなければならず、休日で身も心もゆとりのある日しか食べられないイメージがありますよね。でも、このレシピでは、「食べたい」と思った時すぐに食べられます。漬け込むところからフライパンの上で行い、そのまま焼き上げて完成!忙しい朝でもパパッとできて、実際につくっていただいた方からも「これは良い!」とお声かけいただきます。
日々料理を頑張っているすべての皆さんに拍手を送りたいです。やっぱり毎日の料理ってすごく大変です。それでも自分のために、家族のために頑張っている自分をまず褒めてあげてください。
もちろん、料理のモチベーションが高い日に、手の込んだ料理をじっくり作るのは素敵なことだと思います。でもやっぱり皆人間です。どうしてもやる気が出ない日ももちろんあります。そんな日には、「やる気1%」でもできて、美味しく食べられるレシピを活用してもらうのも良いと思います。
料理は、一生付き合っていかなければならないこと。だからこそ、お料理とは程よい距離感を保ちながら、たまには肩の荷を下ろして向き合っていくのが大事だと思いますね。
(TEXT:yuuka)
「誰でも簡単につくれる」をモットーにした料理をSNSに投稿する料理家。身近な材料で手間を省いた、アイデアに富む実用的レシピは若い世代からファミリー層まで支持されている。