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コラム

四角い厚焼き玉子を丸いフライパンでつくれるか試してみた

料理をしていて感じるふとした疑問に、クックパッドスタッフが実際にやってみるシリーズ。あくまでスタッフの主観のもと、いろんな気になることにチャレンジしていきます。

こんにちは。たべドリのかなです。

わたしの実家のたまご焼きと呼ばれていた料理は、丸いフライパンに溶き卵を広げて焼いただけのくるっと巻かれていないペラペラのたまご焼きでした。

大きくなって「たまご焼き器」という名の四角いフライパン(?)の存在を知り、たまご焼きだけのために存在するなんて、なんて贅沢な調理器具なんだ…!と驚いたのを覚えています。

母の名誉のためにつけくわえると、遠足などのお弁当には四角い厚焼き玉子が入っていたような気もするので、きっと台所の棚の奥深くにたまご焼き器は存在していて、ここぞというときにだけ出てきたのであろうことは推測できます。

そう考えると、おそらく母は毎日の朝ごはんで厚焼き玉子を巻くことがただただ面倒だったのでしょう…

時折ふっくらした厚焼き玉子が食べたいな〜と、思うんですが、たまご焼き器持ってないんですよね(汗) でも、たまご焼きのためだけのフライパンなんて買いたくないなあ、と思ってしまう貧乏性の私。

そこで今回は、家にある丸いフライパンでも作れないか、試してみたいと思います!

試すこと

今回は、丸いフライパンを使ってクルッと巻いた四角い厚焼き玉子にチャレンジします。比較として四角いたまご焼き器でもつくってみたいと思います。

溶き卵を準備する

今回は卵2個をつかってシンプルな塩味で焼いてみたいと思います。

厚焼き玉子をつくる

まずは四角いたまご焼き器で焼く

たまご焼き器をそもそも持っていないので、正直、まったくもって得意ではないたまご焼き調理。
比較対象になるようなきれいな厚焼き玉子がつくれるのか…

菜箸で卵を溶いて、いざ、焼きはじめ!

全体の1/3量くらいの溶き卵を流し入れる。おお、早速大きなふくらみが!
このままだと厚みが均等にならない危機。

菜箸を使って、もぐらたたきのように穴を開け、消し去ってみました。

卵があっという間に固まるので、急いで巻く!
固まりすぎたかもしれない。。。

すぐに固まる卵との戦いに夢中で、2巻き目を写真に収めるのを忘れましたが、これは最期の3巻き目。
溶き卵をいれる配分をミスって、最期巻ききれない危機。

くるっと最期の返しをして、フライパンのヘリにおさえて形を整える。
うん、まあいいんじゃないですか?(なんかボコッとしてるけど)
ひとまず四角い厚焼き玉子、できました!

ぼこっとしているのは、菜箸がうまくつかえず空いた穴と思われる

丸いフライパンで焼く

これ、たぶん26cmの野菜炒めにピッタリサイズのフライパン。
これで四角い厚焼き玉子、いってみます!

さすがに大きい気が...

焼く面が広いので、溶き卵は全部入れてしまいました。
端から巻いていきます。

丸いフライパンでも四角く角を作りたいので、菜箸で上下をちょんちょんおさえつつ巻いていきます。

細い…気がする…全部巻けば四角くなるかな。

巻き終わり。
ん〜四角と言えなくもないけど、なんか違う気が…

圧倒的敗北感…
細長いし、ボコボコだし、四角い厚焼き玉子って自信を持って言えない仕上がり(涙)

敗因を振り返ると、菜箸で大きな丸い玉子を巻いていくことが難しくて、あたふたしているうちにどんどん固まってしまいました。卵ってあっという間に火が通っちゃいますね。

短時間で菜箸は使いこなせそうもないので、先の広いゴムベラをつかって巻けば、もうちょっと四角い厚焼き玉子がつくれるかも?

ヘラを使って焼く

同じように溶き卵を全部いれて、端から巻くというか折っていきます。

菜箸のときに長過ぎるし四角なの?という仕上がりだったので、ゴムベラをつかって3つの端を折りたたんでみました。

四方を折ればおしゃれなガレットみたいですね。

生地が厚いので、くるっと巻くいうよりはパタンパタンと折りたたんで、端をおさえて形を整えます。だいぶ厚焼き玉子感でてるんじゃないでしょうか?

フライパンのヘリが丸いため端が固まってないので、巻き終わり部分をヘラを使ってしっかり接着しておきます。

完成!良い感じなのでは!

完成

どうでしょう?

一番右のたまご焼き器をつかったバージョンの安定した四角いフォルムと比較すると、まだまだ感は否めないですが、丸いフライパンでヘラで作った厚焼き玉子、なかなかいい仕上がりではないでしょうか。

左:ヘラで 中央:菜箸(どちらも丸いフライパン) 右:菜箸でたまご焼き器使用

実食

切って断面をチェック。
白身がちゃんと溶ききれてなかった…

わかりにくくて申し訳ないのですが、丸いフライパンで焼いたものは一度に全部の溶き卵をいれたため、層が少なく薄くなっているのに比べ、四角いたまご焼き器は溶き卵を複数回に分けて巻いてないいるので、厚みのあるふわっとした食感の仕上がりになりました。

まとめ

丸くて大きなフライパンでも、工夫をすれば四角いあの厚焼き玉子(に近いもの)をつくることができ、個人的には超満足の結果でした!
きっと直径の小さい20cmくらいのフライパンを持っていれば、もっときれいな厚焼き玉子がつくれるはず。

いや〜このあとチームのみんなでたまご焼きパーティになりましたが、それなりにつくれるもんですね。

これまでの自分の料理機会をふりかえってみると、おいしそうなレシピをみつけても、ひとつでも持っていない調味料があると、「◯◯がないからできないか…」と、諦めてしまうことが何度もありました。調味料に限らず、食材や今回トライした調理器具も同様です。

しかし、同じ材料を用意してレシピ通りに再現してみようとしても、完璧に同じものを作ることなんて絶対にできないですよね。キッチン環境がそもそも違いますし、食材の産地、お肉の厚さや調味料のメーカー、火加減のコントロール、、、違いを生む要素をあげだしたらきりがありません。

家庭で料理をするうえで、「これがないからつくれない」と思い込んでしまうと、できないことだらけになって料理がすごくハードルの高いものに感じてしまうのではないでしょうか。

あるもので料理を発想する

はじめて知った調味料や新しい調理器具は、日々の料理のわくわく感をあげてくれるエッセンスのひとつです。
新しい道具を買うと、どう使おうか、楽しくなっちゃいますよね。

毎日訪れる料理の機会では、そういうわくわくはそう頻繁にあることではないので、今あるもので料理を発想していくチカラが求められます。

今回は、厚焼き玉子を作るために手元にある調理器具でどうしよう?を試してみましたが、四角いたまご焼き器も役割としては、卵を焼く、というものです。シンプルに焼くということを考えればフライパンで十分。あとは、厚焼き玉子のように巻くにはどうしたらいいかを考えるだけ。

こんな風に「役割」を考えていくと、調味料や食材もあるもので考えていくことができるんです。

例えば、レモン汁がないときに、レモン汁を「酸っぱい調味料」と捉えると、お酢やポン酢はどうか?と考えられます。
シチューを作るときにじゃがいもがなかったら、じゃがいもを「ホクホク野菜」と捉えて、さつまいもやかぼちゃではどうか?里いもは?という感じです。

あんまり難しく考えずに、「あれはないけど、これでつくったらどうだろう?」と試してみると、意外とおいしくて新しい発見ができるとおもいますよ。

ということで、今回は丸いフライパンで四角い厚焼き玉子にチャレンジしてみました。

こんな感じで、料理のモヤッとすることや気になるところをいろいろ試していますので、よかったら他の記事も参考にしてみてくださいね。

それではまた〜!

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