cookpad news
コラム

食べ方は100種類以上!?ダイエッター注目の新食材「豆腐干」。おいしく食べる方法をプロが伝授!

昨年末に発表した「食トレンド大賞2022」で入賞した「豆腐干」。ダイエットを意識している人たちにとって欠かせない「高タンパク」な食材として2022年に注目を集めました。とは言え、まだまだ聞いたことがあるだけで、食べたことがないという方のために、今回は豆腐干のメーカーである優食と豆腐干のレシピを多数開発している料理研究家の市瀬悦子さんに、豆腐干について詳しく聞きました。

ジワジワと注目を集める豆腐干

――豆腐干とは何ですか。

平手さん:豆腐干とは、豆腐に圧力をかけて水分を抜き、軽く乾燥させた食材です。文献によると、中国大陸で8世紀前半の唐代に食べられる様になって以来、今日でも中華圏では伝統的な“家常菜”(ジャーチャンツァイ、一般家庭で普段食べられている家庭料理)の材料として、広く認知・普及しています。中華圏では、和え物、炒め物や巻物の皮などに幅広く利用され、現在100種類以上の食べ方があると言われています。

――豆腐干が注目されるようになったきっかけを教えてください。

平手さん:弊社の市販用『豆腐干』が日本で発売になったのは2020年4月です。同時期に、料理研究家の市瀬悦子さんの書籍『糖質オフなのに本当においしいラーメンダイエット』(主婦の友社)で、一般的な麺に比べ、低糖質、高たんぱく質な“代替麺”として豆腐干が紹介されました。また、市瀬さん監修のレシピを弊社のSNSで発信しはじめたところ、認知が少しずつ広がっていったように感じます。

なぜ豆腐干はダイエットに向いているの?

――豆腐干に注目している方たちはどんな人だと思いますか?

平手さん:やはり、ダイエットしている方やボディメイクを心掛けている方に注目していただいていると思います。しかし最近では、食生活を通じて自分のライフスタイルを大切にされている方にも広がってきているように感じています。

――ダイエットを意識した人たちに豆腐干がおすすめの理由を教えてください。

優れた栄養成分

アレンジのしやすさ

噛み応え・食べ応えの良さ

平手さん:この3つが挙げられると思います。豆腐干は、100gあたり低糖質(1.8g)高たんぱく質(23.0g)です。そもそもが“豆腐”なので、くせの少ない味でいろいろなアレンジを楽しむことができます。お好みの調理・味付けができるので、飽きずに食べ続けることができるのもうれしいポイントではないでしょうか。独特のしっかりとした噛み応えは、満腹中枢を刺激し、食べすぎを抑える効果もあるので、ダイエットを意識した方には最適の食材です。

和えるだけ!豆腐干の絶品レシピ

――豆腐干のレシピを数多く開発している市瀬さんに質問です。豆腐干を調理するときのポイントを教えてください。

市瀬さん:冷凍食品なので、解凍してから下茹でしてから調理をします。麺代わりとして使用するときは、塩を入れた熱湯で茹でると、パスタと同様に豆腐干自体に味がしっかりとつくので味がぼやけずにおいしく食べられます。豆腐干自体は麺などのように伸びないので、鍋などに入れて長く煮込んでもおいしく食べられます。

――豆腐干初心者の方が、最初に作りやすいレシピを教えてください。

市瀬さん:「豆腐干とパクチーの定番中華和え」です。お店の前菜で出てくるような和え物がおうちで作れます。和えるだけの簡単調理で本格的な味が楽しめますので、豆腐干を使った料理に挑戦したいという方にはぜひ試していただきたい1品です。

豆腐干とパクチーの定番中華和え

材料(2人前)

豆腐干(細切り/短タイプ・自然解凍したもの)…100g
パクチー…大1株(20g)
長ねぎ(せん切り)…5cm分
A 
にんにく(すりおろし)…小さじ1/8
ごま油…大さじ1と1/2
水…大さじ1
花椒(粉末)、鶏ガラスープの素(顆粒)…各小さじ1/2
塩…小さじ1/8
こしょう…少々

作り方

1.鍋に湯をたっぷり沸かして豆腐干を入れ、5分ほどゆでて水気をきる。流水をかけながら粗熱を取り、ボウルに入れて水を3回ほど替えながらもみ洗いする。手でぎゅっと押さえつけるようにし、水気をしっかりきる。

2.パクチーは2cm幅に切る。

3.ボウルにAを入れ、混ぜ合わせる。①を加えてなじむまで和え、②、長ねぎを加えてさらになじむまで和える。

――これから豆腐干はどのように広がりを見せていくと予想していますか?

日本人は、アレンジするのが得意ですので、さまざまな食べ方・楽しみ方が消費者の皆さまから逆提案されていくのでは?と期待しています。日本には地方ごとの豊かで多様な食文化があります。それらとの融合などもおもしろいと思います。

また、昨今健康づくりのキーワードとして「たんぱく質」が注目を集めていますので、病院や老健施設での採用のみならず、「フレイル(※)」の予防食材としても広がっていくポテンシャルがあると考えています。より菜食文化が一般的な欧米等におけるエシカルなたんぱく質源の一つとして、海外における需要の高まりも視野に入れています。

※Frailty (虚弱)の日本語訳。加齢に伴い、筋力や認知機能、社会性など「心身の活力」が低下した状態のことを指す。「健康な状態と日常生活でサポートが必要な介護状態の中間」を意味する。
参考:https://www.tyojyu.or.jp/net/byouki/frailty/about.html

メーカーおすすめの超簡単レシピも

――メーカーの方が、日常的に召し上がっている、「豆腐干をおいしく食べるおすすめのレシピ」を教えてください。

個人的によく食べているのは、「納豆たまごかけ豆腐干」です。とても簡単なので、ぜひ試してみてください。

作り方(というほどでもないですが……)

1.下処理した『豆腐干』1袋(100g)を丼によそう。
2.納豆1パックを付属のタレと一緒に入れ、生卵を割り入れる。
3.ひたすら混ぜる。
4.めんつゆで味を調え、きざみ海苔をふる。

普段冷蔵庫にあるもので、短時間で簡単においしい1品が完成します。たんぱく質が多く摂れるので、トレーニングの後などにもおすすめです。

(TEXT:上原かほり)

市瀬悦子さん

料理研究家/フードコーディネーター。大学卒業後、食品メーカーの営業から、料理の世界へ。多くの料理研究家のアシスタントを経て独立。『おいしくて、作りやすい家庭料理』をテーマに、書籍、雑誌、イベント、メーカーのメニュー開発のほか、NHKEテレ「きょうの料理」、NHK「あさイチ」などテレビにも出演中。近著に「食材2つで大満足弁当」(主婦の友社)「伝統食材干豆腐レシピで糖質オフなのに本当においしいラーメンダイエット」(主婦の友社)「ボウルで仕上げるおいしいレシピ」(学研プラス)「がんばらない作りおき200 」 (主婦と生活社)「家呑みサイコーつまみ」(学研プラス)など多数。

優食

『ひとに、地球に、やさしい食を。』をコンセプトに、加工食品の開発・販売を手掛ける食品メーカー。豆腐干の冷凍販売を中心に、幅広く豆腐干が認知されるように、自社HPではさまざまなレシピを展開中。

編集部おすすめ
クックパッドの本