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インタビュー

“高血圧”になりやすい人とは?改善すべき悪習慣と「下げるための食生活」について医師に聞きました

高血圧になると、体調不良はもちろんのこと、さまざまな病気を引き起こしてしまう危険性があります。年齢を重ねるに連れて、どうしても血圧は上がりやすくなるので、日頃から意識して気をつけておく必要があるでしょう。また、高血圧を予防・改善するための食生活を知っておくことも大切です。そこで今回は、なかざわ腎泌尿器科クリニック院長の中澤佑介先生に、高血圧になる原因や下げてくれる食材などについて聞きました。

「高血圧」になりやすい原因は…

――そもそも「高血圧」とはどういう症状なのですか?

血圧とは、血液が動脈を流れるときに血管内測にかかる圧力のこと。心臓が収縮して血液を送り出したときの圧力が「収縮期血圧」で、心臓が拡張したときの圧力が「拡張期血圧」と定義されています。「血圧=心拍出量×末梢血管抵抗」で規定されるとされています。

――高血圧と判断される血圧の数値は?

収縮期血圧が140㎜Hg以上、拡張期血圧が90㎜Hg以上のとき、高血圧と診断されます。

――高血圧になりやすいのはどういった人なのでしょうか?

高血圧症の約90%が本態性高血圧症と言われています。その原因としては、過剰な塩分摂取、過剰飲酒、肥満、精神的ストレス、運動不足、野菜や果物(ミネラルやカリウム)不足、自律神経の調節異常、喫煙などがあります。また、動脈硬化が高血圧の発症により進展すると、血管の弾力性が低下して末梢血管抵抗が上昇し、高血圧も進展していきます。

“減塩”と“カリウム摂取”で改善する

――高血圧を改善するためには、どのような食生活を心がけたほうがいいのですか?

従来、高血圧の原因は食塩の過剰摂取とされ、高血圧の治療においては減塩が重要とされ、日本高血圧学会は1日の食塩摂取量は6g未満を推奨しています。また、腎臓の機能が正常であれば、カリウム(野菜や果物に含まれている)の摂取も推奨されています。

――やはり塩分を控えることが大事なのですね。

最近の知見として、「食塩感受性高血圧」と「食塩非感受性高血圧」の概念が提唱され、食塩感受性高血圧は「ナトリウム再吸収」、食塩非感受性高血圧は「血管収縮」と主要因が異なると考えられています。ただ、どちらの高血圧の患者に関しても、正常血圧者よりは食塩感受性は高く、減塩により特定の降圧薬の効果が増強されるので、減塩は治療において必要と考えられています。

――減塩はほかにも効果がありますか?

私の大学院の基礎研究で、食塩感受性高血圧ラットにおいて高食塩食は高血圧の発症だけではなく尿路結石形成も促進し、減塩により高血圧の発症だけでなく尿路結石形成も抑制するという結果が出ました。

――高血圧になることで考えられる健康への影響を教えてください。

高血圧は自覚症状が少なく、放置されることも多いです。その結果、高血圧が原因で全身の血管がダメージを受け、心臓や腎臓、脳、血管などにさまざまな合併症を引き起こします。福岡県の久山町で行われた疫学研究によると、脳卒中の最大の危険因子は高血圧とされています。

――血圧は毎日計ったほうがいいですか?

病院では家庭での全ての状況がわかるわけではないので、家庭で血圧を測定することは大切です。特に、朝きちんと測って、そのデータを持って病院に行くといいです。病院だと白衣高血圧などの原因によって、実際の血圧より高くなることもあるためです。また、血圧は家庭内や仕事などのさまざまなストレスで変化するため、持続して高い場合は治療が必要になることがあります。ストレスの軽減や食生活の是正をして、それでも下がらない場合も薬の服用が必要になると考えます。

(TEXT:山田周平、メイン画像:Adobe Stock

中澤佑介先生

なかざわ腎泌尿器科クリニックの院長で、泌尿器科専門医、身体障害者福祉法指定医、難病指定医。日本泌尿器科学会、日本尿路結石症学会、日本排尿機能学会、日本癌治療学会などに所属。2012年金沢医科大学医学部卒業。金沢医科大学泌尿器科学の助教を経て、2019年に博士課程を修了。2021年よりなかざわ腎泌尿器科クリニックの院長として、男性だけではなく女性でも安心して受診できるような細やかで患者さんに寄り添う医療を提供している。

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