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コラム

10人に1人は"歯が足りない"!歯や口のトラブルを避ける「7種類の食材」を知ってる?

細川モモ

ラブテリ トーキョー&ニューヨーク代表理事

【"成功する子"の食事術vol.13】子どもの成長に食事が大切ってことは分かっているけれど、どんなものを作ればいいの?毎日のことだから、悩んでいる親御さんも多いはず。シリーズ累計14万部突破「成功する子は食べ物が9割」の著者・細川モモさんに、20年後に後悔しない子どもの食事術を教えてもらいましょう。

歯並びや虫歯を予防するために知っておきたいこと

乳歯は全部で20本、永久歯に生え変わると親知らずを除いて28本になりますが、近年生まれつき永久歯の数が足りない「先天性欠如」の子どもが増えているといわれています。その数なんと10人に1人!放置すると歯並びが崩れる原因に。また、歯のエナメル質が欠けて虫歯になりやすくなったり、黄ばんだりする「エナメル質形成不全」も同様の数いるという報告があります。

強い歯をつくる栄養素はカルシウムやビタミンDで、骨を作る栄養成分と同じです。そのため、骨粗しょう症患者は歯の残数が少ない(※1)ことや、骨に含まるミネラルが多い人と少ない人では、歯を失う速度に違いがあり、歯周病と骨密度にも高い関連があることがわかっています。(※2)

「噛む=脳への刺激」よく噛むことで子どもの脳と体が発達する!

子どもの歯の健康は「虫歯ゼロを目指す」だけが正解ではありません。歯にはセンサーがついており、噛むことで脳に刺激が送られ、脳を活性化し、記憶力を良くするなど知能の発達とも深い関係にあることが分かっています(※3)。また、咀嚼は下顎の発育や歯の生える総数にも影響します。

ただし、噛む力は歯の生え揃いによって異なりますので、月齢や年齢よりも我が子の歯の数をみてあげましょう。他にも噛むことでのメリットはたくさんありますが、近年の子どもは発育が遅れており、歯の生える時期も遅れている子が多いのが現状です。

歯の健康は長生きの秘訣といわれ、私たち大人も80歳の時に歯を20本以上残しておくこと(8020運動)を厚生労働省が目標として掲げています。自分の歯、子どもの歯の状態はどうでしょうか?しっかりチェックしてみましょう。

「まごわやさしい」食材でよく噛む習慣を

歯の健康や咀嚼が、子どもの発育に欠かせない事は分かっていただけたと思いますが、実際にどんなごはんにすればいいのでしょうか?基本の食事「ま・ご・わ・や・さ・し・い(下記参照)」ごはんで、噛む練習を始めましょう。なかなか忍耐のいるところですが、子どもの歯や口のトラブルは大人になっても影響があります。子どもの頃の食べ方は大人になっても癖がでてしまうので、繰り返す事で身につけていきたいですね。

ま:まめ
ご:ごま
わ:わかめ
や:野菜
さ:さかな
し:しいたけ
い:いも

もうひとつ簡単な方法として、皮付き野菜や果物を食べると噛む回数は大幅にアップします!ですので、皮のままでも安心して食べられる有機野菜や果物を適度に取り入れることもおすすめです。

カルシウムやビタミンDリッチな食事で強い歯を!

歯を強くする栄養素であるカルシウムは、身長の伸びが著しい「成長スパート」を迎える8〜14歳が人生でもっとも多く必要な時期であり、推奨量は男の子が645〜991mg、女の子が750〜812mgとなります。実際の摂取量は639mgと言われていて、強い歯と骨をつくるにはカルシウムが足りていません。子どもの強い歯のためにまずはカルシウムが豊富な食材を10個覚えましょう。ヨーグルトやチーズなど乳製品のほか、しらすなど小魚、納豆や豆腐(大豆製品)、干しエビ、小松菜、モロヘイヤ、いりごま、サバ缶、切り干し大根、ひじきなどです。

成功する子は食べ物が9割」(主婦の友社)では、干しエビやごま、ちりめんじゃこや切り干し大根を簡単に栄養強化できて調理不要の“栄養トッピング食材”として紹介しています。サラダや丼、麺にパスタと、かけるだけで簡単に栄養が強化できます!それらを混ぜ合わせた“自家製栄養MIXふりかけ”レシピも多数掲載していますので、ぜひ定番レシピに加えてください。

※1 出典:Inagaki K et al. J Dent Res. 2001 Sep;80(9):1818-22.
※2 出典:Taguchi et al: Osteoporosis Japan 2007;15(3):95
※3 出典:長谷川嘉哉, かんき出版, 2018, ISBN-10;4761273747

細川モモさんの著書

「成功する子は食べ物が9割 栄養ぐるぐるレシピ」主婦の友社

食品の値上げ時代に負けない!
栄養価の高い食材を安いときにまとめ買いして、味変で飽きさせずに食卓に出す。節約と栄養管理のノウハウをまとめた「成功する子どもは食べ物が9割 栄養ぐるぐるレシピ本」もぜひお役立てください。

細川モモ

ラブテリ トーキョー&ニューヨーク代表理事
2009年春に、医師や管理栄養士を中心に13種の医療専門家及び博士/研究者が所属する「ラブテリ トーキョー&ニューヨーク」を発足。専門家の知識を分かりやすく提供することで、日本の家庭教育と子どもたちの健康をサポートしようと幅広い活動を展開。さらに、予防医療のなかでも、”母子健康”に注力。課題は深刻だが国のサポートが手薄なため、妊娠前/妊娠中/産後の女性の健康支援を通じて、次世代の健康の底上げに取り組んでいる。生まれてくる赤ちゃんの栄養状態・成長は妊娠前のママの栄養状態に影響されるが、働く女性の栄養状態は近年悪化している。日本の未来を守るためにも、母子栄養を潤す事は必要不可欠と考え、栄養状態の悪い女性を減らすことで不妊症や低出生体重児を予防し、1人でも多く健やかな赤ちゃんが生まれることを願い、走り続けている。
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執筆者情報

細川モモ

ラブテリ トーキョー&ニューヨーク代表理事
2009年春に、医師や管理栄養士を中心に13種の医療専門家及び博士/研究者が所属する「ラブテリ トーキョー&ニューヨーク」を発足。専門家の知識を分かりやすく提供することで、日本の家庭教育と子どもたちの健康をサポートしようと幅広い活動を展開。さらに、予防医療のなかでも、”母子健康”に注力。課題は深刻だが国のサポートが手薄なため、妊娠前/妊娠中/産後の女性の健康支援を通じて、次世代の健康の底上げに取り組んでいる。生まれてくる赤ちゃんの栄養状態・成長は妊娠前のママの栄養状態に影響されるが、働く女性の栄養状態は近年悪化している。日本の未来を守るためにも、母子栄養を潤す事は必要不可欠と考え、栄養状態の悪い女性を減らすことで不妊症や低出生体重児を予防し、1人でも多く健やかな赤ちゃんが生まれることを願い、走り続けている。

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