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コラム

6日間で夕食費5000円!野菜炒めすら作れなかった主婦が節約を極めた結果

【クックパッドアンバサダーの味な人生vol.2】Instagramのフォロワーは、6.7万人超え。クックパッド内にある「なりごはんのキッチン」には、260品以上のレシピを掲載しているなりごはんさんですが、10年前は野菜の切り方もわからなかったそうです。そんななりごはんさんが、6日分の夕食費を5,000円までに節約をしながら、レシピ開発、お料理インスタグラマーとして活躍されるようになるまでのお話を聞きました。

一人暮らしをきっかけにスタートした自炊生活

――なりごはんさんが料理をはじめたきっかけを教えてください。

二十歳で就職をしたのですが、それを機に一人暮らしをすることになりました。それまでは実家暮らしだったので、食事は親任せで野菜の切り方も知らなかったんです。職場の先輩……、と言っても、私の母と同世代の方々から「料理は、結婚してもしなくてもできて損はないからね。せっかく一人暮らしをしているんだからやってみたらいいよ」と言われて、やってみようかなと思ったのがきっかけです。

――野菜の切り方もわからない状態からのスタート。まずは何からはじめられたのですか?

当時は、今ほどレシピサイトがなくて、一番有名なクックパッドに登録しました。掲載されているレシピからいろいろ挑戦してみたのですが、最初の頃は失敗続きでうまく作れなかった記憶しかないです。

――お料理をはじめた頃、どんな失敗をされましたか?

料理をはじめた頃は火加減がわからず、焦がしてしまうことも…

例えば、ほうれん草を炒めたら色味が全部抜けてしまって、見た目も悪いしおいしくないということがありました。カボチャのグラタンを作ったときは、やたら甘いだけの“何か”が完成したり……(笑)。一人暮らしだから、食べるのは自分だけだったのでよかったです。本当に、作ってみたらヘンテコなものばかりができていた記憶があります。

焦がしすぎた鮭のソテーも今ではレシピを考案するほどに

デコ弁作りで知った、料理の楽しみ

――失敗続きの中で、お料理を続けるモチベーションになったものはなんですか?

友人とのピクニックの様子

デコ弁ブームで、いろんなサイトでデコ弁の作り方というのが出ていたんです。それがすごくかわいくて、職場に持って行くお弁当をデコ弁にしてみました。最初は、うさぎの型を使っておにぎりを作ったり、ひつじのショーンのおにぎりを作ってみたこともあります。食堂でお弁当を食べていると、通りすがりの社員さんが、「若いのにお弁当作ってるの?すごいね!」と褒めてくれるんです。褒められるとやっぱりうれしくて、お弁当を作り続けるようになりました。

――料理を続ける中でぶつかった壁のようなものはありますか?

見た目はおいしそうだが、噛むと石のように硬い鶏肉

鶏肉料理がすごく苦手でした。鶏肉はちゃんと火を通さないと食中毒になると思って、ついつい焼き過ぎてしまうんです。結婚する前、当時彼氏だった旦那さんに鶏肉料理を作ったときも、石のように固くなってしまって衝撃を受けたことがあります。それがトラウマになってしばらく鶏肉料理が作れなくなった時期があるくらいです(笑)。

――鶏肉の火加減は難しいですよね。それ以外に、お料理で悩んだことはありますか?

女性は、ホルモンバランスの関係で味覚が変化しやすいのかなと思うのですが、体調が悪かったり疲労が溜まっていたりすると、やたらとしょっぱいオムライスを作ってしまったりして……。味が安定しないということに悩んだ時期があります。

――味を安定させるために、どのような工夫をされたのでしょうか。

調味料をちゃんと計量するようになってからは、味のばらつきがなくなりました。以前、夫から「なんで、ほうれん草の胡麻和えの味がいつも違うの?」と聞かれたことがあるんです。その当時は感覚で調味料を使っていたのですが、今はちゃんと計量しているので、夫も「おいしい」と言って食べてくれます。

6日間で夕食費5,000円を成り立たせるコツは?

――結婚したことを機に、お料理の腕がさらに上がったのでしょうか。

メインのビビンバは牛肉薄切りを合挽肉に代用し、チヂミは野菜のみでコストカット。副菜を冷奴にすることで調理の手間とコストを抑えている

結婚を機にというよりは、2018年に結婚をしたのですが、当時Instagramが普及し始めた頃で、お料理アカウントを見ていると、みなさんお皿の使い方がすごく素敵だったんです。それに影響を受けて、作家さんの器やお皿を集めるようになりました。素敵なお皿を買うと、「このお皿に何をのせよう」って考えるんです。器を映えさせるためにお料理を頑張ろう!となったことが、料理の腕をあげるきっかけになったように思います。

簡単で作りやすいと好評のレシピ

――やはり、器にこだわると違うものですか?

作家さんが作る器は、作りが丁寧で、デザインが施されていたりして、料理の見栄えもグンッ!とよくなるんです。すごくおいしそうに見えるし、もっとうまく盛りつけたいと思うので、どんどん料理の腕も上がっていきました。

――作家さんの器を集められている一方で、なりごはんさんは、夕食費を6日間で5,000円でやりくりされていますよね。

はい。夫と0歳、2歳の子どもの家族4人で6日間の夕食費が5,000円以内に収まるようにしています。5,000円以内に収めるコツは、買い物に行く前に、6日分の献立をある程度決めて買い物に行くこと。行ってみて、買う予定のほうれん草が200円もしていたら、他の食材に置き換えたりします。代わりのものがないときや、もう少し考えたいときは、買えるものだけ買って一旦帰ります。悩んでから買い足すこともありますが、たいていは5,000円以内に収めています。

――食材はすべて同じスーパーで購入するのでしょうか。

車の運転ができないので、家から徒歩20分のスーパーと15分ぐらいのスーパー、5分くらいのスーパーを使い分けています。1つは、ほうれん草が2束まとめてテープ巻きになっていたりする量が多くて安いスーパー。もう1つは魚がおいしくて安いスーパーといった感じです。お肉は、休みの日に夫に車を出してもらって、牛肉が安く買えるお肉屋さんに行ってまとめ買いをして、ジッパーに小分けにして冷凍します。

――ちなみに、6日間の献立のおかず、お肉と魚の比率はどのくらいですか?

6日間のうち、1日は必ず魚にしています。以前は、週に2回魚をだしていましたが、魚だと夫の腹持ちがよくなくて、その分、副菜にお肉を入れたりすることに。そうすると、1食分が高くなってしまうので、魚は週1回に減らしました。魚を週2回出していたときは、せっかく作っても、家族が、「魚かぁ……」となるんです(笑)。だったら、お肉を5日にして、出したときに喜んでもらえる方が良いなぁと。せっかく作るなら、家族が喜ぶものを出したほうが作る側にも無理がないかなと思うんです。

――週5日はお肉ということですが、その内訳はどんな感じですか?

チキン南蛮は鶏もも肉で作るところを、安くて火の通りが早い鶏ささみで代用。副菜は豆腐とちくわの節約食材を活用した

夫が鶏肉好きなので、週2回は鶏肉料理。うちはもも肉とささみをよく使います。むね肉よりはささみです。豚肉は、豚こまか豚バラ。牛肉は、安く買える店で、その日お得になっているものを買って、週1回出せると良いなという感じです。

――今は、鶏肉料理が苦手というのも克服されているんですね。どのように克服されたのでしょうか。

Instagramに投稿する献立を考えていたときに、「照り焼きチキン」は映えそうだなぁと思ったので、挑戦してみたんです。やっぱり、火加減が難しかったのですが、中火で、水分が抜けないように気をつけながら火を通すことで、おいしい照り焼きチキンを作れるようになりました。1度成功すると、そこから自信がついて鶏肉料理への苦手意識が減っていきました。

――克服するための鶏肉料理、何を参考にされましたか?

他の方のレシピ投稿を見ます。工程や調味料の分量など「なんで、この照り焼きはこんなにツヤツヤなんだろう」と思ったら、レシピを見ます。そうすると、「こうすると、こうなるんだ!」という発見があるんですよ。材料も、醤油、酒、みりん、砂糖の割合は、2:2:1が定番ですが、ツヤが出やすい比率は?とか、好みの味にするには?と、いろいろ見比べながら研究しました。

――すごいですね。ところで、1週間は7日ですが、6日間で食費を区切るのはなぜですか?

週に1日は、食事を作らない日にしているんです。実は、実家が近くにあって、毎週土曜日は実家で夕飯を食べるんです。子どもの体調が悪かったり、実家に行けない予定があるときも、自分では作らずに出前を頼むことも。どうしてもというときは、残っている食材や冷凍してあるものから作ることもありますが、どんなに料理が好きでも、やっぱり疲れちゃうので、週に1日だけ“作らない日”というのを意識的に作るって大事だなぁと思うんです。

料理が上手になるコツは……

――今は料理ができないという方の中には、なりごはんさんのお話を聞いて、料理に挑戦してみようという気持ちになる人がいると思います。これから料理を挑戦する方にメッセージを送るとしたら?

とにかく計量です。味付けを感覚で作ってる人って多いと思うのですが、しっかり計量することがすごく大事。私も感覚で作っていたときより、計量して作ったほうが家族の食いつきが違います。ちゃんと食べてくるようになるとモチベーションが変わるんですよね。「食べてくれなかった」となるよりは、ちゃんと計量して、家族がちゃんと食べてくれた方が気持ちが良いですよね。

――一人暮らしからお料理をスタートしましたが、やはり食べてくれる人がいたほうが上達は早いですか?

実家ではお父様がなりごはんさんの友人に料理を振る舞ってくれたことも。出汁のきいた野菜中心の献立が多いそう

人に食べてもらうって、大事だなと思います。一人暮らしだとしたら、実家に帰ったときに作って食べてもらうとかもおすすめです。私は一人暮らしの頃、実家に帰るたび、両親に手料理をふるまっていました。感想も参考になるし、上達の近道だと思います。実家の料理はしっかり出汁をとったり、チューブを使わずしょうがやにんにくを、すりおろして使ったりしていたので、私の料理もそれがベースになっていますね。

――今後のなりごはんさんの活動目標などはありますか?

これまで以上にレシピを発信していきたいです。投稿内容もブラッシュアップして、より多くの方に見ていただけるように工夫をしていこうと思っています。

(TEXT:山田かほり)

なりごはん さんプロフィール

夫・0歳、2歳の子どもの4人家族。
週6日間の夕食費を5,000円以内で乗りきる中で生まれた節約レシピが好評。
レンジ加熱や、洗い物の削減、かさまし⾷材の活用など、工夫を凝らしながらも、見た目にもおいしい料理を心がけている。

Instagram:@a.nari.gohan

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