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コラム

糖尿病専門医が教える!血糖値をコントロールして「無理せず痩せる」食べ方の正解

そんなに食べていないのになぜか痩せない…そんな悩みを持つ人も多いはず。今回は、糖尿病専門医である薗田憲司(血糖おじさん) の著書「“血糖値”を制して脂肪を落とす!: 最新エビデンスと実体験からわかった最強血糖コントロールダイエット」(gakken)より、医学的な観点からみた「無理せず痩せる食べ方」をご紹介します。

ダイエット・健康と血糖値の深すぎる関係って?

血糖コントロールがうまくいくと空腹と闘わずしてダイエット成功!

昼食から1時間ほど経ってから眠気と倦怠感に襲われ、3時間後ぐらいに強い空腹を感じて甘いものが欲しくなることはありませんか? それは、血糖値スパイクで血糖値が急降下したことによる不調と空腹感かもしれません。低血糖になると体は「エネルギー不足だ!」と感じ、空腹感に襲われて食欲が駆り立てられます。そこでお菓子や甘い飲み物をとると血糖値が上がって元気になりますが、また血糖値が下がり間食に走る、〝太る行動〞を繰り返しがちに。間食の摂取カロリーが積み重なれば、当然やせにくくなります。一方、空腹をガマンし続けることも食欲暴走の引き金に。血糖値をゆるやかに変化させる血糖コントロールなら空腹を感じにくくなり、間食の量が減って食欲の暴走も防げるのです。

炭水化物の早食い、ジュースの一気飲みは血糖値スパイクを起こし、太る最悪の食べ方

おにぎりやパン、ラーメン、パスタなど手早くおなかを満たせるものは炭水化物(おもに糖質)が多いですよね。また、健康のために野菜ジュース、乳酸菌飲料、甘酒、加糖のスポーツ飲料などをよく飲んでいませんか?じつは、これらの糖質が多い食品を空腹時に一気にとるのは血糖値スパイクを起こす太りやすい食べ方です。実際に、僕はおにぎり2個を早食いして血糖値を測定してみたことがあるのですが、血糖値が 180mg/dℓ近くまで上がりました。普段は、おにぎり1個にし、必ずたんぱく質や食物繊維を先にとるようにしています。

健診では見つかりにくい!血糖値スパイクの繰り返しが糖尿病の入り口に…

一般の健康診断では空腹時に採血して血糖値を調べるため、日常で食後に血糖値スパイクを起こしていても見逃されがちです。食事のたびに高血糖になると、インスリンを分泌する膵臓にハードワークを強いることに。やがて膵臓は疲れきってインスリン分泌の機能が低下。さらに、内臓脂肪が多いとインスリンが出ていても効きにくくなり、空腹時血糖値やHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)の数値が上がって糖尿病の入り口へと進みます。じつは、高血糖の初期は自覚症状が出にくく、僕のInstagramで「血糖値が高いときに何か症状を感じますか?」と約4000人にアンケートをとったところ、58%が「いいえ」と答えました。健診で血糖値が異常なしでも安心せず、血糖コントロールをはじめましょう!

著者メッセージ

早食い・大食いは太る元、なんて聞いた事はないですか? その原因は、血糖値が深く関係しています。早食いをすると、食欲がコントロールできなくなり、さらには血糖値の乱高下を起こし、体内にパニック状態を起こします。空腹時のドカ食いは、言うなればウォーミングアップ無しで全力疾走するようなもの。小さい頃はいきなり全力疾走ができたけれど、歳をとると怪我しますよね? これは、血糖値の代謝でも同じことが言えます。年齢と共に運動能力が落ちるのと同じで、内臓の機能も落ちてきます。ゆっくりよく噛んで食べるだけで糖尿病の予防効果、ダイエット効果は間違いなくあります。今日からぜひ取り入れましょう!

画像提供:Adobe Stock

書籍紹介

“血糖値”を制して脂肪を落とす!: 最新エビデンスと実体験からわかった最強血糖コントロールダイエット(gakken)

SNS大注目の糖尿病専門医「血糖おじさん」が提案!健康的にやせられるテクニックが満載!

食べたいものを「制限」するだけのダイエットは、人生がつまらなくなりますよね。 みなさん食べることが好きだし、近年、ダイエットの敵とも言われていた、おにぎりやパンといった糖質を含む食品から完全に逃れることは難しい。糖尿病内科医である僕も、じつはラーメンやケーキ、プリンが大好きです。これからは「制限」をやめて、好きなものを適度に食べて人生を楽しむ「コントロール」へ!「血糖値」をコントロールすれば、ダイエットが圧倒的に成功しやすくなり、5年後、10年後の健康にもつながります。

現在、日本の成人の6人に1人は糖尿病患者もしくは糖尿病予備軍といわれており、健康維持はもちろん肥満防止においても“血糖”を意識することは非常に重要といえる。

本書は、糖尿病患者の父を持ち、自身も糖尿病予防につとめ、SNSを通じて啓蒙活動を行っている“血糖おじさん”こと薗田医師初の著書。

臨床での経験+最新のエビデンス+何をどのくらい食べたら血糖値が上がるかといった自身の体当たり実験の結果から導き出した、血糖コントロールによって上手にダイエットをする方法を具体的かつわかりやすく紹介する。

著者紹介

糖尿病専門医 薗田憲司(血糖おじさん)
年間4000件以上の外来を担当。糖尿病患者の父を持ち、自身も学生の頃より食事改善を実践。外来では患者1人にかけられる時間が限られているため、多くの糖尿病患者やダイエットに悩む人に役立つ情報を発信したいとの思いからInstagramで情報発信を始め、SNS総フォロワー30万人を突碱。血糖値とダイエットの関係性や食事のアドバイス、糖尿病の最新事情などを発信している。近日、自身のクリニックを開業予定。(https://www.kettou-ojisan.com/)

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