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コラム

おいしい湯豆腐の作り方も紹介♪疲れた胃を休める「あんかけ湯豆腐」バリエ3選【工藤詩織の「お豆腐」進化論 Vol.15】

ヘルシー、節約……でも、それだけじゃない! 身近な食材「お豆腐」の魅力はまだまだあるんです。この連載では、豆腐マイスター・工藤詩織さんに、お豆腐をもっとおいしく楽しむための知られざるノウハウを伝授してもらいます。「そうだったんだ!」と思わず納得の意外な活用法を知れば、きっと試してみたくなるはず♪ あなたの食卓のお豆腐が“進化”すること間違いなしですよ!

「おいしい湯豆腐」の秘密をおさらい

忘年会シーズン真っ盛りですね。ちょっぴり胃が疲れてきた方、免疫が下がって風邪をひきそうな方も少なくないのでは…。そんなとき、胃袋を休めてくれる一品といえば「湯豆腐」ですよね。

以前、コラムでも以前紹介した「お豆腐のおいしい温度」のお話を覚えているでしょうか? 簡単におさらいすると、湯豆腐でNGなのは、お豆腐をぐつぐつ煮ないこと! タンパク質は70℃以上で熱するとぎゅっと硬くなってしまいます。

また、豆腐の中の水分が沸騰して逃げだそうとすることを「す」が立つと言いますが、これによって旨味も逃げてしまう恐れも! なめらかな食感を維持するためには、お豆腐の温度が70℃手前になるようにすることが大切です。

温度をキープする先人の知恵

しかし、適温に心がけて温めたお豆腐も、お皿に引き上げた瞬間からあっという間に冷めてしまいますね。他のおかずに手をつけている間に、お豆腐が冷たくなってしまってがっかり…なんていうことも経験したことがあるのではないでしょうか?

そこで、試していただきたいのが「あんかけ湯豆腐」。湯豆腐の温度キープに、冷めにくい「あん」をかけるアイデアです。

実は、このスタイルの湯豆腐には長い歴史があると言われていて、江戸時代に出版された豆腐の料理本『豆腐百珍』の中で、「高津湯豆腐(こうづゆとうふ)」と言う名前で紹介されています。大阪にある“高津神社”の近くにかつて湯豆腐店があり、そこで出されていた一品と言われています。

レシピはいたってシンプルで、湯豆腐の要領で温めたお豆腐を盛り付けたら、醤油とみりんで作った「あん」 をかけ、最後に “からし”を添えるだけ。

文献によると、江戸時代の居酒屋でもお酒のアテとして「湯豆腐」は大変人気で、客席に運んだ湯豆腐がすぐに冷めぬように、鍋ごと葛粉でとろみをつけることで温度維持をさせたとも言われています。

「あんかけ湯豆腐」のアレンジメニュー集

クックパッドを見てみると、シンプルなものから具材を加えたものまで、「あん」をつかった湯豆腐のアイデアが沢山出てきました。

和風あんかけをたっぷりかけて♪

一風変わった生姜風味はいかが?

途中まで通常の湯豆腐を楽しんでから、鍋に調味料を加えとろみをつけ、変化を楽しむのも良さそうですね。特におひとりさま用湯豆腐にはこの方法がおすすめです。

胃にも優しい白だしで身体ホカホカ

わざわざお鍋で複数の調味料を合わせるのが面倒という方は、いつも使っているだし醤油やポン酢などに片栗粉でとろみをつけるだけでもOKです。

いかがでしたか? 温度キープの一工夫で、お豆腐も身体もホカホカです♪ 寒さが厳しくなってきましたが、体調管理を心がけて年末まで駆け抜けましょう!

工藤詩織(往来/豆腐マイスター)

幼少から豆中心の食生活を送り、豆腐がいつも暮らしの中心にある無類の豆腐好き。日本語教師を目指して勉強する過程で、食文化も一緒に伝えたいと「豆腐マイスター」を取得。国内にとどまらず海外でも、手作り豆腐ワークショップや食育イベントを実施して経験を積む。2018年より「往来(おうらい)」をテーマに本格的に活動を開始。豆腐関連のイベント企画・メディア出演などを通して、各地で豆腐文化の啓蒙活動を行っている。「マツコの知らない世界」(TBS系)、「ヒルナンデス」(日本テレビ系)、「ごごナマ」(NHK)等へ出演。
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