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コラム

気軽におうちアウトドア!「固いお好み焼き」を庭やベランダで楽しもう【ヒロシの外ごはん Vol.1】

1人でキャンプを楽しむ“ソロキャンプ”の様子をYouTubeに投稿し、再び話題を集めている芸人のヒロシさん。野外で楽しむプロのヒロシさんに、気軽に実践できる料理のアイデアや、簡単なレシピをお聞きしました。最後には、ヒロシさんのお話を参考に編集部スタッフが外ごはんをやってみた様子もお届けします。

庭やベランダで気軽にアウトドアを楽しもう

――新型コロナウイルスの影響で、ずっと家にこもっていて辛いと感じている人も多いと思います。アウトドア気分を楽しむ方法ってないでしょうか?

庭やベランダを活用するといいと思います。僕はベランダにテーブルと椅子を置いてますよ。夜はランタンがあると、それだけで一気に雰囲気が出るのでおすすめです。もしテントを持っているなら、テント張って寝泊まりしてもいいですね。

――確かに、庭やベランダなら気兼ねなく「外」を感じられそうです!

普段あまり使わないところを利用する、いい機会かもしれませんよ。
ベランダってだんだん使わなくなりがちじゃないですか? そもそも自分の家の敷地ではなくて共用部分だし、普段あまり行かない「開かずの間」的なところがある。

庭も同じで、以前園芸がやってみたくて、一軒家を借りて住んでいたことがあるんです。でも……まあ行かない。園芸やるぞ! って思って住んでも全然行かなかったくらいなので、庭を放置してる方って結構多いんじゃないでしょうか。

せっかくだから、思い切って掃除してみるのもいいですよね。気分も変わりそうですし。力の入れ加減は人それぞれだけど、花を植えたり、そこできゅうりとか野菜を植えて育ててみてもいいと思います。今、休みの日は暇だという人も多いでしょ?

――そうですね。我が家の庭は完全に放置されているので……きれいにするのに時間がかかりそうです。

あ、汚いままでもいいと思いますよ。むしろ雑草がボーボーのほうが、よりアウトドア感が出るかもしれません。

――ハードルが低くて助かります! 外でごはんを食べるのは気持ちよさそうですね。

ごはんも、家で作ったものを庭やベランダに持ってくれば食べるだけでいいので、ラクですよ。外で調理するのもいいんですが、ベランダだと火を使うことや煙の心配もありますし、後片付けも面倒なので。最初は外で“食べるだけ”をしてみるといいと思います。

今の季節なら昼でも夜でもおすすめです。非日常を十分楽しめますよ。

お肉を焼くヒロシさん。キャンプではステーキをよく作るそう(写真提供:ヒロシ・コーポレーション)

ふわふわ食感は僕にとって邪道!!ヒロシ流「お好み焼き」

――庭やベランダで楽しむ「外ごはん」、最初に作るならどんな料理がおすすめでしょう。

何でもいいと思います。普段はやらない、とても手の込んだ面倒くさいものをやってもいいし。パンとか。

――パン作り、今流行ってますよね。簡単で作りやすいものだと何がありますか?

そうだなあ……お好み焼きとかいいんじゃないですかね。

――お好み焼き、いいですね! ヒロシさんのこだわりってありますか? 例えば山芋を入れるとか……

山芋は入れないです! 山芋って、入れるとふわふわになるってやつでしょう?
僕、基本的にふわふわした食感が嫌いなんです。ハンバーグがふわふわなのも嫌だし。なんで柔らかい食感がもてはやされてるのかわからないですよ。ふわふわじゃなくて、固いお好み焼きが好きです。

――山芋への拒否感がスゴイ……。固いお好み焼きって私はあまり馴染みがないんですが、なぜお好きなんでしょうか?

僕の出身は熊本の荒尾市というところで、お好み焼きのことを「ダゴ」と呼ぶんです。大阪風でも広島風でもない独特なお好み焼きで、ガチガチに固いんですよ。

学生のときによく通ってたお店が2軒あって、1つは「高専ダゴ 新みつや」っていうお店で、今では支店がいくつもある有名店になってます。鉄板に沿って生地を大きく広げて焼く、巨大なお好み焼きです。ヘラで押し付けながら焼いてくれましたね。だから固かったんだろうな。
タレが特徴的で、すごく辛いんですよ。でもそれが美味しかったですね。

ヒロシさんの思い出の味「高専ダゴ 新みつや」のダゴ(写真提供:高専ダゴ 新みつや)

もう1つは今は閉店してしまったお店なんだけど、そこは一番安い「野菜入りお好み焼き」が百いくらで、もう食えないっていうくらいの量で出てくるんです。とにかく安くて、まずい。そしてなぜか酸っぱい。具もたぶんイカが入ってたと思うんですけど、ぐにゃっとしてて本当にイカなのかもわからない。

初めて行った時にまずっ! と思ってしばらく行かなかったんですが、友達に誘われて、ついまた行ってしまったんですよね。2回目もやっぱり酸っぱいし、まずい。なのに不思議と最初のときに感じた抵抗感はなくて、それから何度も行きました。なぜかクセになる味なんです。体が欲し始めるというか……。

高校を卒業して地元を離れてからも、東京に出てきてからも、実家に帰るたびに必ず寄ってました。

そのときの味が思い出の味になってるんでしょうね。学生の自分が無理して食べるくらい量も多かったし、後半になればなるほどお好み焼きが固くなってきてヘラで切れなくなってくる。

そういう文化で育ってるので、どうしてもふわふわなお好み焼きは腹持ちもよくなさそうな気がするんですよ。ああいうお店って量も少ないし。さっきのお店なら、100円か200円でお腹いっぱいになりますからね。味は酸っぱいですけど。

――酸っぱいお好み焼きは衝撃的でした(笑)。ご自身で作るときも酸っぱく作るんですか?

いや、あの味は再現できないですよ……。自分で作るときは普通に作ります。固めに焼くっていうのと、具材を全部最初に混ぜるくらいですね。豚肉も細かく切って生地に混ぜちゃいます。具材も普通で、キャベツや豚肉やチーズです。

あとはソースをすごく辛くしたいので、お好み焼きソースに輪切り唐辛子を大量に入れます。「高専ダゴ」の味を求めてるんですよね。

――辛いソースのお好み焼き、おいしそうです! お好み焼きで外ごはん、やってみます。ありがとうございました!

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