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コラム

テーブルセッティングのプロが伝授!「盛り付け上手」になるための2つのルール

【テーブルセッティングのコツ vol.2】撮影でお皿を選び、料理をより魅力的に演出するフードスタイリスト・岡本ゆかこさんに「テーブルセッティングのコツ」をご紹介していただきます。おうちごはんがもっとおいしく見えて、たのしい食卓に近づけるようなアイデア満載です!

お皿への盛り付け、どうしていますか?

いきなりですが、みなさんはどうやって料理をお皿へ盛り付けされていますか? 忙しいときには大皿にドーンと盛り付け、気合いを入れて何品も作れた日には少し丁寧に小皿へ盛り付けてみたり…その日の気分がお皿へ反映されることもありますよね。

明治時代に活躍した芸術家・北大路魯山人は「器は料理の着物」という言葉を残しています。食器は料理を提供するのに欠かせないもの、料理の魅力を引き出し、鮮やかに彩る服のようなものである、という意味です。どんなに良い器を選んでも、お皿と料理の組み合わせがしっくりこなかったり、盛り付け方がイマイチだと、がっかりした経験のある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

テーブルセッティングは「料理・器・盛り付け」の3つのバランスが揃ってこそ、きれいに決まるものです。なんとなく頭ではわかっているけど、料理の盛り付けが苦手で…という声が多いのも事実。でも、大丈夫です。2つのルールを守れば、誰でもおいしそうに盛り付け上手になることができますよ。

盛り付け上手になるための2つのルール

お皿と料理の“黄金バランス”を心がけること

実はお皿と料理には「黄金バランス」があります。具体的な例をいくつかご紹介します。

■ハレの日の料理はお皿の余白を多めに

お皿の余白7割、料理3割で盛り付けをしたら、優雅な印象になり、ハレの日の料理、フレンチや懐石料理で良く使われている盛り付け方です。お皿の余白で心の余裕が演出されています。

■ボリューム料理はお皿の余白は気にせず豪快に

お皿の余白は小さく、料理7割以上で盛り付ける黄金バランスもあります。これは、丼ぶりごはんのようなボリュームのある料理に最適です。カツ丼のようながっつりした料理の盛り付けが、こぢんまりしているとちょっぴり残念な気持ちになりますよね。豪快にいきたいときは、お皿の余白を気にせず山盛りにおおらかに盛ると、おいしそうな盛り付けになりますよ。

■家庭料理の余白は3割、料理7割が鉄板

そして一番知っておきたい家庭料理の黄金バランスの基本はお皿の余白3割、料理7割です。この割合が、家庭料理がおいしく見える量感とバランスかな、と考えています。

いつも、なんとなくうまく盛り付けができている気がしない…という方は、料理を7割以上盛ってしまい、少し多いのが原因かもしれません。盛り付ける際にいつもより控えめに盛って、途中で少し離れて料理とお皿の余白とのバランスを見てみましょう。

料理はふんわりした山盛りに

お皿に対して料理をふんわりした山盛りに盛り付けることを心がけましょう。見栄えが格段にアップしますよ。見た目がイマイチかも…という方は、お料理を平らに盛っていることが多いかもしれません。ふんわりした山盛りを意識し、中央を高くしておいしそうに盛り付けましょう。

どんなイメージかわからない、という方はチャーハンの盛り付け方を想像してください。チャーハンがべちゃっと平たく盛られているより、ふんわり山盛りの方が食べる前から食欲がわき、おいしそうと思えますよね。「見ただけでおいしそう!」と思える盛り付け方が正解なのです。ちょっとしたポイントを心がけるだけで、すぐに習得できますよ。

また、お箸で盛るのが苦手な方は、大きめなスプーンと一緒に使うと料理をたっぷりすくえて、盛りやすいです。いつも通りにお箸を持ち、手と逆の手は下向きにしたスプーンでアシストするイメージです。フレンチの料理人さんがよく使っている盛り付け方です。

お皿の余白と料理の黄金バランスを意識して、料理をふんわり山盛りになるようにして、盛り付け上手に近づいてくださいね。

テーブルセッティングの好みを見つける

あと、ご紹介しておきたいのが、「テーブルセッティングの好み」を見つけておくこと。素敵なテーブルセッティングは料理と器・盛り付け方のイメージを考えられるようになることです。どんなに料理、器、盛り付け方、カトラリーなど素敵なものを選んでも、全体の統一感がくずれると、チクハグな印象になってしまいます。

そんなときはSNSでお気に入りの投稿を探してみるのがおすすめ。この方の投稿が投稿している食卓の雰囲気がなんだか好きだな、発見できれば、こちらのもの! その共通点を探すことが、好みのテーブルセッティングを見つけられるコツです。ぽってりした器の柔らかいイメージが好き、カフェごはんのゆったりしたイメージが好き、といろんな好きを見つけると、心惹かれる具体的な理由がわかってきます。お気に入りの器を買って、まずは誰かの真似から始めてみると素敵なテーブルセッティングを作る近道です。

お皿へ盛るときのお助けアイテム

盛り付け箸

和食の料理人が主に使う、先が繊細に細くなった盛り付けに適しているお箸です。「盛りばし」「盛り付け箸」などで検索すると出てくると思います。私は手が小さいので竹製の方が好みで、京都にある「市原平兵衛商店」さんで買っています。こちらには23cmの短い盛りばしがあります。

盛りばしはそんなに使わないかも…という方は、先の細いお箸で盛ってみてください。繊細な仕事がしやすく、いつもより上手に盛れますよ。

岡本ゆかこ

アフタヌーンティー・ティールームに勤務後、海外の食文化を学びにサンフランシスコへ。キッチンツール会社にて店舗ディレクション・スタイリング・企画を担当。フードコーディネーターアシスタントを経て独立。著書に『並べて焼くだけ! グリラーレシピ: 電子レンジ・オーブン・直火もOK 肉・魚・野菜がふっくらほくほく』『おうちで作るアイスケーキ』(河出書房新社)がある。
【公式HP】https://www.okamoto-yukako.com/
【Instagram】@okamoto.yukako

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