【今週のおすすめの一冊 vol.16】編集部が特に「おもしろい!」と注目した料理にまつわる本をピックアップし、気になる内容をダイジェストでお届け。今回は『arikoの副菜の鬼』(主婦の友社)についてご紹介します!
毎日の料理で悩むのが献立決め。食べたい主菜(以下、メイン)は思いつくけれど、副菜のあと一品がなかなか思いつかないことも。そして、行き当たりばったりで作る副菜は、どこかマンネリしがち。
「手早く作れて、おいしく食べられる副菜のレパートリーが多ければ多いほど、食事は楽しく充実したものになる」と副菜の重要性を伝えているのが料理家のarikoさん。
「メインをおいしく食べるためなら、どんなに疲れていても副菜作りを頑張ってしまう」と語り、副菜へのこだわりは人一倍。そんなarikoさんが副菜を作る上で一番大切にしているポイントは「メインと副菜のバランス」。
こってりとしたメインにはさっぱり味の副菜を、単調になりがちなパスタや丼ものには歯ごたえや味のインパクトのある副菜を。味や噛み心地が違うおかずを組み合わせれば、ついつい箸が伸びて、舌がリフレッシュされ、メインをさらにおいしく食べられるんだそう。
メインと副菜でお互いの味や食感を補い合うことで、より献立の満足度が高まりそうです。
今回は本書の中から、コンロを使わずに作る「さっぱりおいしい副菜」レシピを紹介します。和えるだけ、かけるだけの副菜は、これからの季節に重宝すること間違いなしです!
イタリアの定番野菜「プンタレッラ」を食感がよく似たセロリで代用。セロリのパリパリとした食感と、アンチョビの旨みがおいしさの決め手に。
arikoさんはパスタの副菜として作ることが多いそう。
セロリ……2本
イタリアンパセリ……2〜3本
【A】
アンチョビ(ペースト)……小さじ2
にんにくのすりおろし……少々
レモン汁……1/2個分
塩……小さじ1
砂糖……ひとつまみ
こしょう……少々
オリーブオイル……大さじ2
1. セロリは5cm長さの細切りにして、さっと氷水にさらしてしっかりと水けをきる。イタリアンパセリはあらみじんに切る。
2. ボウルにAを入れてよく混ぜ合わせたら、セロリを加えて軽く混ぜ、味をなじませる。器に盛り、イタリアンパセリを散らす。
刺身を切って和えるだけのお手軽レシピながら、玉ねぎの紫とレモンの黄色で洗練された印象に。イタリアンやシチューの副菜としても相性抜群。
たいの刺し身……1さく
紫玉ねぎ……1/2個
セルフィーユ……適量
レモン……1/2個
塩……少々
オリーブオイル……大さじ1
【A】
ナンプラー……大さじ1
オリーブオイル……大さじ1
1. 「たい」は薄いそぎ切りにする。紫玉ねぎは繊維にそって薄切りにして、さっと水にさらしてから水けをきる。
2. ボウルに「たい」とAを入れて軽くあえる。
3. 皿にたいを並べて、紫玉ねぎとちぎったセルフィーユを散らす。塩を振りオリーブオイルをかけて、レモンを添える。食べる直前にレモンをたっぷりとしぼる。
本書の構成で嬉しい点は、生姜焼きなどの肉メニュー、餃子などの家中華、パスタ、なべなどの家庭の定番メニューを軸に、副菜が提案されていること。
それぞれの献立の調理手順も解説されているので、arikoさんの献立を真似して作るうちに、副菜をひらめく思考や、時間をかけずに献立を完成させる調理術が身につきそうです。
副菜に精通したarikoさんの副菜メソッドを実践して、満足度の高い献立で食事時間を充実させてみませんか?
(TEXT:小菅さちえ)
メイン料理を決めたら、食感や味のバランスを考慮して必ず合わせる副菜を用意するという arikoさん。ふだん作っている副菜とその組み合わせ方のコツをレシピとともに大公開している一冊。
カレーやパスタなど定番メインを作った日にお役立ちな副菜レシピをはじめ、家にあるものでできる副菜、買ってきた惣菜をちょっとの工夫で家の味に変身させる裏技もご紹介。気の利いた一品がちゃちゃっと作れるようになるレシピ集です。