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コラム

八百屋さんが教える!なすの保存法と、簡単おいしい「夏野菜のトマト煮」レシピ

【八百屋さんの旬ごはん Vol.6】無人青果店・コミュニティースペース・居酒屋がひとつになった「イエローページセタガヤwithプラスヤオヤ」を運営する尾辻あやのさんが、今おいしい旬の野菜と、おすすめの食べ方をご紹介します。

こんにちは。プラスヤオヤの尾辻です。梅雨も開け、本格的に夏になりましたね。お天気がよくなって、畑からはきゅうり、なす、ピーマンなど夏のお野菜がじゃんじゃん届いています。今回のテーマは夏野菜のエース、なすです。

今回は山梨県北杜市にて有機栽培農園を運営されている、富岡農園の富岡さんに色々と教えていただきました。富岡農園さんのなすたち、ぱっと見ではわからないけれど、こだわりの栽培方法で作られているんです。

野菜本来の味を楽しめる、こだわりの「自根栽培」

富岡さんの農園ではなすやきゅうり、ピーマンなどの果菜を全て「自根栽培」で作られています。「自根」とは呼んで字の如く、「自分の根っこ」という意味です。あれ? では自根栽培ではないなすは一体何の根っこなのでしょうか。

実はなすやきゅうり、スイカなどのナス科やウリ科のお野菜は、農家さんの間で「賭け」と言われているくらい、連作障害が起こりやすく、様々な病気にかかりやすいリスクがあります。そこで、病気に負けず安定的に生産するため、台木を使って苗を接木し育てていくのが主流となっています。富岡さんのお話では、1苗で収穫できる量が接木の場合200個だとしたら、自根栽培だと50個ほどの収穫量になってしまうそうです。

育てるのが大変な自根のなす、でもそれに負けない魅力があるのだそう。接木をする場合、どうしてもその接木になる植物の影響を受けてしまいますが、自根栽培の場合「野菜本来の味」を楽しむことができること、と言われています。貴重なお野菜なんですね。

しかし、接木の技術も簡単に出来上がったわけではありません。台木にする木によって、育ちかたや味も変わってしまうもの。私たちの見えないところで、農家さんたちの発見と労力があるからこそ、私たちの食卓が豊かになっているんですね。

新鮮ななすの見分け方&保存方法

そんななすの保存方法ですが、富岡さんに伺ったところ、風に当てないのが一番! とのことです。時間が経つと表面がフニャッとしてきてしまうので、新聞紙などにぴったりと包んでおくのがおすすめです。新鮮さの見分け方は皆さんご存知かもしれませんが、ガクのとげが痛いくらいのものが一番新鮮な状態です。おいしいものにもトゲがあるんですね。

簡単、おいしい、アレンジ無限!夏野菜のトマト煮

今回のレシピは、そんな夏野菜をたっぷり使った夏野菜のトマト煮込みです。

材料 (4人分)

なす…2本
ズッキーニ… 2本
ピーマン…3個
ベーコン…3枚(ウインナーやサラミでも代用可能)
ニンニク…2かけ
カットトマト缶…1缶
ケチャップ…大さじ2
塩…適量
ローリエ…1枚
オリーブオイル…適量

作り方

1.ニンニクをみじん切り、ベーコンを1cm幅に刻む。野菜は乱切りにする。

2.フライパンにオリーブオイルを引き、刻んだニンニクとベーコンを入れ、弱火でじっくり炒める。ベーコンが縮まり、オイルにベーコンの香りが移るまでしっかり炒める。

3.野菜を加え、全体に油が回るように炒める。

4.炒めたら、トマト缶を加えてローリエを入れる。

5.野菜が少し沈むくらいになったら、塩とケチャップを入れて蓋をして、15分程弱火で煮る。

そのまま食べるのもよし、パスタソースやお米を入れてトマトリゾットにするのもおすすめです。冷やしておいて、素麺と一緒にいただくのもおいしいですよ。夏野菜をたくさんいただいた時の大量消費にいかがでしょうか。季節のお野菜をおいしく料理して、酷暑を楽しく乗り切りたいですね。

+808(プラスヤオヤ)

プラスヤオヤは、農業繁盛・地域円満をモットーに、農家さんと食べる人をちゃんとつなげる新しい八百屋を展開するプロジェクトです。2020年9月より、プロジェクトの第一歩として、私、尾辻あやのと、料理人の夫と世田谷にて始めたお店「イエローページセタガヤ」にて昼間は有機野菜の八百屋とコミュニティスペース、夜は居酒屋を運営しています。

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