【FoodClip 食卓トレンド】食ビジネス全般の動向やトレンド、食卓の最新データを発信するFood Clip編集部に、いま気になる食トレンドを教えてもらいました。今回お届けするのは、人気が拡大しているプロテインを使った「プロテインレシピ」について。コロナ禍の影響で摂取する人が増えていますが、食事に取り入れる人も増えているそうですよ。
こんにちは! FoodClip編集部です。
プロテインレシピをご存知ですか? プロテインの摂取をメインにした料理やスイーツのことです。主に粉末プロテイン(プロテインパウダー)を材料に加えたり、オートミールや豆乳などの高タンパクな食材を使ったりするものを指します。
以前は、スポーツやトレーニングをしている人たちの間で話題となっていたプロテインですが、近年は美容や健康のために積極的に摂取する人が増えています。
これまでは、「プロテイン=粉を飲む」というのが一般的でしたが、最近では「おいしく食べる」ものへと変化しています。その背景には、新たにプロテインを飲み始めたプロテイン初心者層の広がりがあります。
「実際に粉を買ってみたものの、これまで飲んでいなかったのでつい飲み忘れてしまう」「味に飽きてしまう」など、身体に良いとわかっていてもなかなか続かない…そんな悩みから、普段の食事やデザートに取り入れて、手軽においしく摂り入れたいという人が増えていったのです。こうしたことから「プロテイン=食べる」という新たなスタイルとしても、徐々に広がっていったと考えられます。
プロテインが注目されるようになった大きな要因は、新型コロナウイルスによる生活スタイルの変化と生活者の意識変容です。外出自粛によるコロナ太りからのダイエットニーズ、内食増加による健康意識の高まり、こうしたことから積極的にプロテインを取り入れようという人が増加したと考えられます。
実際、2018年頃から増加傾向にあったプロテイン市場の販売金額は、コロナ禍の2020年1~10月累計で、前年同期間比139%の128億円と大きく伸長し、10ヶ月間で前年の1年間を上回る規模にまで拡大しています。
市場規模が拡大したもうひとつの要因は、粉末プロテインのライトユーザーの増加です。以前は、アスリートやボディビルダー、本格的なワークアウトトレーニングをしている人たちがコアなユーザー層でしたが、近年多くのメディアで、美容や健康といったより身近で新たな切り口からプロテインを取り上げるようになり、ユーザーはコアユーザー層のみならずさらにマスへと広がっていきました。
株式会社インテージのデータによると、これまで粉末プロテインを買ったことがなかった新規購入者の割合は、2020年4月~6月にかけては全購入層の半分以上にまで上昇しています。
クックパッドでも「プロテイン」のキーワードは、検索頻度が上昇しています。 2016年からの5年間でも毎年伸長していることから、プロテインレシピを求めている生活者が増えてきていることがわかります。
検索頻度(SI値):クックパッドでの検索1,000回あたりの分析キーワードの検索回数
※2021年のSI値は暫定値です
また、粉末プロテインだけでなく、プロテインを多く含む食材への関心も高まっています。特に、穀物の中でもトップクラスの栄養価を誇るオートミールの人気は急加速。クックパッドの検索頻度も、前年同期比650%にまで上昇した月もあったほどです。
このような美容・健康意識の高まりから、購入した粉末プロテインやオートミールを飽きないように、いろいろとアレンジしながらおいしく摂り入れたいという意向が増え、プロテインレシピとして注目が集まってきたという背景が考えられます。
粉末プロテインやオートミールなどを使って、プロテインがしっかりと摂れる人気のプロテインレシピをジャンルごとに紹介します。
これまでは、プロテインといえば動物性プロテイン(ホエイ)が主流でしたが、最近では植物性プロテイン(ソイ)の商品も増え、バラエティが豊富になってきました。多様な商品が販売されることでより一層市場は拡大し、新たなプロテインレシピも続々誕生してくることでしょう。
いまだ収束の兆しが見えないコロナ禍で「免疫力アップ、体質改善、普段の食事を通して身体の中から健康になる」という生活者の意識は変わらず優先度が高く、それに伴って身体の源となるプロテインへの注目度も高まっていくことが予想されます。