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コラム

アメリカで大人気!新しい食べ方「カリフラワーの丸焼き」が絶品すぎる

【アメリカの最新ごはん事情vol.3】1989年に渡米し、「セレブ御用達プライベートシェフ」としてアメリカで料理を作り続けてきた明比玲子さんに、日本ではなかなか知ることができないアメリカの食事情を教えてもらいます。第3回目のテーマは「カリフラワー」です。日本でも大流行したカリフラワーライス、実はアメリカが発祥地。今回は、長年アメリカで支持されているカリフラワーのおいしい食べ方を紹介します。

アメリカではポテトの代わりに「カリフラワー」が大活躍

手前2列の寿司はシャリがカリフラワーライス

カリフラワーは、今やアメリカ人に欠かせない食材。寿司のシャリにも使われるくらいです。ここまで浸透した理由は、ロカボ(緩やかな糖質制限のこと)が大流行して、ポテトの代わりにカリフラワーが使われるようになったからです。

それは、2002年に再出版された「Dr. Atkins' New Diet Revolution (アトキンス式 低炭水化物ダイエット)」というロカボダイエット本がきっかけでした。それとともに、ニューヨークなどアメリカの大都市から、パン、パスタ、米が次々に消えていきます。レストランで座るとすぐに出されていた「ブレッドバスケット」も、いつのまにか消えていました。それぐらい、ロカボダイエットが大流行したのです。

マッシュドカリフラワー

今まで炭水化物で満たしていたお腹を何で満たすのか?そこで登場したのが、食べ応えのある低糖質のカリフラワー。とにかく色々なカリフラワー料理がレストランのみならず、インターネットを賑わせました。

その中でも、
・マッシュドカリフラワー(又はピューレ)
・カリフラワーライス
・カリフラワーステーキ
・カリフラワーの丸焼き
が人気を得ました。肉好きのアメリカ人がロカボを始めて一番最初に困ったことは、マッシュドポテトが食べられなくなったことなのでしょう。マッシュドカリフラワーが真っ先に現れたのです。

「カリフラワーライス」はハリウッドスターの息子が生みの親

日本でも大流行したカリフラワーライス

カリフラワーライスは、1998年にハリウッドスターハリソン・フォードの息子でシェフのベン・フォードが、何気なくラム料理の付け合わせに作ったのがはじまりと言われています。その時は、カリフラワー・クスクスと呼ばれていました。

その後、2010年にニューヨークで有名なフレンチシェフ、エリック・リペルトが、自身のオンライン番組で、カリフラワー・クスクスのサラダを作り、徐々に流行りはじめます。爆発的に流行ったのは2016年〜2017年ぐらいで、現在はヘルシー志向の人に定番のメニューになっています。

前述の流行したカリフラワー料理は、それぞれのダイエット法に合うように少しずつ形を変え、今やヴィーガンやロカボ、ケトン体ダイエットにはなくてはならない料理になっているとともに、ダイエットをしていない人にもおいしく食べられる料理として親しまれています。

クリスマスより大事な「サンクスギビング」もカリフラワーがマスト

ターキーの代わりにカリフラワーが活躍

アメリカ人みんなが食べられるカリフラワーをフルに活用できる場として、サンクスギビングがあります。サンクスギビングは毎年11月の第4木曜日で、宗教など関係なく家族が集まるため、いわゆる日本のお正月のような感じで、アメリカではクリスマスよりずっと大事な祝日です。

そして、いつもはあまり料理をしないアメリカ人も、この日は家でターキーを焼き、副菜を作ります。近年は、ベジタリアン、ロカボなど色々なダイエットをしている人がいるため、カリフラワーはこういう場で大活躍です。

ヴィーガン、ベジタリアンは、カリフラワーの丸焼きをターキーに見立てて、サンクスギビングのメインとし、他の人は副菜として食べます。

どんな料理にも合うカリフラワー料理をご紹介

今回は、ヘルシーかつシンプルで、どんな料理にも合う飽きがこないカリフラワーレシピをご紹介します。この丸焼きを初めて食べたのは、Miznon(ミツノン)というイスラエルからやってきたピタパンサンドのお店です。とてもおいしく、あっという間に食べてしまったのを覚えています。

カリフラワーライスに飽きた方も、この料理でカリフラワーのおいしさをもっと知っていただければ嬉しいです。

シンプルだから旨い!カリフラワーの丸焼き

<材料>

カリフラワー......1個(700g〜1kg弱ぐらい)
水......カリフラワーが隠れる量
岩塩など良質な塩(お湯に入れる用)......1Lに対して11g
岩塩など良質な塩(ふりかける用)......6g
良質なオリーブオイル......適量

<作り方>

1.オーブンを290℃(もしくは、可能な限り高温)に温める。
2.大きめの鍋に水を入れて沸騰させる。
3.カリフラワーとお湯に入れる用の塩を2に入れて約10分、ナイフがすんなり入るぐらいまで茹でる。
4.崩れやすいので、気をつけながらカリフラワーをすくい、よく水切りをする。
5.天板の上で素手で触れるようになるまで休ませる。
6.オリーブオイル大さじ1〜2ぐらいをカリフラワー全体に塗って馴染ませる。特にトップにはよく塗っておく。
7.塩をトップにふりかけ、1のオーブンに入れて、表面に焦げ目が少しつくまで約20分焼く。
8.好みで、さらに表面にオリーブオイルを塗って出来上がり。

茹でる時は、できる限りカリフラワーが浮かずに常時お湯に浸かっているように、何かで重しをするか、菜箸などで浮き上がってこないように押さえておきましょう。大きさによって茹で時間は異なるので、こまめにチェックを。ここで茹ですぎると、おいしくなくなります。カリフラワーを丸ごと全部食べられるこの料理。ぜひ、お試しください。

明比玲子

兵庫県芦屋市生まれ。1989年に渡米し、ニューヨークのシェフ養成学校で学んだ後、本格的に料理に取り組む。著名レストランでパティシェとして経験を積み、アメリカ人と日本人に料理とお菓子の指導も行う。日本の料理雑誌への寄稿やフードスタイリングも行いつつ、2008年からは、コンサルティングの仕事なども兼ねながら、ニューヨークセレブのプライベートシェフとして、活躍中。
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