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インタビュー

老け込む人と若々しい人の違いは“たんぱく質”にある!?動ける体を保つ「60歳からの食事」

年を重ねていくと、若いころとは明らかに違う体の不調を感じる人も少なくないのではないでしょうか。そんなときに気をつけたいのが食生活、特に「たんぱく質」の摂取についてです。今回は9月27日に発売された『夫婦ふたりにぴったりの60歳からのたんぱく質しっかりごはん』(宝島社)の著者で料理家の岩﨑啓子さんに、たんぱく質の重要性とおすすめの食べ方について話を聞きました。

たんぱく質は生きるうえで欠かせない栄養素

――今回の新刊は「たんぱく質」がテーマです。なぜたんぱく質を摂った方がいいのでしょうか?
人間の体はたんぱく質で形成されています。体を支える筋肉や骨、栄養を体に運ぶ血液、皮膚や髪を作るのにもたんぱく質は欠かせません。さらに、食べ物を消化したり、エネルギーに変えるときに必要な酵素もたんぱく質の一種です。まさに生命を維持するために必要不可欠なものといえます。

――60代にたんぱく質が必要な理由はなんですか?
どの年代の方もたんぱく質は積極的に摂取したほうが良い栄養素です。でも、60代以降は食事量がぐんと減り、たんぱく質の摂取量が少なくなってしまう人が多いんです。そうすると、骨や筋肉が弱って“動けない体”になってしまいます。今、日本人の平均寿命は男女共に80歳を超えていますよね? でも、健康寿命は70代といわれています。60歳を過ぎるとあっという間にその健康寿命を迎えてしまう。動ける体を保つためにもたんぱく質を摂取することが大切なんです。

――たんぱく質を摂れていない人ってそんなに多いんですか?
多いです。50代はまだ無理もきくし、少しくらい食生活が乱れてもそれが顕著に表に出ることは少ないと思うんです。でも、60歳って人によっては定年を迎えてライフスタイルが変わる人もいますし、いつの間にか「髪の毛が細くなってきた」「なんとなく体力が落ちてきた」と感じることが増えてくる。それはたんぱく質が減っているからなんです。「まだ自分は若い人に負けないわ」と思っていてもこれからの健康について考えなければいけない。それが60歳くらいなんです。

朝から納豆がおすすめ!苦手な人は卵や豆腐もあり

――60代のたんぱく質の摂取量は、1食につきどのくらいが理想ですか?
60歳の場合、1日に必要なたんぱく質の量は男性65g、女性50gといわれています。でも、実際はこれにプラス10gくらいは摂ったほうがいいかもしれません。

――1回で一気に食べてもいいんですか?
たんぱく質を摂取したほうがいいといっても、1食で大量に食べるのは体によくありません。朝、昼、晩とバランスよくたんぱく質を摂取しましょう。朝からそんなにしっかり食べられないという方は、納豆ご飯でもOK。納豆はたんぱく質のほかにカルシウムの吸収をよくするビタミンKも入っていますし、腸内環境も整えてくれるすばらしい食材です。調理せずにそのまま食べられて手軽なので、ぜひ朝に取り入れてみてください。納豆が苦手な人は、卵やチーズ、お豆腐も手軽にとれるたんぱく質食材なのでご飯に1品つけるのにおすすめですよ。

――そのほかに積極的に摂ったほうがいい食材はありますか?
やっぱりお肉やお魚は食べたほうがいいです。特に牛の赤身肉が鉄分も豊富でおすすめです。とはいえ、家計のことを考えるとそんなに頻繁に食べることができないですよね。その場合は、豚肉や鶏肉でも問題ありません。豚の場合は、脂の多い豚バラ肉よりヒレ肉を選ぶといいでしょう。豚肉や鶏肉は牛の赤身肉より鉄分量は少なくなりますが、その分ほかの食材で補うようにすれば大丈夫です。

――献立を立てるときに注意することはありますか?
主菜のお肉やお魚だけではビタミン、ミネラルが不足してしまうので、海藻やきのこ、色の濃い野菜も一緒にとるようにしましょう。最近はダイエットのために炭水化物を控える60代の方も増えていますが、白米や小麦粉にもたんぱく質は豊富に含まれているので、主食をしっかり食べることも大切です。

岩﨑先生おすすめのたんぱく質レシピ

――たんぱく質を摂取できるおすすめのレシピを教えてください。
「夫婦ふたりにぴったりの60歳からのたんぱく質しっかりごはん」のレシピから、お肉とお魚から1品ずつ紹介したいと思います。どちらも手間がかからず、材料も少なくすむので、ふたり分のご飯でも作りやすいですよ。

鶏ささみの卵揚げ

【材料2人分】
鶏ささみ...200g
溶き卵...1/2個分
A
しょうゆ、酒...各小さじ1
しょうが汁...小さじ1/2
塩...少々

小麦粉、サラダ油...各適量
ゆずこしょう...適量
梅干し...1/2個
みりん...小さじ1/2

【作り方】
1.鶏ささ身はあれば筋をとって食べやすく切り、Aを混ぜてからめ、10分ほどおく。
2.1に小麦粉をまぶして卵にくぐらせる。
3.フライパンに1cm深さくらいまでサラダ油を入れて170度に熱し、2を揚げる。
4.梅干しをたたいてみりん でのばした梅肉だれ、ゆずこしょうなどを添えて。

おすすめポイント

鶏のささみは柔らかくて卵を絡めると口当たりもよくなります。鶏のむね肉も同じくたんぱく質が多く含まれていて疲労回復にも効果がありますが、ささみのほうが柔らかいので噛む力が弱ってきた60代以降にはささみのほうが食べやすいかもしれません。また、年を重ねて油物が苦手になってきたという方もいますが、このレシピは揚げ焼きで作るので油の量も少なくすみます。

サーモンソテーヨーグルトソース

【材料2人分】
生鮭(切り身)...大2切れ(200g)
塩...小さじ1 / 4
こしょう...少々
オリーブ油...小さじ1
A
プレーンヨーグルト...大さじ3
マヨネーズ...小さじ2
にんにく(すりおろし)...少々
塩、こしょう...各少々

【作り方】
1. 鮭は塩、こしょうをふる。フライパンにオリーブ油を熱し、両面を焼いて火を通す。
2. 1を皿に盛り、Aをよく混ぜたソースをかける。あればルッコラなどの彩りを添える。

おすすめポイント

ヨーグルトソースで鮭特有の魚臭さも消えて食べやすくなります。ヨーグルトソースは火を使わずにできるのでおすすめです。

――60代、これからの食生活で気をつけることは?
「たんぱく質を摂りましょう」というと、そればかり意識してしまう人がいますが、食事はあくまでバランスが大事。たんぱく質は1回に吸収できる量が決まっていて多く摂りすぎても脂肪になってしまうので、消費できなければ意味がありません。1食まとめて摂りすぎないようにする、植物性と動物性のものを半々に食べるようにするなど、食べ方にも偏りが出ないようにしましょう。動ける体を維持するためにも、満遍なくしっかり食べて、よく動く。そういったことを心がけていくといいと思います。

『夫婦ふたりにぴったりの60歳からのたんぱく質しっかりごはん 』(宝島社)

岩﨑啓子(いわさきけいこ)

料理家、管理栄養士 料理研究家のアシスタント、保健所での栄養指導などを経て独立。雑誌や書籍で提案する、最新の栄養学に基づくバランスのいいレシピは、抜群のおいしさで定評がある。食事療法からアイデアレシピまで著書多数。近著に『おなかいっぱい食べてもマイナス10kg! オートミール楽やせスープレシピ』(宝島社)、『ほったらかしでもごちそうが完成 ! 糖質オフの電気圧力鍋レシピ』(ナツメ社)など。

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