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コラム

健康的な食生活は、もはや贅沢…!?食費を削る前に見直したい「子どもごはん」に選ぶべき食材

細川モモ

ラブテリ トーキョー&ニューヨーク代表理事

【"成功する子"の食事術vol.7】子どもの成長に食事が大切ってことは分かっているけれど、どんなものを作ればいいの?毎日のことだから、悩んでいる親御さんも多いはず。シリーズ累計14万部突破「成功する子は食べ物が9割」の著者・細川モモさんに、20年後に後悔しない子どもの食事術を教えてもらいましょう。

止まらない物価高!家庭の食卓、どうなる!?

お肉やお魚、米、野菜、果物、食材にとどまらず、調味料まで全て値上げ・値上げ・値上げのラッシュ! とどまることを知らない物価高に、悲鳴を上げたくなってしまいます。物価高を機に、家計の見直しをしているご家庭も多いのではないでしょうか。そして家計の見直しをした時に、一番削られがちなのが「食費」。確かに、モノを選ばなければいくらでも削減できてしまいますからね。実際、食費を削ったという声は数多く聞かれ「健康的な食生活は、もはや贅沢」という、目を疑いたくなるようなニュースまで見かけます。

子どもの成長期は待った!ナシ

でも、ちょっと待って。円安だろうが、値上げだろうが、そんなことはお構いなし! どんな理由があろうとも一切待ってくれないのが、子どもの成長期です。栄養をしっかり摂れなかったがために、身長が伸びなかった、脳を育てることができなかった、集中力や学力が向上しなかった…後悔しても、もう遅い。今しかない、子どもの成長期を支えるのは、間違いなく「毎日の食事の積み重ね」。今食べているものが、10年後、20年後の子供の将来をつくる、揺らぐことのない土台となるのです。

どっちの食材を選ぶ?賢い選択で栄養チャージ

子どもの成長期にしっかり栄養チャージ&物価高にも負けない! それを叶えるコツは、より効率的に栄養を摂れる“賢い食材の選択”をすること。大丈夫。給食だって限られた予算内で1日に必要な栄養素の1/3〜1/2を補えるんです。お金をかけなくては栄養が満たされない…ということにはなりません! 特に、成長期の子どもの体と脳をつくるキーワードとなるのが「たんぱく質」「カルシウム」「ビタミンD」「DHA」「鉄」。ここからはクイズ形式で、食材の上手な選び方をご紹介します。ぜひ楽しみながらご覧ください!

・豚バラ肉vs豚もも肉

よりたんぱく質を多く含むのは、豚もも肉。豚バラ肉は脂が多い分、たんぱく質量は少なめです。たんぱく質は筋肉や免疫をつくるもとになったり、鉄とセットでヘモグロビンをつくったりする栄養素です。

・牛乳vs豆乳

カルシウムの観点から見ると、牛乳の勝利! カルシウムは骨をつくり、成長をサポートしてくれる栄養素。しかし、見方を変えて鉄分の観点から見ると、豆乳の方が鉄分は豊富です。

・しいたけvs舞茸

免疫の調整をしたり、骨を強くするビタミンD。舞茸はきのこの中でも、ビタミンD含有量がトップクラスです。さらにビタミンDが豊富なのが“乾燥”しいたけ。日光に当たることでビタミンDが生成され、より豊富になります。

・生サバvs水煮缶サバ

水煮缶サバの方がDHAが豊富。DHAは子どもの脳をつくる貴重な栄養素。特に青魚に豊富に含まれています。また、もう一つ注目したいのがカルシウム。水煮缶サバは何と生のサバに比べて43倍(!)のカルシウムがあります。骨まで柔らかくなっているので、カルシウムが飛躍的に増加します。

・ほうれん草vs小松菜

どちらも鉄を多く含む野菜ですが、実は小松菜の方が鉄は豊富。鉄分は血液をつくるのに欠かせない栄養素。貧血は、「立ちくらみ」「肌が青白い」などを思い浮かべる方は多いと思いますが、「疲れやすい」「集中力がない」などの症状も、貧血が背景になることが多いです。

・中玉トマトvsミニトマト

中玉トマトより、ミニトマトの方がβ-カロテンが豊富。その差はなんと1.8倍! β-カロテンはビタミンAに変換されて作用する栄養素。強い骨づくりのサポートや成長を支える栄養素です。

メイン画像提供:Adobe Stock

細川モモさんの新刊著書

「成功する子は食べ物が9割 栄養ぐるぐるレシピ」主婦の友社

家計の強い味方である鮭・サバ・鶏肉・ひき肉など、毎回料理に使って子どもに「飽きた〜」「またこれ?」と言われて献立のマンネリ化に悩んでいませんか?

お馴染み食材を、例えばほうれん草なら「胡麻和え」「のり和え」「おかか和え」「梅肉和え」などの“味変”で飽きせないようにできます! 食費の物価上昇に給食メソッドで対抗し、子どもの成長を守る“味変”献立レシピを掲載した「成功する子は食べ物が9割 栄養ぐるぐるレシピ」をぜひご活用ください。

細川モモ

ラブテリ トーキョー&ニューヨーク代表理事
2009年春に、医師や管理栄養士を中心に13種の医療専門家及び博士/研究者が所属する「ラブテリ トーキョー&ニューヨーク」を発足。専門家の知識を分かりやすく提供することで、日本の家庭教育と子どもたちの健康をサポートしようと幅広い活動を展開。さらに、予防医療のなかでも、”母子健康”に注力。課題は深刻だが国のサポートが手薄なため、妊娠前/妊娠中/産後の女性の健康支援を通じて、次世代の健康の底上げに取り組んでいる。生まれてくる赤ちゃんの栄養状態・成長は妊娠前のママの栄養状態に影響されるが、働く女性の栄養状態は近年悪化している。日本の未来を守るためにも、母子栄養を潤す事は必要不可欠と考え、栄養状態の悪い女性を減らすことで不妊症や低出生体重児を予防し、1人でも多く健やかな赤ちゃんが生まれることを願い、走り続けている。
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執筆者情報

細川モモ

ラブテリ トーキョー&ニューヨーク代表理事
2009年春に、医師や管理栄養士を中心に13種の医療専門家及び博士/研究者が所属する「ラブテリ トーキョー&ニューヨーク」を発足。専門家の知識を分かりやすく提供することで、日本の家庭教育と子どもたちの健康をサポートしようと幅広い活動を展開。さらに、予防医療のなかでも、”母子健康”に注力。課題は深刻だが国のサポートが手薄なため、妊娠前/妊娠中/産後の女性の健康支援を通じて、次世代の健康の底上げに取り組んでいる。生まれてくる赤ちゃんの栄養状態・成長は妊娠前のママの栄養状態に影響されるが、働く女性の栄養状態は近年悪化している。日本の未来を守るためにも、母子栄養を潤す事は必要不可欠と考え、栄養状態の悪い女性を減らすことで不妊症や低出生体重児を予防し、1人でも多く健やかな赤ちゃんが生まれることを願い、走り続けている。

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