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コラム

これ、何…?ベトナムで食べて衝撃を受けた「白いてろてろ」の正体

“クックパッド芸人”を自称し、自らのキッチンに1000品以上のレシピを掲載している「藤井21」さん。1人(ソロ)で作って1人で食べるという「ソロ飯」を日々楽しんでいるそう。藤井21さん自作のおすすめレシピと、悲喜こもごものエピソードをご紹介します。

去る昨年11月、私は人生2度目のベトナムにいた。初めてベトナムを訪れたのは2020年の2月。世界がコロナ禍に入る直前、ベトナム人の友達の結婚式に参列するためだった。

人生2度目はまたしても友達が結婚するというので急遽ベトナムへ飛んだ。仕事の都合で結婚式には参列できなかったが、結婚祝いを渡して友達家族と食卓を囲んで楽しい時間を過ごした。

今回の旅でも色々な新しい経験ができたし色んなものを食べた。友達が住む豪邸や、家族が振る舞ってくれた料理、ベトナムの水煙草は2度めの訪問にして初めて吸い方がわかった。

バイクが縦横無尽に行き交い、むせ返るようなハノイの喧騒と濃い緑のコントラストも、道端でプラスチックの椅子に座って飲むお茶屋さんも、やけに牛肉炒めを薦めてくるビアホイ屋※1のおじさんも。不思議とこの国の風土と人、そして料理がどうやら僕には合っているらしい。

ベトナム滞在中は基本的にご飯はローカル屋台かビアホイ屋で済ませていた。ベトナム、特にハノイの旧市街では色々な料理の屋台が軒を連ねている。ベトナムの料理屋さんは日本の定食屋や居酒屋のスタイルとは若干違う。日本の定食屋では唐揚げ、生姜焼き、ハンバーグ、ラーメンやうどんそば等色々な種類の料理があるのが一般的だ。だがベトナムの屋台では、海鮮系のフォー屋さん、ここはバインミー屋さん※2、ここはブンチャー屋さん※3等々それぞれのお店が専門店化している。

専門店といってもバインミー屋さんなんかは道端にショーケースみたいなのが置いてあるだけで、そこにいるおばちゃんに1個とジェスチャーで伝えると目の前でパンに具材を挟んでくれてノートの切れ端に包んでほいと渡してくれる。

比喩ではなく本当にノートの切れ端だ。

ちなみにどの屋台も看板の文字はベトナム語オンリーなので読めないしメニューだってもちろんベトナム語だし見本の写真はないので、私はいつも調理している様子と他のお客さんが食べているものを見て何屋さんか判断している。

それでも何のお店か分からない時が多々あって結局分からないまま注文して食べてから「これはミントとレタスを入れて食べるフォーの店だな」とか分かったりする。そんなハノイの屋台が僕は大好きだ。

そんなハノイの屋台で調理風景を見ても分からない、他の人が食べているものを見ても分からない、果ては実際に食べてみても全く何かはわからない、でも美味いものがあった。それがこちらだ。

すごく…白くててろてろしてる!

手前の白くててろてろしたやつを器に入ったタレで食べる料理なのだけど、てろてろの中には炒めた挽肉とキクラゲが入っていて、タレは酸っぱ甘くてベトナムでよくあるタレだ。でもメインの白のてろてろだけが何かわからない!でも何だかこの独特の食感が美味い!!

そしてこういう何か分からないものは大体ベトナム人の友達レーさんが解決してくれる。

というわけで写真をレーさんに見せるとこれは蒸した米粉の皮で具を包んだもので朝ごはんでよく食べるらしい。さすがレーさん。

というわけで日本に帰ってから材料を揃えてLet's白いてろてろ!!

ちなみに白いてろてろを作る粉と何となくの作り方はうちから徒歩5分の所にある日本語が一切書いてないベトナム食材のお店のお兄ちゃんが教えてくれました。

『もちぷる食感のバインクオン〜ベトナム飯〜』

これこれ!このもちぷる食感!みんな好きなやつじゃん!!これ絶対流行る!!次に来るのはこのもちぷるに違いない!!と言うわけで皆さん近々「もちぷる」が流行ります。

※1-ビアホイ:ベトナムの生ビールの1種。大衆酒場で愛される飲料。
※2-バインミー:ベトナム風サンドイッチ。米粉のパンになますやレバーパテ等の具材を挟んだもの。
※3-ブンチャー:米粉の細麺をハーブやレタス等と一緒に肉入りの甘い付けダレで食べる料理。

藤井21(ふじいにじゅういち)

料理と笑いで天下を目指す男性ピン芸人。
埼玉県東松山市出身。東松山のやきとりを愛し、東松山市親善大使「東松山市應援團」の一員。食品衛生責任者の資格を持ち、クックパッドには1000以上のレシピをアップしている。日本テレビ系列『ウチのガヤがすみません!』などに出演。

>>オフィシャルブログ「良い香りのある生活

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