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コラム

レンジ2分×2回で完成! “ス”がたたない「滑らかプリン」の作り方

料理がもっとうまくなりたい!を叶える、プロの料理人による料理のパーソナルコーチングサービスmoment。 第7回は6年連続ミシュランビブグルマン獲得「bistro Tiroir」川島大輔シェフが、電子レンジでできる「プリン」の作り方を伝授します。レッスンの様子を覗いてみましょう!

大人も子どもも大好き! 滑らか食感の王道プリンを作りたい!

さやこさん

プリンは器具の準備が面倒で…。思い立った時すぐ作りたい性分なので、流行りのレンチンでやってみたんですけど、 “ス”が立っておいしくなかったんですよね。

川島コーチ

卵、そして電子レンジの特性を理解すればうまくできます。プリンは香ばしいカラメルと滑らかな生地が舌の上でとろけていくのが完成形。今回は卵液の加熱・膨張の仕組みを知り、火入れ状態を見極めるのがポイント。それ以外はとっても簡単なので、楽しく作っていきましょう。

材料(容量200ml程度の耐熱容器1個分)

<カラメル>
砂糖15g
水12g
<プリン生地>
卵(Lサイズ)1個
砂糖20g
牛乳80g
バニラエッセンス好みで2〜3滴

作り方

(1)カラメルを作る。耐熱容器に砂糖と水を入れて混ぜ、ラップをかけて500Wの電子レンジで3分加熱する。まだ透明な場合は10秒ずつ追加で加熱し、カラメル状になったら粗熱を取り、冷蔵庫で冷やし固める。

(2)プリン生地を作る。ボウルに卵を割り入れ、砂糖を加えて泡立て器ですり混ぜ、砂糖が溶けたら牛乳、好みでバニラエッセンスを加えて混ぜ合わせる。きめの細かいざるでこし、(1)の器に流し入れる。

(3)ひと回り大きい耐熱容器の1/3の高さまで約40度の湯を入れ、2を入れてラップをかけ、電子レンジで2分加熱する。一旦出して生地をスプーンで優しく混ぜる。

(4)再びラップをして電子レンジで2分加熱する。まだ液状の場合は10秒ずつ追加で加熱し、固まったら粗熱を取り、冷蔵庫で約半日冷やし固める。食べるときに器のふちにナイフを入れ、返して皿に盛る。

※600Wの電子レンジの場合は、0.8倍の分数で加熱してください。

材料は1個分。まずはカラメルをレンジ調理

さやこさん

家にあるものですぐできますね! 砂糖は何でもいいですか?

川島コーチ

おすすめはクセがなくなじみやすいグラニュー糖。なければ上白糖や三温糖でもいいですよ。カラメルは小鍋で作ると仕上げの水を入れる時に跳ねやすく、ハラハラしますよね。電子レンジなら安心。やや焦げっぽい色でフツフツしていたらOKです。レンジを開けると香ばしい匂いがしてくるので、すぐわかると思います。

おいしくなるコツ①卵液をこす

川島コーチ

生地作りもとっても簡単。卵と砂糖を混ぜる時は、泡立つと空気が入ってスが立ちやすくなるので「すり混ぜる」イメージで優しく混ぜて。混ぜ終わった後、ざるでこすと滑らかな食感になります

さやこさん

簡単ですね!!このひと手間ならできそうです。泡立ってしまったときの対処法はありますか?

川島コーチ

容器に卵液を注いだとき、器のふちに気泡が多いと泡立っているサイン。テーブルに優しくトントンと置いて中の気泡を表面に上げ、しばらくおいて落ち着かせると気泡が消えていきます。ふちの泡が気になるときは、ペーパーなどで拭き取っても。

おいしくなるコツ②湯せんして2回に分けて加熱

川島コーチ

加熱時のポイントは2つ。1つ目は「湯せん」で、温度の急上昇を防ぎます。そして最大のポイントが「加熱を2回に分ける」こと。途中で一旦出して生地を優しく混ぜ、中の温度を均一にします。 卵は一気に加熱する(=温度が高まる)とムクムクと膨張して、破裂し、それがしぼむことでザラついた食感になります。卵は60度くらいから固まりますが、水は100度で沸きますよね。スというのは、高温により卵がすでに固まっている中で水分が蒸発し、気泡になってしまった状態。ですから、ゆっくり熱を入れて膨らませない(=水分を蒸発させない)ようにするのが重要です

さやこさん

たしかに。オーブンや蒸し器の場合も、一定温度でゆっくり加熱していきますよね。

川島コーチ

はい。レンジの場合は、加熱を2回に分けることによって温度の急上昇を防ぎます。生地がほんの少し膨張して、器を揺らしたときにふるふるとしている(=液状ではない)状態になったら完成です。粗熱を取り(ここで生地がややしぼみます)、冷蔵庫で冷やし固めましょう。

さやこさん

カラメルがほんのり苦くて香ばしく、生地は滑らか! レンジで作ったとは思えない本格プリンです。おもてなしにも活躍しそう。今回も簡単でおいしいコツを教えていただき、ありがとうございました!!

(TEXT:Kumi Sunaga PHOTO:Tomomi Chijiiwa)

教えてくれたコーチ:川島大輔(bistro Tiroirシェフ)

調理師学校卒業後、イタリアンレストランでの勤務やブライダルシーンでの調理などを経て、「レストランモナリザ(丸の内)」、「ヒロミチ(恵比寿)」に勤務。
2017年「bistro Tiroir(ビストロ ティロワ)」オープンにあたり同店シェフに就任。 同年より6年連続ミシュランビブグルマン獲得。

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