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コラム

ドイツ出身女性が驚く「スゴすぎる」日本人の家事

スッキリとしたシンプルな暮らしを送るドイツの人たち。そんな暮らしを維持するために家事に多くの労力と時間を割いているかと思いきや、家事に疲弊しないための考え方や習慣があるようで…。ドイツ出身のエッセイスト、サンドラ・ヘフェリンさんの著書『ドイツの女性はヒールを履かない ―― 無理しない、ストレスから自由になる生き方』から、暮らしのヒントを紹介します。

家事についてはスパッと諦めるのがドイツ流

ドイツの家は整理整頓が行き届いていることが多く、スッキリとした暮らしをしている人が多いです。家事に多くの時間を割いていると思われがちなのですが、日本でいう「丁寧な暮らし」をドイツ人は意外としていなかったりします。

日本では母親が子供の使うものやお弁当も含む食事を全部手作りすることが「当たり前」だと思われているところがあります。家の中のいたるところにお母さんの気配りというか優しさが見える生活が理想だとされています。

実際日本で専業主婦をしている女性は多くの時間を使い、自分の中のクリエイティビティー(creativity)を最大限に生かし家の中のことや家族のために使っているように感じます。例えばキャラ弁一つにしても、今はキャラ弁用のたくさんのグッズが売られているとはいえ、やはり作る側のセンスが求められます。

日本でびっくりするのは、ほとんど芸術家レベルにクリエイティブなお母さん方が多いこと。当然出来上がるキャラ弁も、「食べるのはもったいない!美術館に飾っておきたい!」と思ってしまうレベルのものです。

それではドイツではどうなのかというと、子供のおやつは基本的に、食品保存容器にサンドイッチやリンゴ、バナナなどを入れたシンプルなものです。子供が自分の歯で噛むほうが良いということで、果物のカットさえしません。全くクリエイティブではないけれど親は楽です。

機械と他人に頼って、時間はかけない

家事も極力「シンプルさ」を追求するのがドイツ流。ではそのシンプルはどういう形かというと、「機械」と「人」にとにかく頼るというもの。

例えば食器洗い機。日本では小さい器が多いことやお箸を使うこともあって、食器洗浄機があまり家庭に普及していませんが、ドイツ人にとっての食器洗いとは、全部サッと食器洗い機に突っ込んで、あとは出すだけ、という非常にシンプルなもの。掃除に関しても、自分たちでももちろんしますが、月に何回か掃除のプロの人に来てもらって、家の中やキッチンを掃除してもらうことにドイツでは抵抗のない人が多いです。

ドイツの場合、家事に関しては時間がかかるものとして最初から「諦めている」部分があります。かといって、「自分で家事のために時間を作り出そう」とか「週末に家事をしよう」という発想はありません。

週末には家事などではなく、心がときめく非日常的なことをしたいと考える人が多いのです。ドイツの社会は基本的に男女平等ですので、男性が「妻や恋人など『女性』が家事をする」ことを期待するのも最近ではタブーだとされています。家事や家の中のことに関しては、ドイツでは「忙しくても、やればできる」というような体育会系的な発想や精神論よりも「機械と他人に頼る」という合理的なやり方が主流です。

画像提供:Adobe Stock

著者メッセージ

パンプスやヒールを脱いで「歩きやすい靴」を履くことで、人生だいぶ楽しくなります。会社が終わった後、「ちょっと一駅歩いて帰ろうかな」「ショッピングに出かけようかな」…そんな気分になった時、歩きやすい靴を履いていると、すぐに出かけることができます。 逆に長く歩くには適さない靴を履いていると、「やっぱりやめておこう…」とそのまま家に帰るハメに…。靴って女性の「活動」に結構な影響をあたえるものです。この本のメッセージは「楽に生きよう」。ドイツの女性は「あまりがんばらない」のです。靴もメイクもがんばらない。「自分の心地よさ」が何よりも大切。本の中で、睡眠のこと、家事のこと、そしてドイツの恋愛事情や結婚についても書きました。ドイツのほうが全てがよいわけではないけれど…この本が何らかのヒントになることができたらうれしく思います。サンドラ・ヘフェリン

書籍紹介


「空気」や「年齢」に縛られて苦労している日本の女性たちへ。 

よく歩き、よく話し、よく寝て、家事は外注し、週末を楽しみにして自分らしく、ゆったりと生きている……そんな「ドイツ流」をちょっと取り入れてみませんか?

【目次】

第1章 歩くのが大好き
第2章 お金をかけない
第3章 気楽に生きる
第4章 ヒールは履かない
第5章 努力を強いられない
第6章 週末は友人と過ごす
番外編
都内のドイツおススメ・スポット1「三輪亭」
都内のドイツおススメ・スポット2「Schomaker(ショーマッカ―)」
【門倉多仁亜さんインタビュー】ドイツ流ゆったりした暮らしのススメ

著者紹介

サンドラ・ヘフェリン
エッセイスト。ドイツ・ミュンヘン出身。日本在住25年。日本語とドイツ語の両方が母国語。自身が日独ハーフであることから、「多文化共生」をテーマに執筆活動をしている。著書に『体育会系 日本を蝕む病』(光文社新書)、『なぜ外国人女性は前髪を作らないのか』(中央公論新社)、『ほんとうの多様性についての話をしよう』(旬報社)などがある。

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