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コラム

スムージーは実はNG!「食欲がない人」の朝ごはんの正解とは?

未曽有のパンデミックを経験した現代において、自らの免疫力を高めることは非常に重要になってきています。そのためには、「生活習慣」だけではなく、健康の基礎となる内臓を鍛える「臓活習慣」が必要! そこで今回は、女優・モデル・アスリートなどの顧客も多い北京中医薬大学・医学博士である尹生花氏による著書『こころとからだを巡らせる!臓活習慣』(ワニブックス)から、健康に生きるためのヒントを少しだけお届けします。

「朝食にスムージー」の習慣は、
からだを冷やす危険性アリ!

少し前、「栄養があるから」「野菜を手軽に摂れるから」という理由で、朝にスムージーを摂ることがブームになりました。もちろん、体質に合っていればいいのですが、日本人が毎朝スムージーを摂るとからだが冷えてしまい、栄養を摂るどころか、胃腸を悪くしてしまう可能性が、とても高いのです。おそらく、わたしがスムージーを朝に摂りつづければ、体質的には、きっと1週間もせずに、胃が痛くなるだろうと思います。

スムージー自体が悪いわけではありません。体質や、摂るタイミングが合っていて、胃腸の状態が良ければ、栄養として吸収することができるでしょう。よほど暑い時期で室温も高く、からだを冷やす必要がある。そんなときに数日間だけスムージーを摂り入れるのなら良いでしょう。しかし、スムージーを習慣化することは、からだを冷やし、体調を悪くするリスクがあります。

最近では、朝ごはんとして果物だけを食べるという人もいるようですが、これについても、ビタミンなどを摂るメリットよりも、からだを冷やすデメリットのほうが大きいと思っています。朝ごはんにスムージーや果物だけで、からだの調子があまり良くない人は、ぜひ見直してみましょう。

「朝はあまり食べられない……」
それならシンプルな「おかゆ」がおすすめ!

「朝から、ごはんを食べる気にならない」「食べたいけれど、胃が重くて受けつけない」という人も、大勢いらっしゃることでしょう。そんな人に、試していただきたいのが「おかゆ」です。

消化機能が弱っているとき、臓に負担をかけることなく食べられる「おかゆ」。東洋医学でも、からだの中で食べ物の消化吸収を担う、「脾(ひ)・胃(い)」にやさしいとされるおかゆは、おすすめの食養生とされています。食養生とは、食べることでこころとからだの不調をととのえること。おいしく臓活できるのですから、取り入れない手はありません。

中国では、ほとんどの人が毎朝「おかゆ」を食べる習慣があります。中国におけるおかゆの歴史は古く、後漢時代の医学書『傷寒雑病論(しょうかんざつびょうろん)』には、すでに「おかゆ」の薬効が記されているほど。それだけ人が生きていくための養生の歴史とエビデンスがあるのです。おかゆは栄養素が高く、長寿を養うための食とも言えるでしょう。

暴飲暴食や、ストレスで疲れたからだには、断然「おかゆ」がおすすめです。

やさしい甘さでじんわりとからだを養生する
基本の「臓活おかゆ」の作り方

さて、「臓活おかゆ」のレシピは何十通りもありますが、まずは、白米と水に梅肉をのせるだけの「白米のおかゆ」をおすすめします。塩も入れず、お米のやさしい甘さがうれしいシンプルなおかゆは、ほかには何も受けつけないというときでも、からだを養生し、エネルギーを補いながら、からだをととのえてくれることでしょう。

ここでは、基本の「白米のおかゆ」のレシピをご紹介します。

〈材料・2人分〉
白米…1/2合以下、水…600㎖、梅干し…2個

〈作りかた〉
1、白米は、水がにごらなくなるまで洗って、ざるにあげる。
2、梅干しは種を取り除き、包丁でたたく。
3、鍋に白米と水を入れて中火にかける。沸騰したら木べらで鍋底をこそげるように混ぜ、少しずらして蓋をして、弱火で30分煮る。
4、器に盛り、梅肉をのせる。

「白米のおかゆ」で体調が戻ってきたら、からだの状態や季節に合わせて具材を変えていきましょう。たとえば鶏肉や鮭など、たんぱく質を加えるのもいいですね。ちなみに、おかゆを作るときは、鍋の上澄みにこそ栄養がありますから、絶対に捨てず、そのまま召し上がるようにしてください。

本文は『こころとからだを巡らせる!臓活習慣』(ワニブックス)より一部抜粋・編集しています。

メイン画像提供:Adobe Stock

著者メッセージ

健やかなこころとからだを作るために、もっとも簡単に取り入れやすく、大切にしたいのが食養生です。 みなさんは毎日「朝ごはん」を食べていらっしゃいますか?
さまざまな不調を抱える多くの人が、「朝食抜き」という事実があります。「朝ごはん」は少量でもいいので、とくに不調がない場合はたんぱく質をメインに摂ることをおすすめします。
食欲がない方は、記事でご紹介した「おかゆ」から始めてみましょう。そしてやはり食事のコツとして意識したいのは「旬のものをバランスよく食べる」こと。
本書では、こうした食養生に加え、「かかとを意識した歩き方」や「イライラしたときの対処法」など、ちょっとした工夫で簡単にでき、日常に取り入れやすい「臓活習慣」についてお伝えしています。

書籍紹介


人生100年時代と言われる今、これからは「生活習慣」だけではなく、内臓を鍛え、巡らせる「臓活習慣」を!  ベストセラー『みんなの臓活』尹生花先生の最新刊!

女優・モデル・アスリートが心底信頼している尹生花先生の知識が詰まった、初めての健康エッセイ。 中医学5000年の実績とエビデンスを、こころとからだに取り入れるために……。読むだけで今すぐ生活に取り入れられ、健康に生きるためのヒントがいっぱいです。

Contents
第1章 基本の習慣 ~生活の中で、今すぐ取り入れられること
見えなくても「気」は存在している/公園は臓活にうってつけのパワースポット/習慣化したい「かかと」を意識した歩き方  など
第2章 食するということ ~健やかなこころとからだを作る食事の習慣
からだ作りは「朝ごはん」から始まる/「7時頃に朝ごはん」が臓活習慣の基本/季節ごとに取り入れたい食材  など
第3章 不調・症状 五臓からの声に耳を傾ける
機嫌の悪い人は「気の巡り」が悪い/気が上がって眠れないときは「わきの下」をたたく/夏場の不眠には、夕食に「夏野菜」を  など
第4章 こころのとらえ方 ~気を巡らせることのできる考え方とは
こころに余裕がないときは「会う人を選ぶ」/「気」とはガスボンベのようなもの/情報はかならず「トータルで判断」する  など

著者紹介

尹 生花(Yin Seika)
北京中医薬大学博士課程(医学博士)修了。早稲田大学ビジネススクール(MBA)卒業。厚生労働省認可・はり師・きゅう師資格取得。「HMB(日本ホリスティックメディカルビューティ協会)理事長。「世界中医学学会連合会体質研究専門委員会」常務理事。美容健康サロン「BHY」(渋谷、銀座、表参道の3店舗)代表取締役。ホリスティックビューティの先駆者として、「体の内側と肌の相関関係」を数字で解明。美容ジャーナリスト、女優、モデルなど多くの著名人のかかりつけサロンとして知られている。著書に『五臓をのぞき、活かす 肝(かん)/心(しん)/脾(ひ)/肺(はい)/腎(じん) みんなの臓活』『みんなの臓活トレーニング』(小社刊)『まいにち臓活おかゆ』(世界文化社)など。

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