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コラム

3月21日「春分」。寒さも彼岸まで。小豆の「赤」で邪気を払う「ぼたもち」〜おいしい二十四節気〜

3月21日は「春分(しゅんぶん)」。昼と夜の長さが同じになる日であり、この日を境に、どんどん日がのびていきます。また、「春分」を中日として、その前後3日間、合計7日間を「お彼岸」といいます。「暑さ寒さも彼岸まで」。寒さがやわらぎ、おだやかな春の到来です。

昼と夜の長さが同じになる日

「春分(しゅんぶん)」は昼と夜の長さが同じになる日。この日から、昼の時間はどんどん長くなり、夜はどんどん短くなります。二十四節気の第4で、旧暦2月の中気にあたります。また、「春分」を中日として、その前後3日間、合計7日間が「お彼岸」。「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉があるように、昼が長くなるにつれ、寒さがやわらぎ、春を実感できるころです。桜のつぼみがふくらんできたり、道ばたの野草が小さな花をつけたり。春を探すお散歩なども楽しくなる季節ですね。

庶民に愛された「棚からぼたもち」

昼と夜が全く同じになるということは、このころの太陽が真東から昇り、真西に沈むことを示します。仏教では極楽は西にあると考えられていたため、真西に沈む日は極楽にもっとも近い日と考えられていました。「春分」の前後1週間が「お彼岸」にあたるのは、そんな意味があるのです。「お彼岸」にはお墓参りをし、先祖の供養をします。

ところで、「お彼岸」の供養につきもののおそなえといえば「ぼたもち」。赤い色が邪気を払うと言われる小豆でお米を包んだお餅です。
「あれ? それおはぎじゃないの?」と思う人も多いでしょう。「ぼたもち」と「おはぎ」の違いには諸説ありますが、最も一般的なのは「春の牡丹」、「秋の萩」とそれぞれの季節に咲く花に由来するという説。他にも小豆が秋に収穫されることから、とれたての小豆が使える「おはぎ」は皮ごと使う「つぶあん」。「ぼたもち」はかたくなった皮を取り除くから「こしあん」というお話も。いずれも、甘くておいしいお餅は、庶民にとってなによりのごちそう。先祖への供養ももちろんですが、「お楽しみ」として親しまれていたようです。 クックパッドの投稿にも、ぼたもちの作り方が紹介されていましたよ。

覚えておきたい!

余ったら冷凍しても

簡単!おやつに

本格的なものや簡単なものまで、いろいろレシピがそろっています。ぜひ手づくりにトライしてみてくださいね。 ところで、形状も似ている「ぼたもち」と「おはぎ」ですが、ことわざや昔話などに多く登場するのは「ぼたもち」のほう。有名なのが「棚からぼたもち」ですよね。広く庶民に愛され、生活に密着したものだったのでしょう。 「春分」の次にくるのは「清明(せいめい・今年は4月5日)。日がますます長くなり、光が明るく輝くころになります。(TEXT:田久晶子)

二十四節気とは

季節の変化と太陰暦のずれを調整するために、1太陽年を24等分にわけて設定したもの。12の「節気」と12の「中気」があり、それぞれに「立春・啓蟄・雨水・大雪」など、天候や生き物の様子を表した季節感ある名前がついています。昔から季節の変化を知る手段や農作業の目安として使われていました。人々の暮らしに根づく暦として、今も親しまれています。

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