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パクチー嫌いも虜になる!【卍力】スパイスラーメンは、圧倒されるほどの美味しさだった!

今巷に急増中だというパクチー好き、人呼んでパクチスト。その勢力は衰えず、全日本パクチー協会なるものまで存在するらしい…。とはいっても、やはりパクチーは独特の香りと酸味、苦みがあり、苦手な人も多いだろう。私はパクチーと初遭遇した際、「庭を食べているようだ!」と叫んだほどである…。しかし!今回はそんなあなたにこそオススメできる一品を紹介したい。

パクチー通の間で大きな話題になっているラーメン屋、その名も【卍力】さん。名前からして強そう!こちらの「スパイスラーメン」は、パクチーの垣根を越えてラーメン好きも関心を寄せるそうです。


西葛西駅を降り、北口を出て徒歩3分…。あやしげな黒い店構えです。勇気を出して中に入りましたが、店内も暗くてなんだか怪しい!(笑)ドキドキしながら食券を購入し、いざ、スパイスラーメンとご対面です。
今回はスパイス玉子麺をオーダー。その際、店長さんに「ラーメンにはパクチーが入っています。苦手でしたらネギに変えられますが、どちらになさいますか?」と聞いていただきました。しかし、もちろんそのままパクチー入りでお願いしました♪

スパイスラーメンとご対面

わああああ!赤い!辛そう!すごいパクチーの量!!なんともオラオラ系のいかつい見た目です。と同時に、空の胃がきゅうっとなるような、クミンのいい香りが漂ってきます。むむっカレーっぽい?そのインパクトに圧倒されながら、おそるおそるスープを一口。

あれ。そんなに辛くない。それよりもコリアンダーやカルダモンなどスパイスの豊かな香りが口いっぱいに広がり、鼻に抜けます。噛むとシャキっとした生パクチーの風味がガツンと。そして最後にコクと甘み。あとにのこるヒリリとしたさわやかな酸味と辛さ。なんじゃこりゃ!味覚と嗅覚がフル稼働です。

コワモテですが、とても優しい店長さんにお伺いしたところ、14種ものスパイスを配合したペーストが味の決め手だそう。生のパクチーの香りがきちんと感じられるように、絶妙な濃度に仕上げており、見た目の割にサラサラで透き通ったスープになっています。

最後に感じたコクと甘みの正体はエビとトマト。うまみが凝縮されています。スープ美味しすぎる。麺を食べ終わったら小ライスを投入し、スープカレー風にすることを強くオススメします。
麺は、スープがよく絡むストレート中太麺。もちもちです。ラーメンとしての完成度の高さが伝わってきます。

私が感動したのは、このチャーシュー!!口に入れた瞬間、びっくりしました!本当にとろっとろなんです。お店で丁寧に仕込まれており、大きくて厚切りなのに衝撃的な柔らかさ。このチャーシューも話題になる一因かもしれません。

トッピングの半熟卵は、こちらもぷるぷるのとろとろ。トウガラシや山椒の辛さを和らげてくれます。黄身が黄金で神々しい…。

なぜ「パクチー嫌いもうなる」のか

このスパイスラーメンは、「パクチー嫌いも虜になってしまう」と評判なのですが、その理由が分かりました。生パクチーはもはやこのスープの大事な一要素になっているんです。スープのベースにコリアンダー(パクチー)が使われていることもあり、パクチーの風味が浮きません。その独特な匂いも、クミンやカルダモンの甘くさわやかな香りに紛れます。つまり、パクチーの風味をいい塩梅で感じられるのです。 そうして食べているうちに、気づいたらパクチストになっているというわけ!!!お店の方も、今までに何人ものパクチストの誕生を目の当たりにしているそうです!

【卍力】の店主は、辛さと痺れで有名な、神田の「カラシビ味噌らー麺鬼金棒」のご出身で、パクチートッピングやスパイスラーメンはそちらに着想を得たそうです。かなり山椒の効いた痺れるラーメン、こちらもぜひ食べてみたい!!

【卍力】の名前の由来とは…

「卍」といえば、地図記号の寺としておなじみですが、本来「幸運」「吉兆」という意味を持つ字なんです。つまり【卍力】とは幸せの力ということ。ちなみにこの幸せのマークが店内のいたるところにありました!食べた人が幸せになるラーメンを作っていきたいというお店の想いが隠されていたのです。

暗い照明、黒い壁、インド風音楽に仏像……ちょっぴり怪しげなエスニック空間で、五感をフルに使って楽しむラーメン。その未体験の刺激を試してみない手はありません!!土日は行列必須です。平日の早めの時間が狙い目!

「パクチーなんて食べ物じゃない!」と思っているあなたにこそ食べてもらいたい一杯です。

「卍力」

東京都江戸川区西葛西3-16-5 スワームマンション 1F
http://youtu.be/xRnXdglu3Qk
営業時間
[月~金] 17:00~22:00
[土・日・祝] 11:30~14:30 / 17:30~21:00
定休日 水曜日(水曜日が祝日の場合もお休みとさせていただきます。)
TEL 03-6848-1346

執筆:前田あいれ

成城大学文芸学部3年
音楽、映画、美術館が好きな、アッパー系サブカル女子。食い意地は誰にも負けません。

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