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コラム

みかんを揉むと甘くなるのは本当か?を味覚センサーで検証してみた!

みかんを甘くする裏技がある?

冬といえば、こたつにみかん!こたつがないお家でも、みかんを食べる機会は多いのではないでしょうか。みかんは手軽に買えますが、大きさも味も食べるたびに違いますよね。できれば、いつでもあま〜いみかんを食べたいものです。

そんなみかんを美味しくする方法として、「揉む」というものがあります。

なんでも、みかんを揉むと酸っぱさが減って甘みが増すのだそうです。揉むだけで味が変わるなんて、本当なのでしょうか!?

今日は、みかんをモミモミして、本当に味が変わるのかどうかを調べてみたいと思います!

うわさ通りの効果アリ!?

実験はいたってシンプル。みかんを2つ用意し、片方だけを手の内に収めて50回ほどモミモミしてみます。

そして、通常モードのみかんと、モミモミされたみかんの味覚を、食べ物の味を数値化できる味覚センサー「レオ」くんで調べてみましょう。味覚分析の結果はこちらです。

甘味・旨味・塩味・酸味・苦味について調べたところ、甘味と酸味に差がありました。揉んだみかんは甘味が0.22ポイント高く、酸味が0.23ポイント低くなりました。人が違いを感じられる差(有意差)は0.20ポイント以上なので、差がついたといえます。

このように見事、うわさ通り甘味と酸味に変化があるという結果になりました!みかんを揉むことで、みかんの細胞が傷を受けます。その傷を修復するときに、「クエン酸」という酸味を持つ物質が消費されます。このため、クエン酸の量が減って酸味が下がるため、相対的に甘味があがるのだと考えられます。

また、揉むのではなくお手玉のようにポンポンと投げたり、みかんでキャッチボールを行うのでも、同様に甘くすることができるようです。ただし、あまりに衝撃を与えてしまうと食感が損なわれるので、ほどほどに優しくしてあげてください。

この冬は、みかんをモミモミして、あま〜いみかんを楽しんでみましょう!

著者:味博士

味覚研究家。AISSY株式会社代表取締役社長 兼 慶応義塾大学共同研究員。味覚を数値化できる味覚センサーを慶大と共同開発。味覚や食べ物の相性の研究を実施。メディアにも多数出演。ブログ『味博士の研究所』で味覚に関するおもしろネタを発信中。

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