地震や台風・豪雨など、自然災害はいつ自分の身に降りかかるかわかりません。大規模災害に見舞われた場合、日常生活を取り戻すまでには時間がかかるケースも想定されます。被災直後の緊急避難を経て、「在宅避難」へと移行することも少なくないでしょう。在宅避難経験のあるクックパッドユーザー1191名へのアンケート調査結果から、イザという時に役立つ「食の備え」とは何かを読み解いていきます。
本特集の第3回では、在宅避難時の食事作りで最も役立った食材は「缶詰」だったという事実が判明しました。では、最も役立った「調理器具・道具」は何だったのでしょうか?
在宅避難経験者1191名の回答結果が下のグラフです。最も多かったのは「カセットコンロ」。ガスが使えない、もしくはIHコンロのご家庭で電気が使えないなど、両方のケースで活躍したことがうかがえます。
非常時だからこそ、温かい食事でほっとしたい気持ちも高まります。最近は、卓上IHコンロも人気ですが、ガスだけでなく電気も使えない時には利用できません。普段使わずとも、いざという時の備えとしてカセットコンロとボンベをストックしておくと安心といえそうです。
また、「ラップ」「紙皿・紙コップ」は、水の確保が難しい状況の中、洗い物を極力少なくする目的で活用されていました。お皿にラップを敷いて、その上に料理を盛り付ければ、洗い物の手間を省くことができます。紙皿・紙コップも使い捨てして洗わずにすませたり、これも上にラップを敷いて使えば何度か繰り返して使用できます。
特にラップは、節水やゴミ削減のためなど、いろんな場面で使えるので、常に少し多めに買い置きしておくとよいでしょう。
ガスや電気が使えない場合、カセットコンロはとても便利。ただし、カセットボンベのストックがあまりない場合、長時間火を使わねばならない調理は避けたいものです。そんな時は、食材の切り方を工夫する手もあります。
また、ガスが使えなくても電気は使えるといった場合には、電子レンジやトースターを利用することが多いかと思いますが、一度に大人数のおかずを用意したい時などはホットプレートも重宝します。
アルミ箔やクッキングシートなどを敷いた上に食材を置けば、洗う手間も最小限に抑えられ、節水もできます。
最終回は、在宅避難時の「食以外の困りごと」にフォーカス。さまざまな制約のある生活環境の中で、どんな不便が発生し得るのか、在宅避難経験者の実体験談をご紹介していきます。
(TEXT:福井千尋)
調査テーマ:「被災時の料理に関するアンケート」
調査方法:インターネット調査(クックパッドのメールマガジン)
調査地域:全国
調査対象:クックパッドのユーザー2777名(うち在宅避難経験者1191名)
調査実施時期:2019年3月29日(金)〜4月1日(月)
被災直後の緊急避難を経て、自分や家族の安全が確保できると判断できた場合には「在宅避難」を選択するケースも少なくありません。ただし、ライフラインが完全復旧しておらず、不具合がある中で在宅避難生活を送るには、日ごろからの「備え」が必要です。
そこで、本書ではクックパッドの豊富なレシピの中から、非常時だけではなく日ごろから活用できる「ポリ袋調理」や「節ガス・節水レシピ」などをピックアップして掲載。また、上の記事でも紹介している在宅避難経験のあるクックパッドユーザー1191名へのアンケート調査結果を元に、被災時に本当に役立つ備えや生活周りの知恵を紹介しています。
家族の“災害に備える力”を高めるため、また、イザというときに自分の頭で考えて行動するためのツールとして活用できる実践的な内容が満載の一冊です。
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