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コラム

豪華なトッピングはなくてもOK!シンプルすぎるのに絶品な「クレープ」の作り方【材料4つで本当においしいお菓子 Vol.8】

「お菓子はレシピ通り作れば、必ずおいしく作れます」と話すのは、お菓子研究家・福田淳子さん。丁寧なレシピとその再現性の高さで人気の福田さんに、この連載では材料4つで作れる“本当においしいお菓子”を紹介していただきます。第8回のテーマは「クレープ」。チョコレートやフルーツがなくても、とってもおいしいクレープができますよ。

シンプルな「クレープ」の魅力

だんだん寒くなってきましたね。みなさんいかがお過ごしですか? 今日、ご紹介するお菓子はおなじみの「クレープ」です。

クレープときいてみなさんは何を思い浮かべますか?ホイップクリームにいちご、バナナにチョコにアイスクリーム。くるくると巻かれたタイプのものが頭に浮かぶ方も多いのではないでしょうか?

そして、そのクレープの主役は、きっと中身ですよね。私も昔は、中に入るものが重要でした。生地はあくまで中身を包むもの。でもそれは、まったくクレープの本質をわかっていなかったなと今になって思います。大人になってお菓子作りが仕事になると、クレープを作っても、トッピングの豪華さとか華やかさにはあまり惹かれなくなりました。

今のお気に入りの食べ方はバターシュガー。なんともシンプルなトッピングです。お砂糖は、バニラビーンズの使い終わったさやを、洗って、乾かしたものを瓶の中に入れて「バニラシュガー」を作ってそれを使います。こうすると、お砂糖からほんのりバニラの甘い香りがするのです。

そのままふりかけて、砂糖がじゃりじゃりしているのを食べるのも好きですし、折ったクレープに砂糖をまぶして、もう1回焼いてキャラメリゼするのも好きです。

クレープはフランス発祥の食べ物で、現地では日本のようにいろんなものをトッピングするよりも、それこそ、バターとシュガーや、ジャムをのせたり、ヌテラを塗ったりとシンプルに食べるほうが多いようです。

原宿でよく見かけるような、いろんな具材を入れて食べるクレープは、フランスどころか他の国でも見かけません(アジアのマーケットで日本のクレープが取り入れられているところはありますが…)。

縁が香ばしく、もっちりとした生地は手作りならではのおいしさがあります。今日はそんなクレープを、極々シンプルに食べるレシピをご紹介します。

クレープの一番のコツは「生地を寝かせること」

クレープを作るときの最初のポイントは、粉類と水分の入れる順番。この生地は水分量に対して、粉量が少なめなので、粉類に水分を入れます。これを逆にすると、ダマができやすくなります

混ぜ終わったら、最後にざるでこして、なめらかな食感に仕上げます。生地ができたら、これを寝かせます。クレープ作りの工程で一番大事なのはこの「寝かすこと」です。
と言っても難しいことはなく、作った生地はボウルごとラップをして冷蔵庫に入れておくだけ。この間に生地が落ち着き、広げやすく、破れにくくなります。最低でも1時間以上、できれば2時間ほどおいておくといいでしょう。

寝かせたら、生地に溶かしバターを入れて、焼きます。フライパンを中火で温めて、十分に温まったら、生地を流し入れて左右前後に傾けて、薄く広げます。固まる前に手早く広げるのがコツです。焼く温度は中火と弱火の間くらい。弱火だとふにゃっとした感じになるし、強火すぎると焦げてしまいます。おうちのコンロや、フライパンによっても違いますので、これは関しては、いい感じの火加減を焼きながら見つけてください。

縁が浮いてきて、裏面が焼けたらひっくり返して、表面もさっと焼きます。クレープらしい焦げ目をつけると、見た目も美味しそうになりますよ。1枚目、2枚目あたりは破れることもありますが、続けて焼いていくとこなれてくるので、休まずにどんどん焼いていきます。全部焼けたら、食べる分を再度温めます。できればのせるお皿も温めておきましょう。

両面温めたら、4つに折ってお皿に取り、熱いうちにバターをのせ、砂糖をふりかけます。クレープを温めるときに、砂糖をふりかけて、そのままフライパンで焦がしてもおいしいですよ。

水分を水で作ると、あっさりとした軽い生地になります。よりリッチな生地にしたい場合は水の全量を牛乳に変えてください

バターシュガーも好きなのですが、そこにレモン果汁をぎゅっと絞って食べるのもお気に入り。もちろん、いろんなデコレーションを楽しんでも。
生地にはほんのり甘みがある程度なので、ハムやチーズ、ツナやレタスなど、食事系の具材をはさんでもおいしいです。

自分好みの食べ方をおうちでどんどん、カスタマイズしていただけたらと思います。でも、まず最初にシンプルなクレープも試してみてくださいね。

【基本のレシピ】

材料(直径20cmのクレープ6〜7枚分)

薄力粉…60g
グラニュー糖…小さじ2
卵…1個
水…150ml(同量の牛乳に置き換えるとよりリッチな味わいに)
バター…7〜8g
*5gだとちょっと少なくて、10gだとちょっと多いのです。なので、その間であれば大体でOKです。

トッピング…バター、グラニュー糖お好みで

.ボウルにを入れ、混ぜておく。別のボウルに卵を割り入れ溶きほぐし、水を加えて混ぜる。粉類に液体類を加えながら混ぜる。ざるでこして、ラップをして冷蔵庫で1時間以上寝かせる。
*入れる順番に注意。液体に粉を加えるとダマができやすいです。


.直径18cmのフライパンを弱火で熱しバターを溶かしてに混ぜ加える。そのままフライパンを熱し、お玉などで生地を流し入れ手早く回して生地を広げ焼く。端が乾いてきたら、裏返しさっと焼く。
*寝かせた生地は粉が沈んでいるので、バターを加える前に1度かき混ぜて生地を均一にしておきます。

.焼けたクレープを折りたたみ、温めた皿にのせる。グラニュー糖をふりかけ、バターをのせる。

+αのアレンジレシピ

ミルクレープ

基本のレシピを3倍量(約20枚分)で作り、生地を全部焼いて冷ます。
ボウルに生クリーム300mlと、グラニュー糖大さじ2を入れてボウルの底を氷水にあてて八分立てにする。クレープの間に、ホイップクリームを薄く塗って重ねる。ラップをして冷蔵庫で2時間以上寝かして切り分ける。
*一晩置くと、生地がなじみ切った断面がきれいに仕上がります。

これがあると便利!お役立ちグッズ

耐熱性のゴムベラ

クレープを裏返すときに、フライ返しでもなく、菜箸でもなくゴムベラを使っています。この職業についている割には、不器用なんです私。いろいろ試してみて、ゴムベラに落ち着いています。このへらのしなり具合がいいようです(ゴムベラによっては、扱いにくいものもあります)。

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福田淳子(ふくだ・じゅんこ)

お菓子・料理研究家。カフェでメニュー開発や店舗の立ち上げを経験後、雑誌や書籍を中心に活躍中。身近な材料と、シンプルな手順で美味しく仕上がるレシピに定評がある。これまでに手がけたお菓子の本は30冊以上。
【Instagram】@junjunfukuda

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